江戸のにぎわいが伝わる資料と作品がずらり
徳川将軍家を中心に多くの武士が居住し、江戸城を中心とした「武士の都」が形成されていた江戸。戦のない泰平の世では甲冑や刀剣などの武具類は、実用の具というよりも家格や権威を象徴するものとなり、儀礼の場などで用いられたという。武家女性の婚礼の際などにも、家格にふさわしい華麗な調度類があつらえられるようになった。
さらに、商人や職人をはじめとしたさまざまな人々が集うようになった18世紀初頭には、人口100万人を擁する大都市にまで成長。都市の発展に合わせて経済的な力を持つようになった町人たちの手によって、多彩な娯楽や文化が花開いていった。
広報担当者は「大規模改修工事を終え、当館は本年3月31日、約4年ぶりに全館開館いたしました。再始動の幕開けを飾る特別展の第一弾として、江戸東京博物館リニューアル記念特別展「大江戸礼賛」を開催いたします。出品資料約160件のすべてを『東京都江戸東京博物館』の所蔵品で構成。東洲斎写楽《市川鰕蔵の竹村定之進》や葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》などの浮世絵の逸品から、明珍派の甲冑、武家火消・町火消の装束をはじめ、収蔵後初披露となる資料・作品を含めて紹介し、100万人都市『大江戸』の魅力に迫ります」と見どころを語る。
さまざまな資料とともに多角的に紹介される江戸の姿から、そのにぎわいが熱気とともに伝わってくる。
4つのトピックスで浮かび上がる江戸の魅力
武士の都でありながら、多彩な町人文化を生んだ江戸を4つのトピックスを通して紹介する本展。
第1章では、泰平の世に実戦の武器から権威を象徴する道具へと役割を変えた、武具や婚礼調度品などの奥道具を展示。それらを通して武士の都としての江戸の様相が紹介される。第2章では、「二時の相撲、三場の演劇、五街の妓楼」と言われた町人文化の繁栄ぶりを江戸絵などで紹介。第3章では「火事と喧嘩は江戸の華」と言われたように暮らしと切っても切り離せなかった火災に対して、火消が身に着けた装束や消火に用いた道具を通して江戸消防の様子をつぶさに伝える。第4章では、「平賀源内と蘭学熱」や「曲亭馬琴とベストセラー」といった狂歌ブームや蘭学への関心など、文化人たちの交友を通して生まれた文学や芸術作品を取り上げ、豊かな文化が育まれていった過程が紹介される。
再開館を記念して、小・中・高校生は観覧料が無料に。新しくなった「えどはく」で、「大江戸」の魅力を体感しよう。
※作品はすべて『東京都江戸博物館』蔵。
開催概要
江戸東京博物館リニューアル記念特別展「大江戸礼賛」
開催期間:2026年4月25日(土)~5月24日(日)
開催時間:9:30~17:30(土は~19:30・入館は閉館の30分前まで)
休館日:月(5月4日は開館)、5月7日(木)
会場:東京都江戸東京博物館 1F特別展示室(東京都墨田区横網1-4-1)
アクセス:JR総武線両国駅から徒歩3分、地下鉄大江戸線両国駅から徒歩1分
入場料:一般1300円、大学生・専門学生1040円、65歳以上650円、高校生以下無料
※障害者手帳を持参で本人と付き添い2名まで無料。
【問い合わせ先】
東京都江戸東京博物館☏03-3626-9974
公式HP https://www.edo-tokyo-museum.or.jp/s-exhibition/raisan/
取材・文=前田真紀 画像提供=東京都江戸東京博物館





