「災難を除き、波を乗り切る」波除稲荷神社
築地にある波除稲荷神社は江戸時代の万治年間(1658~1661)の創建。当時、現在の築地一帯は海で、江戸開府に伴う市街地の整備で埋め立て工事を行っていた。ところが堤防を築いても波風にさらわれ、工事は難航を極めた。そのとき、海中で見つけた稲荷大神の御神体を祀ったところ波風がピタリと止み工事が滞りなく進んだことから、「波除」と称されるようになった。“災難を除き、波を乗り切る”神社として、厄除けや災難除け、商売繁盛、工事安全などに御利益があると評判だ。
そんな波除稲荷神社で本格的な夏が到来する前の6月に行われるのが「つきじ獅子祭」。埋め立て工事が無事完了した際に、雲を従える龍、風を従える虎、ひと声で万物を威服させる獅子の頭を担いで回ったのが始まりとされている。3年に一度の本祭りでは神社千貫宮神輿と、天井大獅子(雄獅子)もしくは弁財天お歯黒獅子(雌獅子)のどちらかの2基が、陰祭りの年は3基のうちいずれか1基が担がれる。
雄獅子の宮出し、宮入りシーンに注目!
「今年は陰祭りですが、2028年の神社創建370年記念事業の第一期として雄獅子の台座と笠鉾を新調したお披露目もあり、14日の渡御祭では特別に雄獅子と本社神輿の2基が出ます」と教えてくれたのは波除稲荷神社の禰宜(ねぎ)・鈴木さん。当日は9時に雄の「天井大獅子」、9時30分の千貫宮神輿の宮出しが行われる。千貫宮神輿は担いで街を練り歩くが、雄獅子は台車に載せて巡行するため、担がれるのは宮出しと宮入りのときのみ。高さ2.4m、幅3.3m、重さ1トンもある巨大な獅子頭を担ぐ姿は一見の価値ありだ。
「築地全体がにぎわう大きなお祭りで、しかも特別な年にあたりますので、ぜひ足を運んでいただけたら」と鈴木さん。13日(土)には本殿で江戸里神楽の奉納が行われるほか、13日(土)・14日(日)には神社から晴海通りまでの道路の両側に約100の露店もズラリと並び、築地の街がいつも以上に活気にあふれる。夏を元気に乗り切れることを願って、夏越し大祭「つきじ獅子祭」に出かけよう。波除稲荷神社ホームページには神輿の巡行図も掲載されているので、お出かけ前に確認を。
開催概要
「つきじ獅子祭」
開催期間:2025年6月10日(水)~14日(日)
開催時間:渡御祭は14日(日)で、天井大獅子の宮出し9:00、宮入りは15:35、千貫宮神輿の宮出しは9:30、宮入りは15:50を予定
会場:波除稲荷神社(東京都中央区築地6-20-37)
アクセス:地下鉄大江戸線築地市場駅から徒歩5分、地下鉄日比谷線築地駅から徒歩7分
【問い合わせ先】
波除稲荷神社☎03-3541-8451
URL:https://www.namiyoke.or.jp/
取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供






