安倍夜郎 Yaro Abe
1963年生まれ、高知県出身。CM制作会社に19年間勤務した後、2003年『山本耳かき店』で小学館新人コミック大賞の大賞を受賞し、41歳で漫画家デビュー。2006年に『深夜食堂』を発表。ドラマ化でいっそうの人気を博し現在も『ビッグコミックオリジナル』で連載中。

十一

酒も料理も外さない理想の居酒屋

和食の修業を積んだ大将。

自身も酒好きという大将の火物敏之さんが探し集めた地酒35種、本格焼酎は20種ほどを常備。常連客は「今日は3杯飲むからヨロシク」と大将に酒のチョイスをまかせることも多いとか。カウンターはゆったりと広く、落ち着いて飲める大人の雰囲気だ。作品に登場したネギトンなどお肉メニューはもちろん、毎日豊洲から直送の魚介類がオススメ。秋冬は土鍋ごはんや土瓶蒸しも人気。

酒が進む軟骨のきんぴら715円。
先生のひとこと
肴を注文してから「おいしいお酒ください」と言うと、マスターが肴によく合う日本酒を出してくれる。マスターとマンガのネタになりそうな料理の話をしながら飲めるのがいい。

『十一』店舗詳細

住所:杉並区荻窪4-33-3/営業時間:18:00~23:30LO(土は17:30~、日は17:00~ 22:00LO)/定休日:月/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩6分

洋食とBar SWITCH

インテリアにも味にもこだわりを貫く

安倍先生の定番メニューはSWITCHナポリタン1250円、フォアローゼズ水割800円と。

サックス奏者でもあるマスターの徳永慎吾さんが自らデザインして改装。特にこだわったのは音響と照明で、店名通りあちこちにスイッチがあり絶妙に調光されているそう。鯛のアラや鶏ガラでダシをとったイタリアンやカクテル並みにきっちり作るハイボールなど、丁寧なメニューも若者たちに支持され、デートに使われる率が高いとか。しゃれたセンスに味の実力が加わった〝映える〞バーだ。

広島産カキのコンフィ830円。
2階に静かな二人席の個室もあり。
先生のひとこと
深夜12時過ぎ、とりあえず仕事を切り上げてから行く。ゴールデン街と違い天井のぐんと高いしっとりと落ち着いた空間で、黒板のメニューを眺めながらボンヤリ飲むのがいい。

『洋食とBar SWITCH』店舗詳細

住所:杉並区天沼3-4-11 2F/営業時間:18:00~翌2:00(金・土・祝前日は~翌3:00)/定休日:無/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩3分

寄港地

家路をたどる前にしばし寄港して休む場所

深夜食堂の赤いタコタコウィンナー539円。

店主の江口正明さんは元出版社勤務。漫画家小山ゆう先生のメシスタントをしていたほどの料理好きが高じて2001年に開店。人と人とをつなげる場所にという思いと、加山雄三の大ファンだったことからこの店名になったとか。言われてみればリゾートなインテリアだ。にぎやかで雑駁な雰囲気ながら個室が3つあるため漫画家さんの需要も多い。現在は息子の元氣さんが店長として2代目修業中。

名物店主の江口正明さんと店長修業中の元氣さん親子。
焼酎638円~、揚ちゃんの水餃子748円、とろろ昆布かけ温豆腐979円。
先生のひとこと
他所で飲んで荻窪に帰って、「まだ、いいですか?」と言ってから入る。閉店後、話好きの大将とバイトの青年たちといろんな話をしながら飲むのがいい。

『寄港地』店舗詳細

住所:杉並区上荻1-4-10/営業時間:17:00~ 23:00LO(日は~ 22:00LO)/定休日:日・不定/アクセス:JR中央線・地下鉄丸ノ内線荻窪駅から徒歩2分

取材・文=神田ぱん 撮影=三浦孝明

『散歩の達人』2019年11月号より