歩きながら感じる、下井草・井荻の居心地の良さ
橋上駅舎の形で南北をつないでいる下井草駅。駅から周囲の街並みを見下ろすと、圧迫感を感じさせるような高層ビルもなく、駅前広場もいい感じだ。
南口を出て左手、左右にお店が軒を連ねる通りのにぎわいに惹かれて歩き出すと、老舗の和菓子店『下井草 青柳』が姿を現す。腹が減っては散歩ができぬ――そんな言葉はないけれど、おいしい和菓子を味わえたらいい散歩のはじまりになるだろう。地名にちなんだ郷土銘菓「井草こまち」を購入し、その味わいにうっとり。ちょっとした手みやげにも喜ばれそうだ。
西武新宿線の線路に沿って、井荻駅方面へ歩き出すと、町中華屋や隠れ家風のカフェ、西洋食堂など、気になるスポットがちらほら。これは何度も通って全て制覇したくなる。
続いて立ち寄ってみたのは、中古レコードショップと雑貨店が合わせて入っている『PHYSICAL STORE – ORGANIC MUSIC + PLANET BABY -(フィジカル ストア オーガニック ミュージック プラネット ベイビー)』。懐かしのレコードをいくつか手に取り、奥のバーカウンターでのどを潤す。こういうカルチャースポットが1つ街にあるとうれしいのだ。
商店街を道なりに散歩していくと、井荻駅前に到着。目に入るカフェレストランや居酒屋……このあたりも惹かれるなぁ。
地下通路から北口側に出て大きな通り沿いに進むと、何やら楽しげなお店が! レトロな喫茶店と駄菓子屋の両方を兼ねた『喫茶と駄菓子 ろくや』で、ずらりと並ぶおもちゃや駄菓子に自然と童心に返り、心が弾んだ。常連らしきお子さん連れも来店していて、心が和む。
さて、たくさん歩いたところで一杯飲んで、締めといきたいところ。井荻駅前南口側に戻り、『ダイニングバー TEN』でパスタ、ピザなどと共に生ビールをグビグビッと! 浜田省吾の音楽と共に盛り上がる店内の熱気に包まれ、最高の締めくくりとなった。
【下井草・井荻のおすすめスポット】
下井草 青柳[下井草]
なみすけが刻印されたどら焼きも
1951年創業の老舗和菓子店。スタッフ全員が杉並区のキャラクター・なみすけのファンで商品化を実現した、なみすけが刻印されたどら焼きも。
おすすめは、地名にちなんだ郷土銘菓「井草こまち」。香ばしい皮の中にミルクとはちみつ、バターが練り込まれ、甘いサツマイモあんが入った和風スイートポテトだ。
『下井草 青柳』店舗詳細
PHYSICAL STORE - ORGANIC MUSIC + PLANET BABY -[下井草]
リアルショップならではの交流を
奥にバーカウンターが設置された中古レコードショップと、音楽で繋がった友人が作る雑貨を扱うこだわりの雑貨店。
「ORGANIC MUSIC」はレコード、「PLANET BABY」は雑貨を販売。音楽でつながった人たちが作るモノを直接届けたいと実店舗を構えた。
『PHYSICAL STORE - ORGANIC MUSIC + PLANET BABY -(フィジカル ストア オーガニック ミュージック プラネット ベイビー)』店舗詳細
喫茶と駄菓子 ろくや[井荻]
レトロな風が吹く、夢を詰め込んだコラボ喫茶
「昔からレトロな喫茶店と駄菓子屋が好き」という店主のついちゃん。ならば両方兼ねた店を!と2022年11月にオープン。水風船やけん玉、駄菓子がところ狭しと並ぶにぎやかな店内は、まさに昭和が詰まったおもちゃ箱のよう! 放課後の子どもたちが立ち寄るのも日常の光景だ。
『喫茶と駄菓子 ろくや』店舗詳細
ダイニングバー TEN[井荻]
店主に会いに、ふらりと立ち寄る客多数!
関西出身で阪神タイガースと浜田省吾をこよなく愛する野元達章さんが経営するバー。メニューはパスタやピザなどイタリアンがメインだが、野元さんの気さくな人柄もあり、近隣に住む会社員が一人で訪れ、1杯だけ飲んで帰ることも。チャージ無料という計らいもうれしい。
『ダイニングバー TEN(てん)』店舗詳細
撮影=田中秀典、田淵日香里