煙突と宮造の建物にステンドグラス。『東京浴場』
レトロとモダンが調和する
唐破風や千鳥破風の屋根をもつ宮造りの建物は、これぞ銭湯建築の見本といえるほど。数年前に改修したというフロント式の受付の周囲はステンドグラスに彩られ、レトロとモダンが同居する。浴室は、両側と中央にカランを配置し、奥に大小2つの浴槽があるシンプルなレイアウト。大きな浴槽は、熱めの湯の深い浴槽と、ジェット(超音波風呂)がある浅めの浴槽に仕切られている。すぐそばに小さな日替わりの薬湯があり、湯底からバイブラが刺激する。男湯と女湯を挟むように中庭を設け、ガラス窓からは庭を眺め、夜は月や星も見える。
銭湯文化を楽しめる宮造り銭湯。『大盛湯』
ピカピカに磨かれた床が印象的
唐破風屋根、磨き込まれた木の床、折上格天井(おりあげごうてんじょう)、八重桜が咲く坪庭、岩と木を配した浴槽横の庭など、銭湯文化を楽しめる宮造り銭湯。浴室は天井が高く、開放感がある。浴槽は2槽に仕切られ、大きい方は42~43度くらいのジェットバス、小さい方は44度くらいの熱湯でバイブラ機能付き。浴槽の後方にはペンキ絵ではなく、本物の岩と植物を配した庭になっている。浴槽の庭側に窓があり、開ければ半露天風呂のような気分。
“タヌキのお風呂屋さん”『西品川温泉 宮城湯』
趣の異なる浴室で温泉が楽しめる
信楽焼のタヌキが迎えてくれる。浴室は1階と3階にあり、男女週替わり。1階と3階の浴室の趣は異なるが、ジェットバスと寝湯、バイブラ機能を備えた冷水風呂、温泉浴槽、そしてテレビ付きのサウナが備わる。また、1階の浴室にはテレビを備えているので、つい長湯になりそう。地下100mから湧く温泉は、ほんのり色を帯びた黄褐色の湯。1階は電気風呂を併設した半身浴、3階は時折飛行機も見える露天風呂(3階)という趣の異なる浴槽で楽しめる。
美肌効果が高い温泉。『幸の湯』
高温サウナと源泉水風呂も好評。
早朝から営業している銭湯。大浴場で目に付くのがタイル絵で、虹が架かった滝の前に2頭の鹿の親子が描かれている。大浴場には、ジェットバスやボディマッサージ風呂、電気風呂などの機能浴も充実。温泉も楽しむことができ、やや褐色の温泉はナトリウム・カルシウム・マグネシウム-塩化物温泉で、美肌効果があり、湯冷めしにくいと評判だ。タイル絵の脇の階段を登れば高温のサウナが、サウナ前には源泉が注がれた水風呂がある。
取材・文・撮影=塙 広明、速志 淳