富里ホースパーク

東京ドーム1個分の広い馬場でのびのび乗馬体験

馬場の隣にある放牧場。散策しながら間近で見られる。
少人数制で丁寧にレッスン。着実にステップアップできる。

1953年に開設された競走馬の育成牧場『篠原ファーム』に併設された乗馬クラブ。大小4つの馬場と3つの放牧場、バーベキューガーデンなどがある。開放感あふれる環境のなかで、初心者でも気軽に乗馬が体験できる。20頭あまりの競走馬がリフレッシュ・トレーニングを行う育成牧場は見学可。

住所:千葉県富里市中沢1155 /営業時間:8:00~16:00(季節により変動あり)/定休日:月(祝の場合は翌火)

競走馬のふるさと案内所千葉連絡センター

スタンドを沸かせたあの名馬の今がわかる

競走馬に関するさまざまな情報を提供するサービス施設。重賞レースを勝ち取った名馬や種牡馬の繁殖成績、現役時代の競走成績などの資料を豊富に揃える。千葉・茨城エリアで見学できる競走馬の牧場の紹介窓口でもあり、市内に20以上ある牧場も案内してくれる。

落成時の風景らしい。2002年まで軽種馬の競り市が行われた。
現在も同じ建物。馬頭観音に騎兵畑を歩んだ三好一中将の揮毫が。
住所:千葉県富里市十倉1(千葉県両総馬匹農業協同組合内)/営業時間:9:00~16:00/定休日:土・日・祝

山田牧場

サラブレッドの名馬に会えるのどかな小牧場

人懐っこい5頭の牝馬とツルオカオウジ(牡13歳・右奥)に会える。

千葉県で唯一の生産牧場。今年は夏に2頭、北海道で種付けの予定とか。右ページのツルオカオウジはメイセイオペラの産
駒(さんく)。大井競馬を舞台に活躍し2015年に引退した。脚の怪我で乗馬できず、馬場でゆったり草をはんでいる。くしくも伺ったのは彼の誕生日。熱心なファンが会いにきていた。

住所:千葉県富里市御料623-2

富里マメ知識

まさかの分水嶺だった13の里

「富里」という地名の由来はシンプル。現在も字名に残る13村が明治22年(1889)に合併、「十三(とみ)の里」から富里村になった。1985年に町、2002年に市に昇格したが、一度も合併しなかったのはめずらしいケースだ。また市域の多くは、畑作地帯が9割を占める平らな台地。標高40~45mほどなのに、印旛沼に下る高崎川、利根川に合流する根木名川、九十九里浜から太平洋に注ぐ木戸川の分水嶺になっている。

●見学自由。道路元標は千葉県富里市七栄296-1、三角点は千葉県富里市高松和田山437

旧岩崎家末廣別邸

先進的な農法に取り組みスイカの特産品化にも尽力

岩崎が終の棲家とした瀟洒(しょうしゃ)かつ軽快な近代和風建築。母屋は昭和2年(1927)築。
農場職員の記念写真。大正14年(1925)の撮影。

大正元年(1912)、三菱財閥3代目の岩崎久彌(1865~1955)が養鶏・養豚場を開設。末廣農場と名づけ、畜産などの実験農場として、各種研究が行われた。農場内に建てられた別邸は国の登録有形文化財。母屋のそばに東屋、スクラッチタイル貼りの大谷石の蔵がある。

●見学は敷地外から(市外者はふるさと納税の特典で庭園見学可)。千葉県富里市七栄650-25

富里牧羊場跡

殖産興業で始まった牧畜の歴史を伝える

「大久保卿牧羊場選定の碑」(御料171-3)。実際の場所からは移転している。
管理事務所のあった両国に立つ顕彰碑。
立派なサラブレッドが引く下総御料牧場の馬車。大久保利通が駆け上がったという野馬土手とサクラ並木が後ろに見える。現在のこひつじ保育園付近で昭和10年代に撮影。

近代牧畜や羊毛自給の必要を説く内務卿大久保利通の働きで、明治8年(1875)に日本初の官営牧羊場が富里に開設された。関東周辺を調査し、最終的に大久保が放牧に使う「野馬(のま)土手」から周囲を眺め、鶴の一声でここに決まった。ちなみに計画は数年で頓挫、種畜場を経て下総御料牧場となった。

