0円でこんなにも貴重な情報に触れられる
前置きが長くなりました。
散歩の達人11月号の第2特集は「東京0円満喫術」。
10月より消費税率が変わり、世間がお金の話題で揺れる中、こんな思いで作ってみました。
とはいえ、まぁ散歩というのは、そもそもお金がかからない行為で。
何をどうやって取り上げるかは、実はかなり悩んだんです。
そこで基準にしたのが、自分ならわざわざお金を払ってでも行きたい! また行きたい!と思える施設やスポットか、ということ。
0円のことを考えていたら、結果的に、自分の感情が動くポイントや価値の物差しを考えることになりました。
仮にそれが、企業の広報のためだろうと、税金で成り立っているものであろうと、これだけ立派なものがあちこちに存在し、それを誰もが無料で享受できる環境にある、ということは大都市・東京ならではの特筆すべきこと。
せっかくそんな環境が身近にあるのだから、明日にでも出かけない手はないと思うのです。
例えば、「初台アート・ロフト」は、この7月に新国立劇場内にできた、新・0円スポット。舞台美術模型や舞台衣裳、大道具といった舞台関連の品々が見られるほか、バックステージコーナーでは、音響や照明の仕事の様子を垣間見ることができます。
しかも、上階の「情報センター」にいけば、新国立劇場主催公演をほか、過去の公演映像も視聴可能。関連資料本にいたっては約7万冊もあるそうです。
これだけたくさんの舞台芸術にまつわる情報に無料で触れられるなんて、スゴくないですか? ほかの国の国立劇場でこれだけのサービスを備えるところを、私はまだ知りません。こうして舞台への興味が湧き上がったところで、今度は自らチケットを買い、席に座って公演満喫できれば、それはもう0円散歩は大成功といえるのではないでしょうか。
最後に、誌面で掲載できなかったけど気に入った展望スポットを。
あの渋谷の……ではありません。
有楽町は数寄屋橋交差点です。
『東急プラザ銀座』の屋上からはこんな景色が臨めます。
ずっと眺めていられます。夜なら高速側もおすすめです。
飽きたら隣の『Ginza Sony Park』を地下へ。
最先端の技術に触れたり、タイミングがよければラジオの生収録をみてみたり。
そんな上下散歩が、最近のお気に入りだったりします。
だから、寒くなってきたしとか、ボーナス前だしとか言っていないで。
ぜひ0円をめぐる冒険を。
東京にはプライスレスな体験があふれています。
月刊「散歩の達人」編集部 町田紗季子(現在ラグビーロスです)