有名ラーメン店の2代目が作る、体にやさしい町中華
店頭の看板には「30年の力味 半チャンラーメン ラーメンギョーザ」、上に掲げた黒板には週替わり定食のメニューがラインナップされ、豊富で幅広い料理が並ぶ。何を食べようか迷いながら店へ足を踏み入れた。
出迎えてくれたのは店主の大島将さん。実は大島さんのお父様は『大島ラーメン』の創業者。かつて首都圏10数店舗、海外にも出店した有名店で、大島さん自身もこの店を手伝いながら修業を積んだ。
「料理は、化学調味料等を使わず自然の味を目指しました。父と二人で一から考案し、作りあげました」と話す。
やさしいコクがたまらない昔ながらの醬油ラーメン
数あるメニューの中でも一番こだわっているのは、「下町醬油ラーメン」だ。豚、鶏や魚介などをベースにしたスープに、自家製醬油ダレを合わせ、透き通っていながらも薄く脂の浮いたコクのあるスープが完成する。
合わせる麺は開化楼の中細ちぢれ麺。あっさりしながらも深みのあるスープの旨みを絡め取り、バランスのよい1杯に仕上げる。
こうして完成した「下町醬油ラーメン」が目の前に出された。ふんわりと香ばしさが漂い食欲をそそる。スープをひと口飲んでみると、煮干しの風味が真っ先に広がり、後からトッピングのユズの爽やかさが追いかけてくる。
豚バラ肉の自家製チャーシューも口溶けがよく、ジュワッと脂が口の中を支配していく。スープ、麺、トッピングのどれもが単体で美味しさを持ちながらも、主張しすぎないから全体のまとまりもよい。
野菜多めのヘルシー餃子。さっぱり味わうおいしさを
ラーメンと合わせて注文したいのが「大根おろしで食べる餃子」。具材は豚挽き肉、キャベツやニラなどいたってシンプル。野菜を多めに配合することで、軽い味わいとなっている。
まずは店内に貼られている「おいしい食べ方」参考にタレを作り準備をしておく。最初はタレをつけずに味わってみたが、しっかりと味のついたタネがおいしく、野菜のシャキシャキ感がたまらない。
続いて大根おろしを混ぜ合わせたタレにつけてみれば、大根おろしのさわやかさと、ラー油や辛しの刺激もほんのり感じ、最後までさっぱりと味わえる。ご飯と一緒に味わうのもいいが、これはビールが絶対に合う!
夜は飲み放題や宴会利用も可能
店内は1階にはカウンターが中心、2階には広々としたテーブル席が設けられ、宴会利用も可能となっている。
2014年4月のオープン以来、豊富なメニューと1000円以下のリーズナブルな価格もあって評判となり、近隣会社員の人気ランチスポットとなっている。この日も遅いランチ利用の会社員が途切れることなく訪れていた。
安くて、おいしくて、ボリュームのある気軽に通える町中華。看板メニューの「下町醬油ラーメン」と「大根おろしで食べる餃子」は、“30年の力味”を実感できる大満足のランチだった。メニューが多いから次回は何を食べようか楽しみだ。
取材・文・撮影=千葉香苗 構成=アド・グリーン