La capi
家族の"好き"が詰まった小宇宙
路地裏の緑に埋もれてひっそりと記された看板。階段を上れば、吹き抜けの小さな空間に、陽光がゆるやかに落ちている。壁に並ぶシンプルで素朴なバッグは母の作。店主の江上沙蘭(えがみさら)さんは「家族の好きなものを集めたら、こういう形になったんです」と頬を緩める。注文が入ると、コーヒー好きの父がドリップで淹れ、江上さん手作りのアクセサリーやケーキ、パンが、客人の心をときめかす。のんびりゆったり、お茶の時間を楽しみたい。
『La capi』店舗詳細
ルノナール
小さな王道喫茶、路地裏に健在!
白いレースカーテンから光が差し込むものの、店内はほんのり薄明かり。赤いソファが並び、紫煙で色褪(あ)せたゴブラン織りの額縁や絵画が客人を出迎える。「昔はルノアールの絵も飾ってて、店名もルノアールだったんだけどね」と、店主の小山幸子さんは茶目っ気たっぷり。サイフォンで淹れたコーヒーをすする人、昼から瓶ビールを空ける人、小山さんが作るナポリタンを頬張る人など、地元客が次々と訪れては昔から変わらぬ味と空間でひと息ついていく。
『ルノナール』店舗詳細
いちょうの木
大樹の下で風変わり氷を味わう幸せ
もともと喫茶の一メニューでしかなかったかき氷。「キーンとするから好きじゃなくて。自分が食べやすいものに寄せていったらこうなったんです」と、2代目の今(こん)智子さん。パイやクッキーを飾るパイ氷に、ショートケーキをはじめとしたお菓子氷など、お決まりメニューからして独創的!味の想像ができず、迷う人も多数。店内は時計や鉄瓶など、先代の父の趣味が並ぶ不思議な和み空間。ハワイコナのコックリとまろみのあるコーヒーでくつろぐのもいい。
『いちょうの木』店舗詳細
構成=フラップネクスト 取材・文=佐藤さゆり(teamまめ) 撮影=オカダタカオ