煙突と宮造の建物にステンドグラス。『東京浴場』

レトロとモダンが調和する

ステンドグラスに囲まれたフロントに座るのは女将の坂詰裕子さん。
ステンドグラスに囲まれたフロントに座るのは女将の坂詰裕子さん。

唐破風や千鳥破風の屋根をもつ宮造りの建物は、これぞ銭湯建築の見本といえるほど。数年前に改修したというフロント式の受付の周囲はステンドグラスに彩られ、レトロとモダンが同居する。浴室は、両側と中央にカランを配置し、奥に大小2つの浴槽があるシンプルなレイアウト。大きな浴槽は、熱めの湯の深い浴槽と、ジェット(超音波風呂)がある浅めの浴槽に仕切られている。すぐそばに小さな日替わりの薬湯があり、湯底からバイブラが刺激する。男湯と女湯を挟むように中庭を設け、ガラス窓からは庭を眺め、夜は月や星も見える。

中庭を眺める浴室。正面に見えるイラストの背景画も印象的だ。
中庭を眺める浴室。正面に見えるイラストの背景画も印象的だ。
大きな浴槽を2つに仕切り、大小の浴槽で湯温を変えている。奥は日替わりの薬湯。
大きな浴槽を2つに仕切り、大小の浴槽で湯温を変えている。奥は日替わりの薬湯。
住所:東京都品川区大井2-22-16/営業時間:15:00~23:00/定休日:月/アクセス:JR西大井駅から徒歩10分

銭湯文化を楽しめる宮造り銭湯。『大盛湯』

ピカピカに磨かれた床が印象的

内側に紺色のタイルを貼った浴槽。窓を開ければ風が感じられ、半露天風呂の気分。
内側に紺色のタイルを貼った浴槽。窓を開ければ風が感じられ、半露天風呂の気分。

唐破風屋根、磨き込まれた木の床、折上格天井(おりあげごうてんじょう)、八重桜が咲く坪庭、岩と木を配した浴槽横の庭など、銭湯文化を楽しめる宮造り銭湯。浴室は天井が高く、開放感がある。浴槽は2槽に仕切られ、大きい方は42~43度くらいのジェットバス、小さい方は44度くらいの熱湯でバイブラ機能付き。浴槽の後方にはペンキ絵ではなく、本物の岩と植物を配した庭になっている。浴槽の庭側に窓があり、開ければ半露天風呂のような気分。

浴室は天井が高く、洗い場も広い。清潔感があるので気持ちよく利用できる。
浴室は天井が高く、洗い場も広い。清潔感があるので気持ちよく利用できる。
住所:東京都品川区二葉2-4-4/営業時間:15:00~23:00/定休日:金/アクセス:JR横須賀線・湘南新宿ライン西大井駅から徒歩5分、または東急大井町線下神明駅から徒歩7分

“タヌキのお風呂屋さん”『西品川温泉 宮城湯』

趣の異なる浴室で温泉が楽しめる

1階の浴室。3つの浴槽がTの字に配置されている。
1階の浴室。3つの浴槽がTの字に配置されている。

信楽焼のタヌキが迎えてくれる。浴室は1階と3階にあり、男女週替わり。1階と3階の浴室の趣は異なるが、ジェットバスと寝湯、バイブラ機能を備えた冷水風呂、温泉浴槽、そしてテレビ付きのサウナが備わる。また、1階の浴室にはテレビを備えているので、つい長湯になりそう。地下100mから湧く温泉は、ほんのり色を帯びた黄褐色の湯。1階は電気風呂を併設した半身浴、3階は時折飛行機も見える露天風呂(3階)という趣の異なる浴槽で楽しめる。

1階の温泉浴槽は、38度というぬる湯なので、ゆっくり半身浴を楽しめる。
1階の温泉浴槽は、38度というぬる湯なので、ゆっくり半身浴を楽しめる。
これを楽しみに訪れる人も多いという露天風呂。目隠し塀の小窓を開ければ新幹線が見える。
これを楽しみに訪れる人も多いという露天風呂。目隠し塀の小窓を開ければ新幹線が見える。

美肌効果が高い温泉。『幸の湯』

高温サウナと源泉水風呂も好評。

鹿の親子が印象的な女性用大浴場。男性用大浴場はシンメトリーの配置。
鹿の親子が印象的な女性用大浴場。男性用大浴場はシンメトリーの配置。

早朝から営業している銭湯。大浴場で目に付くのがタイル絵で、虹が架かった滝の前に2頭の鹿の親子が描かれている。大浴場には、ジェットバスやボディマッサージ風呂、電気風呂などの機能浴も充実。温泉も楽しむことができ、やや褐色の温泉はナトリウム・カルシウム・マグネシウム-塩化物温泉で、美肌効果があり、湯冷めしにくいと評判だ。タイル絵の脇の階段を登れば高温のサウナが、サウナ前には源泉が注がれた水風呂がある。

竹垣風に囲まれ、和の趣を感じる露天風呂。
竹垣風に囲まれ、和の趣を感じる露天風呂。
水風呂のは夏は冷たく、冬は暖かい。温泉の効能が体に染み込むように感じられる。
水風呂のは夏は冷たく、冬は暖かい。温泉の効能が体に染み込むように感じられる。
住所:東京都大田区西糀谷1-25-15/営業時間:6:00~11:00・14:00~23:00/定休日:月/アクセス:京浜急行線糀谷駅から徒歩5分

取材・文・撮影=塙 広明、速志 淳