本から台湾的思考にふれる

台湾同様座り読み歓迎で楽しく本探し

日本台湾双方の書籍担当者が月ごとにおすすめ本を並べる「誠品選書」。目線の違いが興味深い上、台湾カルチャーを間近で感じられる。

誠品生活の要をなす「誠品書店」。一段高くした花道風の「文学の廊下」、さりげなく配した閲覧用ソファ席にイベントスペースなど、書架を回っているだけで楽しい。台湾関連の品揃えはダントツで、ガイドブックから文学まで幅広く網羅。文化とアート関連に強い一方、ハウツー的ビジネス書、一般コミックは扱わないのも特徴。

『台灣早餐地圖』

百香果著 2508円

台湾の多彩な早餐=朝ご飯の定番を、地方ごとに描いて紹介する絵地図。現地語だが絵でわかるのでそう困ることはないし、見た目かわいいがディープな情報満載、実用価値も高い。

『誠品時光: 誠品と創業者吳清友物語』日本語版

林静宣著 横路啓子訳 2970円

創業者の半生と誠品書店の歩みをまとめた一冊。本屋という場を愛し、採算度外視でその可能性を広げ、文化事業へ高めていくさまに熱くなる。ちなみに誠品書店のみで入手可。

『次の夜明けに-下一個天亮』

徐嘉澤著 三須祐介訳 2090円

1940年代から現代にいたる台湾激動の時代を背景に、歴史とともにさまよう家族のアイデンティティを点描していく。深刻すぎぬ語り口でなじみやすく、台湾現代史も概観できる。

洗練されたデザインを楽しむ

肩書に頼らぬクオリティーと遊び心

棚に並ぶオリジナルプロダクトの数々。バッグ類だけでも10種以上、紙モノは数十種類は余裕である。もはや文具専門店並み。

オリジナルプロダクト 「誠品設計シリーズ」 にも注目だ。トートバッグにメモ帳など、使い勝手を考慮した良質な品々で、何かしら本を意識している点もおもしろい。顕著なのが作家をテーマ化する文豪雑貨。誠品創立30周年記念の第1弾がアインシュタイン、第2弾がメアリー・シェリー、昨年は宮沢賢治と、セレクトの振り幅広いぞ。

All rights reserved ノートブック

924円

メモ帳類は上質という共通点を除けば紙質、サイズ、デザインも様々。このメモ帳は一見シンプルだがよくみるとボポモフォ(台湾独自の発音記号)が刻み込まれた凝った品。

eslite Vintage Tote

2941円

台湾でも定番のオリジナル・トートバッグ。上質の帆布生地にナイロン製の持ち手で強度アップ。重たい本を何冊入れてもへっちゃらだ。シックな色揃いで年齢性別を選ばぬ逸品。

eslite 30th Mary Shelley's Bookstore Double Glass Cup

4234円

文豪雑貨シリーズのメアリー・シェリーをモチーフにしたタンブラー。樹脂製だが真空断熱構造の優れ物。他にもフランケンシュタインのイラスト付きメモパッドなどもある。

誠品生活文具売り場担当 伊勢田さん。「文豪雑貨シリーズは過去の品も在庫があります。興味があれば聞いてください!」。

キッチュな雑貨や文具を買おう

ほじくりがいあるMITの最前線

「誠品文具」コーナー。台湾は文具も成長中で、実用性の高い手頃な価格帯が多い。台湾の藍染店が手がけるオリジナルインクなんて稀少品も。

オリジナル製品以外にも、鮮度の高いMIT=メイド・イン・タイワンの品が手に入るのが、 「expo」と「誠品文具」コーナー。レトロな生活用品、それをデザインに取り込んだ雑貨類が目を引くのは誠品生活日本橋ならではの趣向だ。若手クリエイターの期間限定商品も並ぶ。現地仕様の巻き尺などもまぎれこんでいるから油断できない。

新協興五金行文公尺

2056円

風水用の物差し。中華文化圏の台湾では、風水も盛ん。これで寸法を計って吉凶を判断する。メートルも記されているので普通に使えるが。キムラという名称は謎!

尺を伸ばすとこのように文字が並んでいる。黒い部分はいかにも不吉。

朝食店中国語学習 TEEシャツ

各4290円

背中にご当地定番の朝食メニューや、全面にその料理をプリント。意味不明のコテコテ加減がなんか癖になるTシャツ。日本とも一脈通じる台湾のお茶目なセンスなんだな。

TWSBI GO クリア(ペン先:1.1)

3740円

ツイスビーはカジュアルな台湾万年筆のブランドだが、独自の工夫や書き味のよさでマニアに人気。これは最安値に位置するがコイル仕掛けでワンプッシュでインクを吸入する。

これはスタブという平たいペン先のタイプ。漢字を書くのに最適

ローカルフードをチェック!

頼もしき台湾料理 のサポーター

米酒、金蘭醬油など定番調味料に、厳選の直送インスタント麺なども並ぶ台湾的に神々しい棚。

台湾料理は自炊しようとすると、要となる調味料探しだけで手こずる。アジア関係の食材店は中国製品が多いし、見つけにくいのだ。ここ「誠品生活市集」なら、MITの食材と調味料が一通り揃うので、それだけでありがたい。台湾の家庭に1台はある大同電鍋も豊富。これまた定番で揃えたい大同磁器の白い食器類も要チェック。

大同電鍋 M6合用 黄蘗(きはだ)色

1万9800円

大同電鍋は一台で炊く、蒸す、煮込む、温めるをこなす台湾家庭の必需品。これは『誠品生活日本橋』の1周年記念限定の特別色バージョン。電源コードが外せる進化版なのだ!

布田食品 一口酥花生貢糖(ピーナッツ飴)

1箱1388円

濃厚なピーナッツの風味と優しい甘さをサクサクの衣で包み込んだ台北の下町・萬華の老舗菓子店の銘菓。素朴なパッケージもいい感じ。食べ始めると止まらない地元御用達の名品。

誠品生活市集担当 許(キョ)さん。「扱う品は年々充実しています。使い方の質問も気軽にどうぞ」。

『誠品生活日本橋』店舗詳細

住所:東京都中央区日本橋室町3-2-1 COREDO室町テラス2F/営業時間:10:00~21:00(一部店舗は除く)/定休日:COREDO室町テラスに準じる/アクセス:地下鉄半蔵門線・銀座線三越前駅直結、JR総武線新日本橋駅直結

取材・文=奥谷道草 撮影=高野尚人
『散歩の達人』2021年7月号より