●千葉県富里市十倉字両国沖1322-4

R・E雨宮

「ロータリーの神様」と呼ばれる伝説のチューナー

現在手掛けるのは、最新のロータリーエンジン車RX-8が多い。
最強の13Bエンジンに換装した往年の名車コスモスポーツを展示。

マツダロータリーエンジンを得意とする、世界的に有名なチューニングショップ。レジェンド的存在の雨宮勇美氏が1974年に創業した。レースでの活躍が印象に強く残るが、古くは「雨宮シャンテ12A」など、チューニングカーや各種パーツの開発にも力を注いでいる。江東区東砂に支店があり、こちらは競技車両が中心。

住所:千葉県富里市七栄439-10 /営業時間:9:30~19:00/定休日:無

成田鉄道八街線跡

南小から南に向かう道の端に軌道跡が2㎞ほど残る。左は野馬土手。
富里十倉郵便局付近にあった富里駅での出征風景。昭和 14年(1939)撮影。

県営の軽便鉄道として大正3年(1914)5月18日に開通。軌道幅が日本最小の600㎜だったこともあり、三里塚駅から八街駅まで13.8㎞を43分かけて走った。戦争の影響で昭和19年(1944)に休止。右写真のように軌道跡が道に沿って細長く残る。戦後、近隣農家に切り売りされた部分だが、道路拡幅で消えるかもしれないのでお早めに。

●見学自由。千葉県富里市御料

Cucina Tokionese Cozima

大地の恵みを生かした素材本位のイタリアン

「富里野菜と生ハム パルメザンチーズのスパゲッティ」1320円。
『富里ホースパーク』の馬場を望む屋外テラス席は愛犬の同席可。

都内の名店やイタリアで修業したシェフの店。2009年秋に東京・青山から自然豊かな環境を求めて移転、地場の食材を中心に使って腕を振るう。自宅で店の味を楽めるよう、メニューはテイクアウト可。自慢の特製ミートソースを通販や店頭で販売中。350g1080円。

住所:千葉県富里市中沢1154-1/営業時間:11:30~14:00LO(ディナーは要予約・1組限定)/定休日:日

八街飛行場跡

数奇な運命をたどった蒼空の駿馬のふるさと

四区公民館前の碑。入植や新空港代替の歴史が刻まれている。
時速630㎞(三型)と実用化された旧日本軍機で最速を誇り、海軍も使用した新司偵。

戦時中、新司偵こと陸軍一〇〇式司令部偵察機の練習部隊が八街に置かれた。村境を越え富里にも及んでいた飛行場は戦後開墾されたが、1965年には新東京国際空港予定地に内定。その後空港建設の代替地となり転入者を受け入れるなど時代に翻弄された。当時の地図と照合すると、碑に面した道が南でカーブするあたりが滑走路端のようだ。

●千葉県富里市十倉四区

稲荷山昌福寺

江戸時代後期の高僧ゆかりの禅刹

三門にかかる大中京璨(退歩)揮毫の扁額。墓所もこの寺にある。

曹洞宗の寺。21世の大中京璨(きょうさん)和尚(1806~1871)は、仏教史に名を残す高僧。後に東京帝国大学印度哲学科最初の講師になった仏教学者の原坦山(1819~1892)が、旃檀林で講義をしていた際に論破され、出家したという逸話がある。境内には応永33年(1426)の銘がある美しい宝篋印塔も。扁額とセットでどうぞ。

住所:千葉県富里市中沢593/営業時間:拝観自由。

新橋(にっぱし)観音堂

歴史ある馬の里に立つ、富里最古の馬頭観音

中央が市内最古の馬頭観音。傾いた大きな板碑もあるので注意。

水田の広がる谷津を望んでポツンと立つ。元々、伽藍の一つだったが明治の終わりに寺は合併で消え、18世紀前期の建築といわれる観音堂だけが残された。傍らの石造物群は市文化財。延享元年(1744)の銘がある市内最古の馬頭観音をはじめ、首なし地蔵や板碑をじっくり観賞したい。変わった読みの「新橋」は、平安時代の古文書に出ている古い地名。

●拝観自由。千葉県富里市新橋809

熊野神社

参道左に連なる不思議な小山、その実体は古墳

数十基の石灯籠が並ぶ参道の左側に、古墳がポコポコと並んでいる。

大同4年(809)に紀州熊野の本宮大社(2020年5月号参照)より勧請されたといわれる古社。住宅が立ち並ぶ丘陵に鎮座する。拝殿に向かって左手の社叢(しゃそう)に、古墳として築かれた小山がいくつかあり、それぞれ子安神社、金毘羅神社、三峰神社、疱瘡神社の祠が載っている。形で残る古いものが少ない富里では抜群に古い史跡だ。

