漫画から科学雑誌まで層が厚い品揃え『紀伊國屋書店 国分寺店』【国分寺】

ただ本を積むだけではなく、動きと遊びがあり、高揚感がある漫画売り場。
ただ本を積むだけではなく、動きと遊びがあり、高揚感がある漫画売り場。

駅ビルの中にあり、地域に暮らす人たちに長く愛されてきた。レジ周辺には、NHKテキストや、科学雑誌『Newton』のバックナンバーが常備され、訪れる人の知的好奇心に応えている。スタッフがつくり込んだ漫画売り場は、ただならぬ情熱が感じられ、長居必至。

子供から大人まで幅広い年齢層が楽しめる書店。
子供から大人まで幅広い年齢層が楽しめる書店。

スタッフのおすすめ

『さみしくてごめん』
永井玲衣/大和書房

さみしさや無力感といった、人と共有できないものから哲学が始まる。日々の考えを積み重ねたエッセイ。

『紀伊國屋書店 国分寺店』店舗詳細

住所:東京都国分寺市南町3-20-3 セレオ国分寺8F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR・私鉄国分寺駅直結

立川地区最大級。ワンフロアを周回する楽しみ『ジュンク堂書店 立川高島屋店』【立川】

表紙を見せて並べる祭壇のような棚。地元立川の情報誌は常設。
表紙を見せて並べる祭壇のような棚。地元立川の情報誌は常設。

広大なフロアを生かし、さまざまなジャンルの書籍が幅広く網羅されている。特に、理工・医学書、法律や経済関連などの専門書は、お客さんの信頼も厚く、力を入れている分野だ。新刊はもちろん、既刊にも気を配り、いつ行っても旬を感じる売り場は刺激的だ。

ワンフロアで約1000坪。2026年2月で、開店10年になる。
ワンフロアで約1000坪。2026年2月で、開店10年になる。

スタッフのおすすめ

『ロイヤルホストで夜まで語りたい』
朝井リョウ ほか/朝日新聞出版

ロイヤルホストにまつわるエッセイアンソロジー。未読の作家や芸能人の文章と出合うきっかけにも。

『ジュンク堂書店 立川高島屋店』店舗詳細

住所:東京都立川市曙町2-39-3 立川髙島屋S.C. 6F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR立川駅から徒歩3分

ふらりと立ち寄って本や雑貨を気軽に買える『オリオン書房 ルミネ立川店』【立川】

一段とにぎやかな児童書売場。大人も楽しい。
一段とにぎやかな児童書売場。大人も楽しい。

雑誌や書籍だけでなく、日常づかいできる雑貨なども多くあり、季節感を演出した売り場は訪れるだけで楽しい。映画やドラマなど映像化作品の文庫には力を入れていて、目につくところに配置。手にとって中を見ることができる児童書売り場はファミリー層に人気。

駅ビルのレストランフロアにあり、食事のついでに立ち寄ることができる。
駅ビルのレストランフロアにあり、食事のついでに立ち寄ることができる。

スタッフのおすすめ

『成瀬は天下を取りにいく』
宮島未奈/新潮文庫

滋賀県大津市に暮らす成瀬あかりの中学2年生から高校3年生までの無敵な青春を描く。2024年本屋大賞。

『オリオン書房 ルミネ立川店』店舗詳細

住所:東京都立川市曙町2-1-1 ルミネ立川8F/営業時間:10:00~22:00/定休日:無/アクセス:JR立川駅直結

自分の目的の本を探すところから始めてみる『増田書店』【国立】

地下には、岩波書店やみすず書房など、人文書がぎっしり並ぶ区画がある。ジャンル分けのプレートは少なめ。
地下には、岩波書店やみすず書房など、人文書がぎっしり並ぶ区画がある。ジャンル分けのプレートは少なめ。

国立で長く店を構え、世代を継いで通うお客さんも多い。品揃えは、そうしたお客さんとのコミュニケーションでつくられている。地下の人文書棚は、並べ方をじっくり見て考えることで、店と対話し、知力と体力を鍛える場。一冊の本が内包する力強さを実感する。

