ヤクニク屋

2014年創業、島で唯一のヤクシカ解体精肉所

屋久島が舞台の椋鳩十の童話「片耳の大鹿」を思い出すが大きさは本土のシカより一回り小ぶり。

山中や西部林道などで見かけるヤクシカは屋久島と口永良部島に生息するニホンジカの亜種。島内に2~3万頭生息し農作物や自然環境に現れ始めた悪影響を軽減する目的で年間約5000頭が有害捕獲されている。精肉所ができたことで、体が小ぶりなため柔らかい肉や皮を食用や皮革製品などに活用する道が開けた。

ヤクニク屋の鹿肉は島内の多くの飲食店で味わえる。
住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦421-34

革cafe〝ariga-to〞

命に感謝しつつ丁寧に作られるヤクシカ革小物

ヤクシカ革の島財布1万1000円~、長財布5 万3000 円~。

ヤクシカ革作家の清水舞さんが、植物由来のタンニンでなめし、染料のみで仕上げた丈夫でしなやかなヤクシカ革を手縫いで仕上げる革小物。ステッチが美しく糸が切れにくい。裏表の皮がウマとシカ(馬鹿)のキーホルダーなどオーダーにも柔軟に対応してくれる。

おり1550 円、キーホルダー1550円など手頃なものも手触りは上質。
住所:鹿児島県屋久島町一湊2282-2(2020年に宮之浦へ移転予定)/営業時間: 11:00~18:00/定休日:不定

シドッチ神父上陸の地

禁制下に潜入、殉教した最後の宣教師

宝永5年(1708)裃を着て上陸した恋泊の岩礁を教会裏手から望む。

シドッチ神父(1668~1714)はキリスト教禁制の江戸時代、屋久島に上陸を果たしたイタリア人宣教師。東京都文京区の切支丹屋敷跡で発見された遺骨が彼のものと確定した2015年の話題は記憶に新しい。彼の聖母像を基にしたステンドグラスが飾られる教会ではシドッチ祭が例年11月23日に行われる。

教会玄関に並ぶ復顔像と上陸時持参の聖母像、上陸風景のパネル。

手打ちそば松竹 まつたけ

亜熱帯の島で味わう本格そば

そばと天丼・魚めし・とろろ飯・飛び魚の棒寿しセット各1080 円。

熊本産のソバを屋久島の水でしめて手打ちした関東風の二八そば。細めでツルツルとのど越しがよい、旬の野菜などの天ぷらとともに、ヤクスギが香る古民家の座敷で楽しみたい。島の西側には店がほとんどないので貴重な存在でもある。ざる600 円、うな丼セット1450円。

屋久島に行ったらかならず食したい飛び魚の棒寿し。単品600 円。
住所:鹿児島県屋久島町栗生1684/営業時間: 11:00~15:00(売り切れまで・夜は予約で営業)

エビス様

風雨に耐えて海に暮らす人々の安全を見守る

風化したエビス様が多いが麦生の浜エビスは極彩色の完全体だ。

おなじみ漁業の神様。屋久島では「えべっさん」と親しまれ、漁港のある集落には海に向かって浜エビス、集落内に岡(村・町)エビスが対をなして祀られていることが多い。島を一周するときは気に留めてみよう。浜エビスは漁港周辺、岡エビスは漁協近くの港を見下ろす小高い場所を探すとよい。

朝ドラ「まんてん」ロケの小物が15 年を経て里の風景に溶け込む。
口永良部島を望む屋久島灯台の突端に鎮座する。ハシゴで塀を越えて参る、意外な立地に驚く。

一湊散策

ほどよい広さの集落をまったり散歩

海風対策なのか壁一枚の破風がとても合理的な願船寺。

「かおり風景100 選」に選ばれた「サバ節工場」がある首折れサバ発祥の古い港町。石垣が囲む民家や遺跡、愛嬌のあるエビス様、番屋峰、矢筈岬などぐるりと回って3時間ほど。クルマで県道を南下すると平家落人伝説が残る吉田集落、ウミガメの産卵で知られる永田いなか浜に至るが、途中の東シナ海展望所のオブジェがなぜかリクガメ。モヤっとしつつ『なっちゃん食堂』で食事をしてキャンプ場へ。

人里離れた静かな一湊大浦キャンプ場。横に大浦の湯もあり便利。
旧測候所の機銃痕。島は近代まで戦乱がほとんどなかったが、空襲で各集落は大きな被害を受けた。

さーや Yoga 屋久島

心身を見つめるYogaで五感を通し自然とつながる

人気の日の出・サンセットYoga。日の出は春田浜で行い茶会も開く。

オーダーメイドのセルフメンテナンス中心のリラックスストレッチヨガ。武家造の古民家のスタジオを拠点に、日の出や日没の海辺、林間などさまざまな屋外でのヨガを積極的に実践。自然のサイクルを意識してのヨガは、屋久島ならではの新鮮な体験だ。

取材・文・撮影=飯田則夫
『散歩の達人』2017年9月号より