サムシングブルーのカワイイものであふれた癒やしのカフェ
日比谷駅から徒歩1分、「日比谷シャンテ」前の広場に『THE BLUE』がある。傍らにはゴジラ像が店を見守るように立ち、ブルーに彩られたカフェがビルの狭間で一際目立つ。
この素敵なカフェを作り上げたのは、宮本奈生子さん。アパレル業界でキャリアを磨き、次のステップアップとして起業したという。
「自分でイメージするかわいらしくおしゃれな空間を作りたいなと。最初は飲食店をしようとは思ってなかったんですけど、たまたま私の家族が飲食店を経営していたりフレンチシェフをしていたり、みんな何かしら飲食業に携わっていて、家族と話しているうちに興味が出てきたんです」と宮本さん。
2022年10月3日、ここ日比谷に『THE BLUE』をオープン。店名は、宮本さんが好きな色から付けられた。
「女性が憧れるサムシングブルーは、結婚式のイメージカラーで“幸せな色”。そこからイメージしながら、都会の中心で安らげる空間づくりをしました」というように、店内はブルーを基調に、洗練されたインテリアが並ぶ。
ランチ一番人気!淡路島から取り寄せるもちもち生麺がきめて
人気のランチメニューは、麺にこだわったパスタ。「淡路島に淡路麺業という生パスタのトップクラスの会社がありまして、そこから取り寄せる生パスタを使っています」。
パスタランチは定番と週替わりの2種類で、定番はジェノベーゼとトマトソースパスタ。週替わりは、夏季なら夏野菜を使った冷製の柚子ジュレパスタなど、季節の素材を使ったメニューが用意される。
こだわりの麺をリフトアップしてみると、かなりの太麺! もっちもちと音がしそうなくらいの弾力で、ジェノベーゼソースもよく絡む。
パスタのほかにもサラダランチ、スープランチがあり、どれも栄養たっぷりでヘルシーなのがうれしい。
ランチメニューには、ドリンクセット、ドリンク&サラダセットとセットメニューもあって、組み合わせは自由自在。だけど、筆者が一番おすすめしたいのは、お店のカラー“サムシングブルー”のケーキ。
食べるのがもったいない!光輝くブルーの宝石ケーキ
店内のショーケースには、キラキラと輝く色とりどりのケーキがずらり。中でもほかでは見たことがないような、ブルーのケーキに引きつけられる。コンセプトは「宝石ケーキ」。確かに宝石のように美しく豪華なケーキだ。
有名ホテル出身の若いパティシエチームで、今までにないような新しいケーキを作ろうと試行錯誤し、店のシグネチャーになるような、ブルーの宝石ケーキが生まれた。
「アパレル時代の人脈を生かして紹介してもらったパティシエの作るケーキをはじめて食べたとき、こんなにおいしいのかと感動しました」。お話だけでおいしさが伝わってくる、そんな一番人気のTHE BLUEをさっそくオーダー。
崩すのがもったいないくらい美しいケーキを、スプーンでそっとすくって一口。ふわふわの雲のような軽さで、口の中で溶けていく。中のムースからバニラのよい香りがするのは、バニラビーンズにこだわっているから。カシスのジュレとホール、チョコのパールクラッカンがアクセントになって、甘酸っぱく新食感のおいしさ。
日比谷のお店は手狭なため、セントラルキッチンを兼ねて恵比寿に姉妹店「Yellow Cakes」を設けた。「ケーキは恵比寿で作っています。THE BLUEと同じハート型の赤の宝石ケーキや季節限定ケーキなども人気ですが、私のおすすめはショコラム。濃厚なカカオ61%のチョコレートムースとラム酒の相性が抜群です」。
ショーケースを見ると、おすすめだけあってショコラムはラスト1個! 人気ケーキを必ずゲットするには、早めの訪問がいいようだ。
ショーケースの端にサムシングブルーの宝石の欠片のような琥珀糖を見つけた。洋生だと持ち歩きが難しいため、製造から1カ月くらい日持ちするテイクアウト用の新商品としてできあがったばかりだという。
「今後は、通信販売も始める予定です。ひとつひとつパティシエが本気で作っているので、東京だけじゃなく、いろんな地域に届けていきたいという思いがあります」
SNSを見て「行ってみたい!」と訪れる方や、近隣のオフィスワーカー、観劇終わりの方々など、お客さんでにぎわう店内は笑顔があふれている。宮本さんの思いをのせた『THE BLUE』にぜひ足を運んでほしい。魅力的なケーキ&フードが現れた瞬間、幸せな気持ちでいっぱいになるはず!
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=大熊美智代