身近な鳥から絶滅した鳥まで圧倒的なボリュームの剥製・骨格標本!
400種類以上の鳥を観察したことがあれば、バードウォッチャーのなかでもかなりの経験者といわれる中、600点以上もの貴重な剝製・骨格標本がずらり。身近な鳥から珍しい鳥、絶滅してしまった鳥、個性的な鳥など、世界中から多種多様な鳥たちが集められている。
本展ではこれら標本を前に、『国立科学博物館』の現生鳥類研究者と古生物研究者が連携し、鳥類について解説する特別展が開催される。「ハヤブサはタカよりもインコに近い仲間?」「白亜紀末の恐竜絶滅期に現生鳥類に続く系統が少なくとも三つあった」など、鳥類の進化と多様化に対して、ゲノム解析の視点からアプローチ。系統を基にした分類の「目」ごとに会場全体をレイアウトしている。
系統や生体に関する最新の研究成果を通した紹介には、この鳥とあの鳥が仲間!? と驚くような内容や、近年なにかと話題の恐竜との関係性などなど、発見がいっぱいだ。
5つの「特集」と23の「鳥のひみつ」。ペラゴルニスの「生体復元モデル」も日本初公開
「絶滅」「翼」「猛禽」「ペンギン」「フウチョウ」の5テーマで設ける「特集」コーナーや、「“方言”と”言葉“」「つがい外の性関係」「雌雄産み分け」など鳥の驚きの生態に関するトピックを23の「鳥のひみつ」コーナーで解説する。
また、2500万年前に海上を滑空していたといわれる、史上最大級の飛ぶ鳥ペラゴルニス・サンデルシの生体復元モデルを日本初公開。翼開長が7mにもなる復元モデルは迫力満点だ。
すでに絶滅してしまった種や絶滅危惧種の剥製など、普段は公開していない標本の展示も注目だ。日本では絶滅してしまった「キタタキ」や野生復帰プロジェクト中の「トキ」、絶滅危惧種の「フィリピンワシ」や「ヤンバルクイナ」などの標本を通し、環境保全の重要性についても考える。また、ゲノム解析の研究の結果により、新たに日本の固有種と認められた「キジ」「ホントウアカヒゲ」「オガサワラカワラヒワ」「リュウキュウキビタキ」も展示され、まとめて観察できる貴重な機会になっている。
科博ならではのユニークなグッズにも注目!
毎回マニア心をくすぐるグッズを生み出す『科博』が、本展でもチャーミングなグッズをさまざま用意。
見どころの1つである史上最大の飛翔する鳥「ペラゴルニス・サンデルシ」が手のひらサイズのかわいらしいぬいぐるみや、雪の妖精とも呼ばれ人気の「シマエナガ」のポストカード。人気イラストレーターによる各種雑貨やお菓子などバラエティ豊富なグッズがそろう。またスヌーピーで知られる「PEANUTS™」から、「ウッドストック」が主役のコラボグッズが登場するのも見逃せない。
開催概要
特別展「鳥 ~ゲノム解析が解き明かす鳥類の系統~」
開催期間:2024年11月2日(土)~2025年2月24日(月・休)
開催時間:9:00~17:00(入館は~16:30)
休館日:月(12月23日、1月13日、2月17・24日は開館) ・12月28日(土)~1月1日(水)・1月14日(火)
会場:国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)
アクセス:JR上野駅から徒歩5分、地下鉄銀座線・日比谷線上野駅から徒歩10分
入場料:一般・大学生2100円、小・中・高校生600円
※未就学児無料、障害者手帳をお持ちの人とその介護者1名は無料。
【問い合わせ先】
ハローダイヤル☎050-5541-8600
公式HP https://toriten.exhn.jp/
取材・文=前田真紀 ※画像は主催者提供