お話を聞いたのは……
ながれやま遊び探究コミュニティ共同代表兼一般社団法人Funplayer 代表理事 引原有輝さん。
子供の「やりたい」に寄り添い、地元愛を育む
「母になるなら、流山市。父になるなら、流山市」。印象的なキャッチフレーズを具体化するように流山市は約20年で人口が右肩上がり、子育て世代は今もなお増え続けている。子供の預け先や送迎サービスなど、共働きの家庭が直面する悩みに寄り添う支援と制度が充実していることは言わずもがなである。しかし、果たしてそれだけでは、子育てしやすい街にはなりきれないだろう。
今回話を伺ったのは「ながれやま遊び探究コミュニティ」立役者の引原有輝さん。発育発達学や行動科学を専門とし、普段は千葉工業大学の教授として、子供をまんなかにしたコミュニティーデザインの研究や教育に従事している。流山市在住歴は20年ほど。2018年より市内の小学校体育館を活用して取り組んできた「運動あそび教室」を、2026年4月から名称を「ながれやま遊び探究コミュニティ」に変え、スポーツだけでなく表現、食育、自然活動、防災、ものづくりと実施される活動もより幅広く充実させた。子供を通わせているお母さんに話を聞くと「子供は思いっきり遊びながら学べて、親は息抜きになる」と親と子の両者にとって有意義な時間になっているよう。
個人運営活動するコミュニティーが移住を後押しする一方で、「地域の特性を生かしたコミュニティーはまだまだ少ない」という。子育てをする上で、子供に経験させる選択肢は多いほうがいい。さらには、流山だからこその学びや体験の場があれば参加する子供達の地元愛はより強くなるに違いない。
「住民が増え、多種多様な人達が暮らす街になっているので、新しいコミュニティーもどんどん増えていけばいいですよね」
親だけでなく子供目線で流山の子育てを考える
2人の子の父でもある引原さんは、コミュニティーを運営する上で「子供にとって住みやすい街か?」を常々考えている。確かに、ここ十数年で子育て支援制度は充実し共働き世代も子育てがしやすい環境になったのかもしれない。「では子供たちはどうだろう? やりたいことがのびのびできる環境で過ごせているのかと考えて」。
だからこそ「ながれやま遊び探究コミュニティ」では子供自身の「やりたい」が何よりも重要視される。そして、自発的に取り組む子供達は驚くほどにキラキラとイキイキとしている。
「地域の人、世代が違う人との交流も重要だと思います」
町内みんなで子育てをしていた時代があったように、親以外の大人と関わることで柔軟な価値観が生まれるだけでなく、流山市が特別で好きな場所になると引原さんは考えている。
「幼少期の思い出や出会いは、いつまでも心に残るもの。今の子供達が成人する時、ここで暮らす子供のために、この地域のために何かしたいと思い行動するきっかけになるはず」
今は、よりよくするための種蒔(ま)きの最中だ。5、10、15年後……。芽が出て花を咲かせる頃には、今よりもっと子育てがしやすい流山市になっているはずだ。
ながれやま遊び探究コミュニティ
月3~5回開催。取材時行われた「ことば×遊び探究」のほか、食育や自然など多岐にわたるプログラムで子供の好奇心や創造力、主体性を引き出す。
問い合わせは、[email protected]
取材・文=新居鮎美 撮影=井上洋平
『散歩の達人』2026年7月号より