●境内自由。日吉台4-615

富里香取神社

ユニークなスイカの御朱印と御守、絵馬

御朱印。神前に禰宜(ねぎ)の篠原さんが育てたスイカが奉納されている。
西瓜御守、突破合格御守、人参厄除御守。おみくじ箱はスイカ柄。
2020年春設置された絵馬奉納所。ツルにスイカ形の丸い絵馬を奉納する。

経津主大神(ふつぬしのおおみかみ)を祀る富里の鎮守。御朱印帳や絵馬、御守など特産のスイカをモチーフにしたオリジナルの授与品が揃う。黒西瓜・西瓜御朱印帳(御朱印込)各1500円。御朱印300円~、西瓜御守700円、西瓜絵馬500円。季節感あふれる月詣限定の御朱印や、毎月1日・15日限定のスイカの皮目と実の部分をモチーフにした御朱印(当面自粛)も楽しみ。

住所:千葉県富里市高松101/営業時間:参拝自由(授与9:00~16:00)

富里のすいかまつり

富里特産のスイカをたっぷりと楽しむ

「すいか共進会」の品評会に並ぶ選りすぐりのスイカ。
子供たちが笑顔でほおばる「すいかをきれいに早食い競争」。「志村けんさんの食べ方は禁止」のルールがあるとか。
思わず目を見張るスイカのカービング作品の展示。

40年以上続くイベントで、例年約1万5000人が訪れる。スイカにちなんだイベントが盛りだくさんで、なかでも無料の試食コーナーは大人気。形の美しさから食味、糖度の高さを競う「すいか共進会」が前日にあり、そこで出品されたスイカも即売される。

●例年6月第3日曜9:00~14:30開催。千葉県富里市七栄652-1富里市役所 ☎0476-93-4943(千葉県富里市農政課)

富里スイカロードレース大会

“給スイカ所”で有名な富里ならではのレース

水でなくスイカが渡される大会名物の“給スイカ所”
ゴール後にもスイカ。コスプレしたランナーも多く大会を盛り上げる。

2019年に36回を数え、毎年ニュースでもよく報じられる富里の定番イベント。高低差が少ないのどかな田園地帯にコースが設定され、総勢1万人が参加するほどの人気。給水所ならぬ「給スイカ所」、ゴール後の「スイカコーナー」で心ゆくまでスイカを堪能できる。来年こそ、甘くておいしい富里スイカで喉を潤しながら走りたい。

●例年6月第3日曜開催(エントリーは2月中旬)。

紅葉山 七栄稲荷神社

開拓50年、100年、150年の節目に建てられた記念碑が境内に並ぶ。
1950年代後半頃の風景。境内にスイカを集荷し都内に出荷していた。
境内の公民館横に置かれたスイカ柄の自販機と中学生のスイカ画。

明治維新後、江戸の武士などが最初に入植したエリアに立つ。江戸城内の紅葉山にあった稲荷社から勧請した神社で、昨年遷座150年を迎えた。門前には当初娼楼(しょうろう)が並び短い間だが栄えたという。埼玉県から入植した地区の武州稲荷神社(十倉296-1)など各地区に神社があり、神頼みしたくなる原野開墾の厳しさが偲ばれる。

●境内自由。千葉県富里市七栄326-2

JA富里市産直センター1号店(旬菜館)

初夏にはスイカが店頭に並ぶ。看板には市のキャラ「とみちゃん」。
富里産の酒米で造られた米焼酎「十三の里」1223円~。

スイカを買うなら産地直送のJA直営店へ。毎朝、安全・安心な野菜や肉、卵をはじめ、弁当や総菜が地域の生産者から届けられ、富里の農畜産物を使った加工品「ふるさと産品」も揃う。「とみちゃんピーナッツバターサブレ」648円〜。ニンジンも特産で「にんじんドレッシング」530円、「フルーツ&キャロット」105円など。

住所:千葉県富里市七栄652-225/営業時間:9:30~17:30/定休日:無

スイカ柄ガスタンク

2020年の秋で見納めの、富里名物超巨大スイカ

水田に水が張られた4月下旬、最後となった「逆さスイカ」を撮影

スイカ柄のペイントを施した直径30mほどの球形ガスタンク。正式名を「千葉ガス富里供給所」という。ネットで真上からの航空写真をみると不思議なオブジェ感が半端ない。地元の要望から実現したもので、20年にわたり富里のシンボルとして君臨。残念ながら2020年10月に解体予定なので見学はお早めに。

●周辺道路や「富里第二工業団地第二公園」などから外観のみ見学可。千葉県富里市中沢269

取材・文・撮影=飯田則夫