1948年創業。
1948年創業。

スタッフのおすすめ

『版元番外地』
下平尾直/コトニ社

超零細出版社「共和国」代表、下平尾直が綴(つづ)る自社の10年の記録。版面いっぱいに躍動する文章が心地良い。

『増田書店』店舗詳細

住所:東京都国立市中1-9-1/営業時間:10:00~20:00/定休日:無/アクセス:JR中央線国立駅から徒歩2分

急いでいてもじっくりでも、いつも発見がある『PAPER WALL nonowa 国立店』【国立】

著者名の50音順に並ぶ既刊文庫の棚。気になる作家にフォーカスできる。
著者名の50音順に並ぶ既刊文庫の棚。気になる作家にフォーカスできる。

駅ナカ施設内にあり、店頭に新刊や話題書が並ぶ一方で、落ち着いて本を選べる空間になっている。新刊文庫は出版社別に、既刊文庫は著者別にと、探しやすい工夫もうれしい。絵本などギフト用の需要も多くラッピングにも対応。身近にあると安心なお店だ。

駅ナカ1階奥にあり、お客さんが絶えない。
駅ナカ1階奥にあり、お客さんが絶えない。

スタッフのおすすめ

『皇后の碧』
阿部智里/新潮社

風の精霊の皇帝とその後宮を舞台にしたファンタジー。日常を忘れて作品世界に深く潜る愉悦を体験できる。

『PAPER WALL nonowa 国立店』店舗詳細

住所:東京都国立市北1-14-1/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR中央線国立駅直結

西国で暮らす人に寄り添う駅前書店『BOOKS隆文堂』【西国分寺】

本の楽しさや面白さを伝えたくて児童書売り場は広めにしている。
本の楽しさや面白さを伝えたくて児童書売り場は広めにしている。

西国分寺駅の開業を機に駅近くに出店して以来、地元に暮らす人たちと共に歩んできた。電車に乗って他の駅に行かなくてもいいようにと、雑誌、文庫、漫画とまんべんなく揃え、お客さんからの注文も受ける。この店で絵本を買い、成長した地元民が多いはずだ。

駅前の商業ビルにあり、買いものついでに立ち寄る人が多い。
駅前の商業ビルにあり、買いものついでに立ち寄る人が多い。

スタッフのおすすめ

『寝ぼけ署長』
山本周五郎/新潮文庫

警察署長・五道三省は、昼行灯のように見えて実は切れ者。数々の難事件を解決する。隆文堂のロングセラー。

『BOOKS隆文堂』店舗詳細

住所:東京都国分寺市泉町3-35-1 西国分寺レガ2F/営業時間:10:00~21:00/定休日:無/アクセス:JR中央線・武蔵野線西国分寺駅から徒歩1分

取材・文・撮影=屋敷直子
『散歩の達人』2025年9月号より

新刊・古書問わず、本屋さんの名店が連なるJR中央線沿線。三鷹~武蔵小金井の区間は、派手さはなくとも、じっくり腰を据えて本と向き合う店が多い。各駅停車の書店巡りに出発!
いま、チェーン店ではない、少人数で運営し、店主自らの意思で本を並べる本屋さんが着実に増え続けている。扱うのは本だけではない。雑貨類はもちろん、イベントスペースがあったり、カフェが併設されていたり。ひと口に「本屋さん」といっても枠にとらわれない気ままな形で、穏やかな雰囲気の店ばかりだ。店主も十人十色。ある店主は編集者として、ある店主はバンドマンとして、またある店主は縁起熊手の職人として活躍した過去を持つ。自由自在な空間は、彼らが紡いできた物語の先で、確かに作られているのだ。今回紹介するのは、移転オープンを含む2021年以降に扉を開いた都内の本屋さんたち。楽しみ方は無限大。さて、どこから巡る?
専門書店が立ち並ぶ神保町界隈(かいわい)にあって、作家たちもネタ探しに立ち寄るのが大型の新刊書店だ。フェアやイベントも多々。独自目線でセレクトした、他の街とちょっと違うラインアップにも心が躍る。