【灯台マニア】不動まゆう

当代きっての灯台マニアとして、自費で灯台のフリーペーパー『灯台どうだい?』を発行する。灯台ファンを増やす目的で作られる誌面は灯台愛にあふれ、TVやラジオ、新聞記事などメディアにも多数取り上げられる。今年1月に日本の灯台100基をマニアックに紹介したガイド本『愛しの灯台100』が書肆侃侃房から刊行された。

犬吠埼灯台(千葉県銚子市)

重要文化財に指定された歴史的灯台

〔ココがときめき!〕宝石のようなレンズから光を放つ姿が美しい。点灯する姿は必見。
〔ココがときめき!〕宝石のようなレンズから光を放つ姿が美しい。点灯する姿は必見。

年間を通じて敷地内を見学することができる。灯台に上るだけでなく、展示室や、濃霧の時に大きな音を出していた霧笛舎の見学も面白い。「日本の灯台の父」と称される英国人R.H.ブラントンが手がけた煉瓦造りの灯台だ。

●内部の見学は8:30~17:00(10月から2月は~16:00)、無休。300円。JR・地下鉄東京駅から総武線特急〔しおさい〕で約1時間50分の銚子駅下車。銚子駅から銚子電鉄「外川」行き約20分「犬吠」下車10分。東京駅から約2時間30分で到着する高速バスもある。

近くの『犬吠テラステラス』は食事やおみやげの購入ができる。ラベルに灯台が描かれ たクラフトビール「銚子エール」も楽しんで!
近くの『犬吠テラステラス』は食事やおみやげの購入ができる。ラベルに灯台が描かれ たクラフトビール「銚子エール」も楽しんで!
灯台のバルコニーから爽快な眺め。
灯台のバルコニーから爽快な眺め。

観音埼灯台(神奈川県横須賀市)

それは明治2年、日本で最初にともした光

〔ココがときめき!〕東京湾を行き来する大型船を灯台から無心に眺めるのも乙なもの。
〔ココがときめき!〕東京湾を行き来する大型船を灯台から無心に眺めるのも乙なもの。

日本で近代的な灯台建築が始まったのは明治元年(1868)、その翌年から点灯を始めた日本初の灯台が観音埼灯台だ。開国に伴い外国船を導く重要な役割を担った。初代の灯台は残念ながら地震で倒壊し現在は3代目が引き継ぐ。

●内部の見学は土・日8:30~ 17:00(平日は9:00~、10月から2月は~ 16:00)、無休。300円。JR・私鉄品川駅から京急本線約1時間20分の浦賀駅からバス「観音崎」行き約15分「終点」下車徒歩10分

関東大震災で倒壊した2代目灯台の痕跡。灯台下の浜辺には初代灯台の煉瓦片も見つかる。
関東大震災で倒壊した2代目灯台の痕跡。灯台下の浜辺には初代灯台の煉瓦片も見つかる。

城ケ島灯台(神奈川県三浦)

マグロもいいけど灯台もね

〔ココがときめき!〕夕日を見送ると点灯を始める灯台。夜のはじまりを感じられる。
〔ココがときめき!〕夕日を見送ると点灯を始める灯台。夜のはじまりを感じられる。

灯台までの道は商店が軒を連ね、店先にガラスの浮き玉や貝殻が並ぶ。案内に沿って階段を上がると、地中海と古代ローマが混ざったような趣ある公園。昭和感がたまらない。灯台はその先で涼しい顔をして立っている。

●品川駅から京急久里浜線約1時間20分の三崎口駅から京浜急行バス「城ヶ島」行き約30分終点下車徒歩5分。

島の東側に位置する城ケ島公園に建てられた安房埼灯台。三浦大根がモチーフ。
島の東側に位置する城ケ島公園に建てられた安房埼灯台。三浦大根がモチーフ。

洲埼(すのさき)灯台(千葉県館山市)

点灯時はミステリアスに

〔ココがときめき!〕洲埼灯台は白と赤の光を交互に放つ。赤い表情は神秘的でゾクゾク。
〔ココがときめき!〕洲埼灯台は白と赤の光を交互に放つ。赤い表情は神秘的でゾクゾク。

灯台周辺の空き地は昔、灯台守が暮らしていた場所。家族で力を合わせ灯台の光を守っ
ていた。灯台のすぐ下に懐かしい雰囲気の商店があり、洲崎の天草100%の自家製ところてんが名物。酢醤油と黒蜜味があり、持ち帰りも可能。

●東京駅からJR総武線快速で約1時間30分の君津駅で乗り換え、館山駅下車。館山駅からJRバス関東「洲崎方面」行き約30分の「洲の崎灯台前」下車徒歩10分。

日立灯台(茨城県日立市)

「日の立ち昇る」その地名どおり

〔ココがときめき!〕久慈浜海水浴場から眺める灯台と朝日のコラボレーションにもキュン!
〔ココがときめき!〕久慈浜海水浴場から眺める灯台と朝日のコラボレーションにもキュン!

童心にかえって駆け出したくなる広い芝生。和ろうそくをコンセプトにデザインした灯台はモダンなシルエットだ。灯台下部の太い部分は展望スペースとなっており、ここから日の出を眺めることもできる。

●東京駅から常磐線特急〔ひたち〕で約1時間30分の大甕駅下車、海岸方面へ徒歩約20分。古房地公園内。

※ 参観灯台である全国の「のぼれる灯台16」は、公益社団法人燈光会が見学(参観)事業の運営をしているものです。最新の状況はHP(https://www.tokokai.org/)をご確認ください。

文・撮影=不動まゆう
『散歩の達人』2021年4月号より