漫画から科学雑誌まで層が厚い品揃え『紀伊國屋書店 国分寺店』【国分寺】
駅ビルの中にあり、地域に暮らす人たちに長く愛されてきた。レジ周辺には、NHKテキストや、科学雑誌『Newton』のバックナンバーが常備され、訪れる人の知的好奇心に応えている。スタッフがつくり込んだ漫画売り場は、ただならぬ情熱が感じられ、長居必至。
スタッフのおすすめ
『さみしくてごめん』
永井玲衣/大和書房
さみしさや無力感といった、人と共有できないものから哲学が始まる。日々の考えを積み重ねたエッセイ。
『紀伊國屋書店 国分寺店』店舗詳細
立川地区最大級。ワンフロアを周回する楽しみ『ジュンク堂書店 立川高島屋店』【立川】
広大なフロアを生かし、さまざまなジャンルの書籍が幅広く網羅されている。特に、理工・医学書、法律や経済関連などの専門書は、お客さんの信頼も厚く、力を入れている分野だ。新刊はもちろん、既刊にも気を配り、いつ行っても旬を感じる売り場は刺激的だ。
スタッフのおすすめ
『ロイヤルホストで夜まで語りたい』
朝井リョウ ほか/朝日新聞出版
ロイヤルホストにまつわるエッセイアンソロジー。未読の作家や芸能人の文章と出合うきっかけにも。
『ジュンク堂書店 立川高島屋店』店舗詳細
ふらりと立ち寄って本や雑貨を気軽に買える『オリオン書房 ルミネ立川店』【立川】
雑誌や書籍だけでなく、日常づかいできる雑貨なども多くあり、季節感を演出した売り場は訪れるだけで楽しい。映画やドラマなど映像化作品の文庫には力を入れていて、目につくところに配置。手にとって中を見ることができる児童書売り場はファミリー層に人気。
スタッフのおすすめ
『成瀬は天下を取りにいく』
宮島未奈/新潮文庫
滋賀県大津市に暮らす成瀬あかりの中学2年生から高校3年生までの無敵な青春を描く。2024年本屋大賞。
『オリオン書房 ルミネ立川店』店舗詳細
自分の目的の本を探すところから始めてみる『増田書店』【国立】
国立で長く店を構え、世代を継いで通うお客さんも多い。品揃えは、そうしたお客さんとのコミュニケーションでつくられている。地下の人文書棚は、並べ方をじっくり見て考えることで、店と対話し、知力と体力を鍛える場。一冊の本が内包する力強さを実感する。
スタッフのおすすめ
『版元番外地』
下平尾直/コトニ社
超零細出版社「共和国」代表、下平尾直が綴(つづ)る自社の10年の記録。版面いっぱいに躍動する文章が心地良い。
『増田書店』店舗詳細
急いでいてもじっくりでも、いつも発見がある『PAPER WALL nonowa 国立店』【国立】
駅ナカ施設内にあり、店頭に新刊や話題書が並ぶ一方で、落ち着いて本を選べる空間になっている。新刊文庫は出版社別に、既刊文庫は著者別にと、探しやすい工夫もうれしい。絵本などギフト用の需要も多くラッピングにも対応。身近にあると安心なお店だ。
スタッフのおすすめ
『皇后の碧』
阿部智里/新潮社
風の精霊の皇帝とその後宮を舞台にしたファンタジー。日常を忘れて作品世界に深く潜る愉悦を体験できる。
『PAPER WALL nonowa 国立店』店舗詳細
西国で暮らす人に寄り添う駅前書店『BOOKS隆文堂』【西国分寺】
西国分寺駅の開業を機に駅近くに出店して以来、地元に暮らす人たちと共に歩んできた。電車に乗って他の駅に行かなくてもいいようにと、雑誌、文庫、漫画とまんべんなく揃え、お客さんからの注文も受ける。この店で絵本を買い、成長した地元民が多いはずだ。
スタッフのおすすめ
『寝ぼけ署長』
山本周五郎/新潮文庫
警察署長・五道三省は、昼行灯のように見えて実は切れ者。数々の難事件を解決する。隆文堂のロングセラー。
『BOOKS隆文堂』店舗詳細
取材・文・撮影=屋敷直子
『散歩の達人』2025年9月号より




