手間隙かけて作る正統派!『ラーメン大至』

ラーメン780円。チャーシュー2枚にメンマとナルト、ゆで卵、海苔という王道の組み合わせがうれしい。
ラーメン780円。チャーシュー2枚にメンマとナルト、ゆで卵、海苔という王道の組み合わせがうれしい。

2007年7月のオープン以来、流行を追わない正統派ラーメンを提供する店。丸鶏を中心に鶏ガラ、豚ガラ、豚足、エビ、ホタテ、鰹、昆布、香味野菜などを使い、2日間かけてグツグツ煮込んで仕上げたスープは、ひと口含めば、複雑な旨味とコクが感じ取れるはず。透明感のあるスープによく絡む中太麺は、噛みしめるほどに味わい深い。低温の脂でじっくり煮込み、肉本来の食感とおいしさが楽しめるチャーシューがのる。

長い2本のカウンターが並ぶ店内は全20席。
長い2本のカウンターが並ぶ店内は全20席。

『ラーメン大至』店舗詳細

住所:東京都文京区湯島2-1-2 1F/営業時間:11:00~15:00・17:00~20:45LO(土は昼のみ)※変更する場合もあり。/定休日:日・祝/アクセス:JR・地下鉄御茶ノ水駅から徒歩7分

3代目に受け継がれた職人技が光る『平和軒』

ラーメン470円は昔からの定番メニュー。
ラーメン470円は昔からの定番メニュー。

路地裏で営む昭和のムードたっぷりの店。ラーメンは、スープも麺も「基本は代々受け継いできたものそのまま」だと言う。豚骨と鶏ガラでとったスープと、相性抜群の歯切れのいい自家製麺は、サッと湯にくぐらせるだけでちょうどいいコシになるよう仕上げている。お客を待たせないための配慮がうれしい。ジューシーなチャーシューとその煮汁で作った真っ黒なメンマも、再訪の決め手となる一品。

店主の小林博明さんは3代目。職人技が必要な“さで(平ざる)”を使う店は、最近は少ないとか。
店主の小林博明さんは3代目。職人技が必要な“さで(平ざる)”を使う店は、最近は少ないとか。
MISO TOMATO680円も人気。
MISO TOMATO680円も人気。

『平和軒』店舗詳細

住所:東京都品川区大崎3-1-16 /営業時間:11:00~15:00/定休日:日・祝/アクセス:JR・りんかい線大崎駅から徒歩7分

全身全霊をかけた手打ち麺がウリ。『竹の助』

中華そば700円。手間のかかった手打ち麺でこの価格は破格。
中華そば700円。手間のかかった手打ち麺でこの価格は破格。

毎朝4時半から麺づくりに励む、店主の竹村裕介さん。肌で感じる気温や湿度に合わせて、水の量や温度、塩加減などを微調整するそう。経験から生まれる感覚が大事だという。力強いコシとつるっとした歯触りの麺はさすがの一言。鶏の旨味を存分に引き出したまろやかなスープと香り高い炭火焼きチャーシューも絶品。素材は全て厳選された国産もの。「まだ修業中ですから」と、謙遜気味の店主が黙々と魂を投入する一杯。

毎日早朝から麺台に立つ。培った全てを練り込む。
毎日早朝から麺台に立つ。培った全てを練り込む。
カウンター8席の店内。店主と奥さんの2人で切り盛りしている。
カウンター8席の店内。店主と奥さんの2人で切り盛りしている。

『竹の助』店舗詳細

住所:東京都町田市三輪町165-2/営業時間:11:30~14:30・17:00~19:30/定休日:木・第1水/アクセス:小田急線柿生駅から徒歩20分(鶴川駅よりバスもあり)

懐かしさの中に隠れる技!『江戸前煮干中華そば きみはん総本店』

江戸前煮干中華そば(醤油)800円。豚の背脂が入った、こってり味の塩もある。
江戸前煮干中華そば(醤油)800円。豚の背脂が入った、こってり味の塩もある。

2010年にオープンした新しくも懐かしい、江戸前中華そばの店。スープは、昔ながらの鶏ベースの出汁と、3種のかつお節と2種の煮干しを使った魚介中心の出汁を合わせたものに醤油ダレを加えたもの。さらに決め手となるのは豚のラードとミックスさせた煮干し脂。あっさりとした味わいの中に煮干しの味が効いた極上スープに仕上がっている。伸びにくい麺にはなんとタピオカが練り込まれ、最後の1本までぷりぷりの食感が楽しめる。

ふくよかな香り漂うキッチンを囲むカウンター席。
ふくよかな香り漂うキッチンを囲むカウンター席。

『江戸前煮干中華そば きみはん総本店』店舗詳細

住所:東京都台東区根岸3-3-18/営業時間:11:00~23:00 ※変更する場合もあり。/定休日:無/アクセス:JR山手線・京浜東北線鶯谷駅から徒歩3分

取材・文=戸田恭子、石原たきび、高山和佳、渡辺亮、今田壮(風来堂) 撮影=泉田道夫、井原淳一、オカダタカオ、中込涼

「東京ラーメン」 とは何なのだろうか。その起源は諸説あるが、明治43年(1910)に創業した、今はなき浅草 「来々軒」 で出されていた醤油ラーメンともいわれている。その後、各店舗で改良を重ね、戦後には、豚骨や鶏ガラに加え、魚介から出汁を取ったスープに中細縮れ麺を合わせた醤油ラーメンが普及することになる。具はチャーシュー、メンマ、海苔、刻みネギ、ナルト、店によってはホウレン草や煮玉子などがのる。誰もがノスタルジーを感じる醤油ラーメンこそ、「東京ラーメン」といえよう。そんな 「東京ラーメン」の進化形とも いえる醤油ラーメンが人気を博している。スープは、動物系にはブランド豚や鶏など、魚介系には高級料理店でしか使われなかったような煮干しや宗田節、羅臼昆布といった素材を使用し、コクと旨味を出している。タレには昔ながらの製法を守った厳選醤油などで広がりのある香りと風味を生み出している。作り方も日本料理の技法だけでなく、フレンチやイタリアンなどの技法を取り入れて日々新しい味わい を追い求めている。昔の東京ラーメンとは異なる技法や素材の旨味を生かしたラーメン。それでも変わらぬ醤油ベースで「ホッ」とできるのが、今の「東京ラーメン」なのかもしれない。そんな「東京ラーメン」の”今”を味わえる、編集部おすすめがこれだ。
“す”ラーメン(かけラーメン)と聞くと、スープと麺だけしかないから「味気ない」と感じる人が多いのではないだろうか。今回は、トッピングを極力廃し、本来の味を楽しめる東京近郊の“す”なラーメンにこだわってみた。そこで出合ったのは、意外なほどバラエティ豊かなラーメンたち。美しくもすがすがしい究極の一杯、ぜひ食していただきたい。