レトロ喫茶の世界へいざなう自慢のメニュー
「最近は若い人の中で喫茶店ブームもあり、クリームソーダの人気も高いですね」。そう語るのは、この店を運営する株式会社トーアコーヒーの執行役員・広中朝明さん。
昔ながらの喫茶店の魅力がある『カフェ東亜サプライ』は、1980年のオープン以来、幅広い年代のお客さんに愛されている。アンティークな雰囲気の中で、手作りのおいしいメニューを味わえるのが魅力だ。
今回は人気商品のオムライス950円(セットドリンク付き)と、カフェクイーン720円をいただいた。
オムライスは、しっかり焼いた卵とふわふわのケチャップライスによる『カフェ東亜サプライ』定番の一品だ。これぞオムライス、というビジュアルのオムライスを頬張ると、口いっぱいに幸せがひろがる。卵とケチャップライスが絶妙なバランスで混じり合い、スプーンが止まらない。
一方、カフェクイーンは、コーヒーとバニラアイスをミキサーにかけたシェイクのようなドリンクに、クリーミーなアイスとホイップがのっている。
コーヒーとバニラアイスのバランスがちょうどよく、重たくなりすぎずさっぱりとした甘さである。また、トッピングのアイスクリームとホイップで口当たりもいいので、コーヒーが苦手な人でも楽しめそうだ。
ほかにも、数量限定で人気のプリンやコーヒーゼリーもひとつひとつお店で作っている。
こだわり抜かれたスペシャルティコーヒー
『カフェ東亜サプライ』では、お店の代表的なハウスブレンドであるゴールデンブレンドとキングアーサーブレンドが味わえる。
ゴールデンブレンドは中煎りで、甘みがありさっぱりした印象だ。苦味は控えめで、さわやかな後味が特徴である。一方、キングアーサーブレンドは深煎りで、ずっしりと深みがあり口の中に心地よさが広がっていく。濃厚な味わいで、コクと苦味のバランスが絶妙だ。
「これらのブレンドコーヒーは、カッピングにて選ばれたクオリティの高いスペシャルティコーヒー100%のブレンドなんです」と広中さん。
『カフェ東亜サプライ』を運営するトーアコーヒーは、COE(カップ・オブ・エクセレンス)という国際的な品評組織のプログラムに設立当初から参画し、永久会員企業に選ばれている。
また、ブレンドコーヒーだけでなく、シングルオリジン(ストレートコーヒー)も常に何種類か用意されている。
選び抜かれたコーヒーを数多く取り揃えており、いつ来ても新しい味に出合えるのが『カフェ東亜サプライ』の魅力の一つでもある。
スプリングブレンドやサマーブレンドなどのほか、バレンタインやクリスマスなど、季節のイベントに合わせたブレンドもさまざま登場し、 飲む愉しみに彩りを添えている。
コーヒーの贅沢を届けるカフェ東亜サプライの想い
トーアコーヒーで推奨している抽出方法として、中細挽きにしたコーヒーにお湯を注ぎ一定時間ボイルした後、プレス器にて濾すフレンチプレスでの抽出もある。こちらはコーヒーのオイルや素材そのものの風味・味をストレートに抽出できるという。『カフェ東亜サプライ』のシングルオリジン(ストレートコーヒー)は、この抽出方法で提供している。
また実は、『カフェ東亜サプライ』の1階には、同じトーアコーヒーが運営する『珈琲専門店東亜』もある。
1階の『珈琲専門店東亜』で飲めるコーヒーは、沸騰させたお湯を注ぎ一定の時間経過後にドリップで濾す方法だ。この方法では、コーヒーの油分が抽出されやすいので、すっきりとした味わいに仕上がる。この抽出時のドリップには自社開発したオリジナルの化繊フィルターを使用している。
「いろいろな国のものを、さまざまな淹れ方・楽しみ方で提供したい」と広中さん。
「皆様にゆっくりと過ごして、幸せになって帰っていただけるような空間づくりを心がけています。コーヒーの贅沢を届けるため、おいしいものをより安く、という意識も大切にしています」と付け加える。
『カフェ東亜サプライ』は、喫茶店の魅力とこだわりのコーヒーを提供することで、お客様に贅沢な時間を届けている。
取材・文・撮影=谷頭和希