江戸時代から続く秋の祭礼

千葉県南東部に位置するいすみ市は、親潮と黒潮が交じり合う好漁場をもち、伊勢エビの水揚げ高は全国でもトップクラスを誇る漁師町。そんないすみ市で地域が一体となって盛り上がる秋祭りが「大原はだか祭り」だ。その歴史は江戸時代までさかのぼる。大井区の瀧内神社に祭りの風景を描いた絵馬が残っていて、180年以上前の天保年間(1831~1845)にはすでに祭りのしきたりや組織ができあがっていたと考えられている。地域に暮らす住民たちの年に一度の楽しみとして脈々と受け継がれてきた。

23日(水・祝)は市内3地区(大原地区・東海地区・浪花地区)にある神社から十数基の神輿が集まり、13時30分から大原漁港で五穀豊穣・大漁祈願祭が行われる。その後、大原海水浴場へと会場を移し、祭りのハイライトである「汐ふみ」へ。上半身裸の男たちが神輿を担いで一斉に海へと入っていき、上下に激しく動かしてもみ合い、高々と宙に投げ上げる。その様子はまさに勇壮豪快そのものだ。

夕方には哀愁漂う「大別れ式」も!

「汐ふみ」と並ぶ、もうひとつの見どころが「大別れ式」。両日とも17時ごろにすべての神輿が木戸泉酒造付近に集まり、祭り唄を歌いながら大原中央商店街を渡御して大原小学校へ向かう。商店街では約1kmにわたる区間が人と神輿で埋め尽くされ、祭りムード全開だ。大原小学校に到着すると、担ぎ手たちは神輿を担いだまま力の限り校庭を駆けめぐる。そして花火を合図に2、3基ずつ神輿が寄り添い、「若けもんども別れがつらい。会うて別れがなけりゃよい」と歌いながら別れを惜しんで去っていく。

このように、「大原はだか祭り」では海の男たちの荒々しい情熱と優しさの両面を感じることができ、多くの観客がその勇壮さに心を揺さぶられる。漁師町で行われる伝統の秋祭りをぜひ見学しよう。

神輿同士が別れを惜しむ「大別れ式」でクライマックスを迎える。
神輿同士が別れを惜しむ「大別れ式」でクライマックスを迎える。

開催概要

「大原はだか祭り」

開催期間:2026年9月23日(水・祝)・24日(木)
開催時間:汐ふみは23日(水・祝)14:30~、大別れ式は両日18:00~
会場:大原海水浴場、大原中央商店街、大原小学校ほか(千葉県いすみ市)
アクセス:JR外房線・いすみ鉄道大原駅から各会場まで徒歩(大原海水浴場は徒歩20分)

【問い合わせ先】
大原はだか祭り実行委員会事務局(いすみ市水産商工観光課内)☎0470ー62ー1243
URL:https://www.city.isumi.lg.jp/soshikikarasagasu/suisanshokoka/kankopromotionhan/2/2/786.html

 

取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供