etomo自由が丘【駅構内】/MELSA-2【南口】
私事で恐縮だが、友人との二人展を定期的に自由が丘のギャラリーで開催している。そのたびに自由が丘へ通うわけであるが、毎回駅に降り立つたびに私は少し緊張する。自由が丘といえばハイソな人々の集う街。オシャレなショップが立ち並び、「私なんぞがこの場にいていいのだろうか……」という気分にさせられるのだった。
もちろん、自由が丘にはなじみやすい居酒屋や、チェーン店なども多くあることは知っている。それでもやはり「自由が丘=オシャレでハイソな街」というイメージに支配されてしまう。そんなオシャレな自由が丘で待ち合わせをするとしたら、どこがよいのだろう。
東急電鉄の駅である自由が丘駅には、東横線・大井町線の2路線が乗り入れている。駅構内に商業施設「etomo自由が丘」があり、スイーツやカフェ、雑貨などの店舗が軒を並べている。正面口改札外の『クリスピー・クリーム・ドーナツ』や、南口改札外の『TWG Tea Salon & Boutique』などは、待ち合わせ場所としても分かりやすい。
正面口改札横にある『クリスピー・クリーム・ドーナツ』。アメリカ人の知人はこれを見て、「駅にクリスピー・クリームがあるなんて!」と心底驚いていた。
シンガポール生まれの高級紅茶店、『TWG』。自由が丘の雰囲気によく似合うたたずまい。
南口については、向かいの商業施設「MELSA-2」前で待ち合わせる人がとても多く、改札から出て来た人をすぐに見つけて失礼のないようにしたい、という自由が丘の人々の気質がうかがえるようでもあった。
何かあったのかと思うほど人が集まっていた「MELSA-2」。南口改札正面なのでわかりやすい。
女神像/ホイップるん【正面口ロータリー】
ところで、「自由が丘の待ち合わせ場所」としてまず真っ先に皆が思い浮かべるのは、正面口ロータリーにある「女神像」ではないだろうか。
自由が丘と言えば、の女神像。彫刻家・澤田政廣作で、「あをそら」という作品名が付けられている。
案内板によれば、この女神像は、戦後の復興期につくられた駅前広場に、外国の広場のように彫像を設けたいという声を受け、1961年に完成したという。自由が丘の住民たちの先進的な考えが反映された像である。毎年10月上旬には自由が丘最大の祭典である「女神まつり」が開催され、女神は自由が丘全体のシンボルともなっている。
この女神像の近くには、白いおまんじゅうのようなものが載った電話ボックスがある。
2004年、パティシエ・辻口博啓氏が審査委員長を務めた「スイーツ系キャラクターグランプリ」で選ばれたホイップクリームの妖精・ホイップるん。現在では着ぐるみも作られ、目黒区公式観光キャラクターとして活躍している。
実はこれはおまんじゅうではなく「ホイップるん」という自由が丘のイメージキャラクターで、ホイップクリームがモチーフとなっているそうだ。こちらもまた、待ち合わせ場所としても良さそうである。
マリ・クレール通り【正面口ロータリー】/九品仏川緑道【南口周辺】
自由が丘はまた、通りにそれぞれ凝った名前が付けられている街でもある。駅南口改札を出てすぐの通りは「マリ・クレール通り」と名づけられている。
南口近くの壁画と、マリ・クレール通りの表記。自由が丘の住民に聞くと「マリ・クレールのお店はなくなったのに、通りの名前に残っているのよね」とのことで、通りの名前の由来とは異なる説が浸透しているようだ。
1982年、フランスのファッション誌『マリ・クレール』の日本語版が出版される際に、イメージ戦略の一環として南口駅前通りに「マリ・クレール」の名を冠することが提案され、1984年に正式に「マリ・クレール通り」と命名されたという。東横線の高架部分には通りの名前が書かれた絵があしらわれており、雨の日などに雨宿りをしながら待ち合わせるのもいいかもしれない。
高架の反対側には風景画が。
マリ・クレール通りの地面には、よく知られた花の模様があしらわれている。
この「マリ・クレール通り」から南に一本行くと、「九品仏川緑道」に出る。
九品仏川緑道沿い。撮影時は1本だけクリスマスツリーのような飾りが付けられ、華やかな雰囲気になっていた。
この緑道沿いにはベンチが設けられており、多くの人が憩いの場として利用しているようだ。座って人を待つには最適の場所である。また、この緑道の高架下には「緑道ギャラリー」として自由が丘の歴史が記されたパネルが展示されている。自由が丘の歴史を学びながら人を待つこともできる。
緑道ギャラリーの素敵な壁画。落書きがされているのが残念である。
当初「九品仏駅」であった駅が「自由ヶ丘駅(1966年に自由が丘駅に改称)」になった昭和3年(1928)からはじまり、現在に至るまでの自由が丘の歴史がパネルで展示されている。
トレインチ自由が丘【駅周辺】
そんな自由が丘では、現在再開発事業が進められ、街の風景も日々変わりつつある。大井町線の線路脇にあった自由が丘車庫が廃止され、その跡地に2006年、「トレインチ自由が丘」が開業した。開放的な空間にベンチも多く設置されており、座って待ち合わせもできる。
大井町線車庫跡に開業した『トレインチ自由が丘』。枕木など、鉄道の廃材が再利用されている。
開放的でベンチも多いので、老若男女さまざまな人が集っている印象。
I'm donut?(不二屋書店跡)【正面口】
駅正面口でも、現在「自由が丘一丁目29番地区第一種市街地再開発事業」として、2026年7月竣工予定の地上15階・地下3階の商業ビル建設が行われている。この正面口で、長らく地元の人に親しまれてきたのが「不二屋書店」であった。
以前の駅前・「不二屋書店」の外観。自由が丘住民の本棚でもあった(友人Mさん撮影)。
駅を出てすぐに見える「BOOKS」の大きな文字は、待ち合わせ場所としても最適な目印であった。この「不二屋書店」は残念ながら2025年2月に閉店し、現在では行列のできるドーナツ店『I’m donut?』がオープンしている。ところが店舗側面の壁画は書店当時のまま残されており、ありし日の自由が丘を懐かしく思い出しながら待ち合わせできる。
不二屋書店跡のドーナツ店。いつ見ても行列している(友人Mさん撮影)。
少年と猫がハートを釣り上げている壁画は、「不二屋書店」の頃から変わらずあるもの(友人Mさん撮影)。
再開発が進めば、自由が丘の風景もまた変わっていくことだろう。今後、新たな待ち合わせ場所もできるだろうかと思いつつ、街歩きを楽しみたいものだ。
「待ち合わせ」、それは情緒あふれる響きである。ところがスマホが浸透した現在、ひとは特に「待ち合わせ」をしなくても、なんとなく会えるようになってしまった。それでも駅に行けば、今日も多くの人たちが、誰かを待っている。皆はなぜ駅で待ち合わせるのだろう、そして駅のどこを目印にすれば相手に会えるのだろう。JR各線や京浜急行電鉄本線に加え、東海道新幹線利用客でにぎわうターミナル駅・品川駅で、おすすめ待ち合わせスポットを探っていきたい。
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