【散歩コース】
スタート:バス/京都駅前から市バス26系統で御室仁和寺バス停まで47分・230円、西日本JRバスで御室仁和寺バス停まで39分・230円
市バス・西日本JRバス御室仁和寺バス停(すぐ)→仁和寺(9分/0.6km)→五智山蓮華寺(13分/0.9km)→龍安寺(14分/1.0km)→等持院(16分/1.1km)→堂本印象美術館(12分/0.8km)→金閣寺(鹿苑寺)(3分/0.2km)→市バス金閣寺道バス停
ゴール:バス/金閣寺道バス停から市バス205系統で京都駅前バス停まで44分・230円
今回のコース◆約4.6km/約1時間10分/約6000歩
仁和寺/歴史的な建造物と白砂の庭の調和が見事
平安時代、宇多(うだ)天皇が建立した真言宗御室派の総本山。国宝の金堂に加え、数多くの重要文化財がある。仁和寺御所庭園の北庭は前面の池と奥に望む五重塔との配置が素晴らしい。
五智山蓮華寺/おだやかに見守る石仏の存在感
真言宗御室派の別格本山。5体の五智如来像と11体の石造が並ぶ石仏群が有名。夏には、疫病をキュウリに封じ、病気平癒を祈願する弘法大師の秘法「きゅうり封じ」法要が行われる。
龍安寺/禅の美を極めた神秘的な石庭
臨済宗妙心寺派の禅寺。緑に包まれた山門をくぐると広大な鏡容池(きょうようち)が広がる。世界的に有名な方丈庭園は、白砂と石だけで構成された枯山水庭園。禅の思想を反映している。
等持院/夢窓疎石(むそうそせき)作庭とも伝わる庭を楽しむ
足利尊氏が創建した足利将軍家の菩提寺。趣の異なる3つの庭園が見どころ。枯山水庭園の南庭、芙蓉池を配置した西庭、開山の夢窓疎石が造園したという心字池を中心とした池泉回遊式庭園の東庭がある。
堂本印象美術館/存在感のある建物も作品の一つ
躍動感にあふれた独特のタッチやみずみずしい色彩が特徴の日本画家・堂本印象が、自身の作品を展示するために設立。外観・内観ともに自らのデザインで、約2300点を所蔵。
金閣寺(鹿苑寺)/まばゆい輝きを放つ、黄金の舎利殿
室町時代、足利義満により建立された。建物と庭園が見事に一体化した美しい景観は、華やかな北山文化の代表格。過去には放火による焼失に見舞われるという歴史をもつ。
●9:00~17:00、無休、拝観500円。
●京都市北区金閣寺町1 ☎075ー461ー0013
【不思議な配置の15石。その意味とは】
龍安寺/石庭の謎と代表的な2つの解釈
室町時代末期の作といわれる龍安寺の石庭は、25mプール大の長方形の中に白砂を敷き、15個の石を配置した枯山水石庭。不思議なことに、どこから見ても1個はほかの石で隠れてしまい、一度に15個全部を見ることはできない。一体何を意味しているのか、代表的な2つの解釈を紹介しよう。
まずは中国の古い説話が基の「虎の子渡し」。石組が川を渡る母虎と3匹の子どもの姿に似ているという説。川の対岸に連れて行くのだが、母虎は一度に1匹しか連れて行けない。しかも3匹のうち1匹は豹(ひょう)で、母虎がいなくなると虎の子を食べてしまう。母虎がやりくりしながら子どもを運ぶ愛情深い姿を表したという。
もう一つは「七五三の庭」。石の配置は方丈から見て左から、5個と2個(七)、3個と2個(五)、3個(三)。七五三はとても縁起のいい数で、15は十五夜(満月)から「完全さ」を意味するが、「物事は完成した時点から崩壊が始まる」という思想から、わざと1個を隠して「不完全さ」を表したという説。
このほかにもさまざまな説があり、作庭者の名前もわかっていない。空間に込められた禅の思想に思いを馳せてみてはどうだろうか。
【京都グルメを堪能】
『茶房 金閣庵』京の町家で特別な時間を
築80年以上の京町家を利用。食前に京田辺産最高級玉露の提供がある。名物の玉露そばが付いたランチ2800円~の種類も豊富で、アフタヌーンティ「京膳」(写真、要予約)も人気。
『花巻屋』ニシンの甘みと出汁の深い味わい
厳選した国産のソバを石臼碾(び)きして打つそばが自慢。にしんそばと天丼のセット2350円はさらりと上品な出汁とやわらかく炊いたニシンの相性が抜群で、ボリューム満点。自家製の香の物もいい。
取材・文=アド・グリーン
『散歩の達人 歩きニストのための京都散歩地図』より