2020年10月 「レコファン渋谷BEAM店」
意外な掘り出し物が見つかる店
音楽の街・渋谷を代表するCD・レコードショップの「レコファン渋谷店」が、10月11日に閉店した。1994年オープンで、26年間、中古CD・レコードの買取・販売を中心に音楽ファンを引きつけた有名店だったが、コロナの影響が大きかったようだ。
邦洋幅広いジャンルの品ぞろえと広く雑然とした店内が定評で、意外な掘り出し物が見つかる店でもあった。渋谷は『タワー』、『HMV』、『ディスクユニオン』を中心に、かつては「シスコ」、「バナナレコード」、「マンハッタンレコード」、「イエローポップ」、「フェイスレコード」など様々なCD・レコードショップが林立していたが、そのなかでもここは特異な存在だった。今後は通販を中心に展開するという。秋葉原店と小金井店は営業を続けていくが、渋谷店の閉店は一つの時代の終わりを感じさせる。配信やサブスク全盛の中、音楽の聴き方も街の地図も大きく変わってきているのだろう。
2020年11月 浅草「まるごとにっぽん」
オープン当初は連日満員、全国のものが手に入るスポット
2015年2月にオープンした浅草六区の観光商業施設「まるごとにっぽん」が、11月23日、わずか5年で閉館した。この「東京さよならアルバム」で最も短命な施設になってしまった。
全国各地の特産物、グルメから工芸品まですべてが物産展のような施設で、1階から4階のレストラン街まで、ここで全国のものが手に入る話題のスポットだった。オープン当初は、六区の新名所として多くの観光客であふれ、連日満員の人気ぶりだった。1階には魚を目の前でさばいてくれる魚屋や寿司屋があり、注目を集めていた。最近はコロナの影響や、外国人観光客の減少で閑散としており、売り上げも減少して遂に閉館となってしまった。最後は「まるごとにっぽんの恩返し」と題して、セールやキャンペーン、イベントでフィナーレを迎えた。今後は全館リニューアルして、新たな施設に生まれ変わる。「ユニクロ浅草店」が入ることが決まっているらしい。
2020年11月 「新宿プレイランドカーニバル」
オールナイトの映画の後に始発待ちで遊んだりした
1985年オープン、新宿歌舞伎町の大型ゲームセンター「新宿プレイランドカーニバル」が、11月29日閉店した。歌舞伎町の旧コマ劇場前の広場に面したヒューマックスパビリオンの1階と2階を占め、ゲーマーの聖地と言われた老舗のゲーセンである。
プリクラ、UFOキャッチャーから、アーケードゲーム、メダルゲームまで400台以上が並び、薄暗く哀愁のある場末感と、昭和レトロな懐かしさが独特の空気を醸し出していた。映画や待ち合わせの時間つぶしに使ったり、かつては夜中までやっていたので、オールナイトの映画の後に始発待ちで遊んだりしたこともあった。昨今はオンラインゲームが主流になり、ゲームセンターも苦しいところにコロナの追い打ちもあって閉店することになったという。コマもミラノも無い今、歌舞伎町の広場の周りは、全て景色が変わってしまったことになる。
2020年12月 有楽町「銀座スカイラウンジ」
都内唯一の回転レストランだった
JR有楽町駅前の交通会館15階の回転展望レストラン「銀座スカイラウンジ」が30日、一旦クローズした。1965(昭和40)年オープン。食事をしながらフロアが回転し、360度のパノラマを楽しめるレストランとして55年間回り続けた。開店当初は入場制限するほどの人気だったらしい。当時、銀座で一番高いビルで、80分で一周、秩父から富士山まで一望できた。今は周りに高いビルが建ってしまったが、それでも有楽町から国際フォーラム、東京駅まで見下ろすことができる。超スローな動きなので、気分が悪くなることも無く、料理も東京會舘のレストランなので質は高かった。ホテルニューオータニのスカイラウンジも安全性を考慮して2018年に停止したので、ここが都内唯一の回転レストランだった。約半年の改装の後、今年夏に再オープンする予定だが、回転は無いのではと囁かれている。昭和の東京を代表する風景がまたひとつ消えてゆく……。