化石海水の温泉を露天風呂で楽しむ

露天風呂では、豊かな自然を感じながら温泉に浸かれば体を癒やせる。
露天風呂では、豊かな自然を感じながら温泉に浸かれば体を癒やせる。

古い木材を効果的に使用した建物が印象的。ここの最大の自慢は、地下1300m以上の深さから湧出する琥珀色の天然温泉で、地中に閉じ込められた海水が数十万年の時を経てできたという。ミネラルや海藻、草木の成分などが溶け込んだ成分の濃い温泉に入浴すれば、今注目されているタラソテラピー(海洋療法)の効果も期待できる。

また、この温泉は首都圏では珍しい高張性の温泉。体への浸透圧が高く、温泉の成分を体の中に入れ込みやすいという。デトックス効果が期待でき、体の芯から温めてくれる。

この施設で最初に造られたのが露天風呂。周囲には迫力ある岩やひしゃげた岩など、個性的な形の信州八ヶ岳から運ばれた安山岩を使用。材木は大分県の飛竜山頂から運んだ自然木を配している。温泉に浸かりながら周囲を見渡せば、自然の息吹を感じられる。

内湯にはロマンが感じられる湯船がある

約30畳分の広さがある御柱蔵石風呂。
約30畳分の広さがある御柱蔵石風呂。

温泉は内湯でも楽しめる。男湯の御柱蔵石風呂は、土蔵の敷石や安産岩などを配した広々とした造り。中央には勇壮な神事が行われる諏訪神社御柱祭にちなんだ柱がある。

女湯の勾玉湯・蔵石風呂は、三種の神器の一つである装飾品・勾玉型の湯船が印象的。古代のパワーが凝縮されたような湯船に浸かれば心の底からリラックスできる。

お湯を漏らさず、適度な温度を保つという味噌樽風呂。
お湯を漏らさず、適度な温度を保つという味噌樽風呂。

内湯にはほかにも、約120年前に作られた『信州タケヤみそ』の味噌樽を使用した湯船がある。
サウナは男女で異なる。男湯は発汗作用により代謝を促し、健康的な体が得られるドライサウナ。女湯は海底洞窟蒸し風呂。海底洞窟に縄文時代をイメージした模様を施している。

こだわりのそばや健康になれる料理が食べられる

温泉棟と隣接した志楽亭。ここだけの利用も可能だ。
温泉棟と隣接した志楽亭。ここだけの利用も可能だ。

湯上がりは素材と器にこだわる創作和食レストランの「志楽亭」に。せいろ蕎麦(二八)690円をはじめとしたそばのほか、旬の素材を生かしたメニューが豊富にそろっている。そばは+150円で十割に変更できる。

一品料理も豊富で、全国各地の地酒や焼酎と合わせて楽しみたい。

「ほぼほぼ無添加健幸キッチン」では、有機栽培や自然栽培などの野菜、自然に近い状態で飼育された肉や玉子などの料理が食べられる。化学物質由来のものは使用せず、天然出汁にもこだわっている。おむすび180円~、季節のお惣菜170円~。

ゆったりとした和室スペースの畳語らい処では、体も心もホッとするほぼほぼ無添加健幸キッチンの料理が食べられる。
ゆったりとした和室スペースの畳語らい処では、体も心もホッとするほぼほぼ無添加健幸キッチンの料理が食べられる。

温泉の後、“げん氣”になる縄文整体を

あまりの気持ちよさにウトウトしてしまいそう。
あまりの気持ちよさにウトウトしてしまいそう。

「縄文げん氣堂」は整体リラクゼーション室。縄文げん氣整体40分3870円~は、氣と血流の流れをよくして体調を整えててくれる。

ほかにも、エステやメンズリンパ療法、痩身&美脚コースなど、さまざまなリラクゼーションを用意している。温泉と一緒に利用すれば、さらに効果を期待できるだろう。

“都会に古里”をモットーに“一人ひとりの生命力を取り戻そう”というこだわりを込めて作り上げたという。
「太古の湯にただ浸かり、自然岩に腰掛け、小川のせせらぎを聴けば、きっと縄文パワーで“げん氣”になれると思います」とスタッフの岩渕恵美さんが話してくれた。
落ち着いたたたずまいの中で、温泉に浸かり、健康になれる食事をいただき、整体でリラックス。そんな一日を落ち着いた大人の空間で過ごしたい。

住所:神奈川県川崎市幸区塚越4-314-1/営業時間:10:00~24:00(第3水は15:00~)/定休日:無/アクセス:JR南武線矢向駅から徒歩6分

取材・文=速志 淳 写真=縄文天然温泉 志楽の湯