かつて養蚕の豊作占いとして凧あげをした
江戸川をはさんで千葉県野田市と埼玉県春日部市にまたがるエリア・宝珠花。春日部側にあたる西宝珠花地域は“大凧の里”として知られ、毎年ゴールデンウィーク真っ只中の5月3日と5日には江戸川河川敷で「春日部大凧あげ祭り」が開かれる。ここ宝珠花で凧あげが行われるようになったのは約180年前。江戸時代後期の天保12年(1841)、出羽国(現在の秋田県)からやって来た旅の僧が養蚕の豊作占いとして紙凧を伝えたのが始まりとされている。
最初は凧が「舞い上がる」と「繭(の値段)が上がる」の意味をかけて、農家の人たちが各自で作った小さな凧をあげて養蚕の豊凶を占ったとされているが、次第に子供たちの健康と幸福な成長を願う端午の節句のお祝いとして行われるようになった。その後、凧あげが盛んになるにつれて凧がどんどん大型化し、明治中頃には現在の大きさになり、「春日部大凧あげ祭り」として今に続いている。
引き手の数はなんと100人以上!
春日部の大凧あげ祭りは、滋賀県の「東近江大凧まつり」、神奈川県の「相模の大凧まつり」とともに、日本三大大凧祭りのひとつといわれている。春日部の大凧は、縦15m、横11m、重さ約800㎏もある、全国でも有数の大きさが自慢。「畳でいうと100畳、ビルの高さでいうと4~5階建てに相当し、あげるのに100人以上の引き手が必要となります。綱をちゃんと下に抑えつけないと人がもっていかれるぐらい大きな凧なんです」と教えてくれたのは春日部市商工観光課の鹿野さん。
当日は江戸川河川敷に集まった大勢の観客が見守るなか、西宝珠花地区の住民が「上若組(かみわかぐみ)」と「下若組(しもわかぐみ)」に分かれ、それぞれの組で制作した大凧をあげる。大凧には市の話題や時節にふさわしい文字が年ごとに書き入れられる。2026年は「笑門」と「来福」。大凧を見た人が笑顔になり、福がもたらされますようにという願いが込められている。「大凧あげ」のほかにも、地元の小中学生による「小凧あげ」や、自作のオリジナル凧を持参すれば誰でも参加できる「創作凧あげ大会」(5日のみ)も行われる。
「大凧あげでは、間近で大凧があがる瞬間を見ることができて、テレビやインターネット越しでは分からない迫力を味わうことができます。また、引き手として参加することもできます。百数十人のチームワークで大空にあがった瞬間に立ち会える喜びはひとしおです」と鹿野さん。会場には地元飲食店による春日部グルメの出店もあるので、会場に広がるにぎやかな雰囲気とともに爽やかな青空に舞い上がる大凧の迫力を味わおう。
開催概要
「春日部大凧あげ祭り」
開催日:2026年5月3日(日・祝)・5日(火・祝) ※両日とも雨天の場合は6日(水)に順延
開催時間:9:00~17:00(大凧あげは14:00~17:00、小凧あげは13:00~17:00)
会場:江戸川河川敷(埼玉県春日部市西宝珠花)
アクセス:東武鉄道東武アーバンパークライン南桜井駅から会場直通のシャトルバスで約10分(イベント当日のみの運行)
【問い合わせ先】
春日部市大凧あげ祭り実行委員会事務局☎048-736-1111
URL:https://www.city.kasukabe.lg.jp/eventjoho/eventjoho_kanko_omatsuri/35562.html
取材・文=香取麻衣子 ※写真は主催者提供






