銀座店の伝統を受け継ぐ濃厚なアイスコーヒー『銀座和蘭豆 サンライズ蒲田店』
昭和44年(1969)創業の『銀座和蘭豆』は東京の喫茶店でも老舗格。その2号店として昭和47年(1972)に蒲田駅前店がオープン。このサンライズ蒲田店は、その姉妹店として2013年にオープンした。銀座店の伝統の味を伝承するモカベースの自家焙煎コーヒーは、アイスはネルドリップ、ホットはサイフォンと淹れ方を変える。なかでもアイスコーヒーは、ネルドリップで抽出したコーヒーに動物性生クリームを浮かべ、特製シュガーシロップを注いで提供するのがこの店のスタイル。夏は8割、冬でも4割くらいの客が注文するという名物メニューだ。
『銀座和蘭豆 サンライズ蒲田店』店舗詳細
王道純喫茶で味わう昔ながらのナポリタン『珈琲 琵琶湖』
昭和54年(1979)開業。食事やケーキなど多彩なメニューが揃うなか、一番の人気を誇るのが 昔ながらのナポリタン。デュラム・セモリナ粉100%使用の中太パスタは、もちもちとした食感で、食べごたえがある。具は、あえてゴロゴロとした食感を残した豚挽肉とピーマン、タマネギ、マッシュルームなどの野菜。完熟トマトのみで作った濃厚なケチャップで和えたその味は、まさに喫茶店で食べた昔ながらのナポリタンだ。コーヒー420円~は味と香りを失わないように、こまめに豆を挽き、注文を受けてから1杯ずつサイフォンで淹れる。
『珈琲 琵琶湖』店舗詳細
ロートレックの作品を飾った古き良きパリのカフェ『チェリー』
昭和35年(1960)創業の純喫茶。2014年に“古き良きパリのカフェ”をコンセプトに店は大変身。店内の赤い壁にはパリのキャバレー『ムーラン・ルージュ』の作品で知られるロートレックの絵画を飾り、洗練された雰囲気のなかにも懐かしさを感じる独特の空間になった。店の看板料理のチェリー風 焼きチーズカレーをはじめ、フードメニューが充実しているのでレストランとしても利用できる。メニューには掲載していない、いわゆる裏メニューがプリンアラモード。半切りしたメロンの器にパイン、メロン、ブドウ、バナナ、オレンジなど10種類を超す季節のフルーツと、生クリーム、バニラアイズ、プリンなどが入ったビッグサイズのスイーツだ。
『チェリー』店舗詳細
時がゆっくりと流れる昭和レトロ喫茶『テラス・ドルチェ』
昭和の面影を残す蒲田のアーケード商店街で、40余年の歴史をもつ純喫茶。創業以来続くサイフォンコーヒーの味を、現在は若き2代目店主が伝えている。この店ではアイスコーヒーもサイフォンで淹れる。濃いめに淹れたコーヒーと、クラッシュした氷が入ったグラスをテーブルまで運び、客の目の前でグラスに注ぐ。瞬間的に冷やすことで、味と香りが際立つのだという。これも初代店主が考案した人気メニューだ。また、フードメニューが多いのも特徴の一つ。メニューを開けば、ケーキ、パフェ、パンケーキ、ピラフ、スパゲティ、カレーなどに分かれ、それぞれに数種類が用意されており、選ぶのに迷ってしまいそうだ。いずれもドリンクとセットにすれば割安になる。
『テラス・ドルチェ』店舗詳細
スペシャリティコーヒーに定食、お酒まで楽しめる『Cafe ig(カフェ アイジー)』
喫茶、定食、酒と全方位のメニューが充実しているだけでなく、仕入れや淹れ方にこだわるスペシャリティコーヒーや丁寧に作り上げる自家製スイーツが評判。特に焼プリンは流れ落ちるほどさらりとしたカラメルソースが特徴で、濃厚な卵の風味とバランスの良い甘みと苦みが絶妙。店内は明るさのある落ち着いた雰囲気で、定食を食べる親子連れや、ゆったりとカフェオレを飲む一人客、お酒を楽しむ人たちと多くの楽しみ方にあふれている。作業一つひとつに手を抜かず、新しいメニューにも挑戦していくカフェだ。
『Cafe ig(カフェ アイジー)』店舗詳細
日本茶で楽しむ和スタイルカフェ『KAKUMEI Burger&Café』
蒲田の中でもディープなスナック街にあるカフェで、牛ステーキ肉100%で作るハンバーガーが自慢だ。塩と混ぜた1cm大の赤身肉を手でぎゅっと握ってまとめ、鉄板にそーっと置いてレア気味に焼く。軽い口当たりのバンズにかぶりつくと、大きめの肉の塊が口の中でほろりとほどけ、肉々しい弾力が口の中いっぱいに広がる。まるでステーキを食べているような気分になるが、脂肪を取り除いた赤身肉使用で、ソースは味噌麹、付け合せも和風なので食べごたえはありつつヘルシー。日本茶の渋みとの相性も抜群だ。
『KAKUMEI Burger&Café』店舗詳細
おいしいマクロビで心も体もリセット『ひだまりカフェ』
ヴィーガンと非・ヴィーガンが一緒においしく食事できるカフェ。肉、卵、乳製品などの動物性食品と白砂糖は不使用、できる限りオーガニックの食材を使用するが、ベジタリアンでない人のために魚料理も提供している。3種のメインのおかずから1品、「本日のおそうざい」4種から2品、または3品セレクトでき、玄米ご飯、味噌汁、おしんこ、健康茶がセットになる「ひるの定食」が人気。とくに圧力釜で炊く有機無農薬の玄米は、噛めば噛むほど甘みがありモチモチとしていて「玄米のイメージが変わった」という人も。大豆ミートに味付けをしてからりと揚げた「なんちゃって鶏の唐揚げ」など、健康にいいだけではなく、しっかりと「おいしい」メニューがいっぱい。心も体もリセットできるやさしさあふれるカフェだ。
『ひだまりカフェ』店舗詳細
取材・文・撮影=塙 広明、ミヤウチマサコ