ぼんやりしたいときにうってつけ。『トムネコゴ』[井の頭公園]
模様入りのガラス戸の奥には、古道具に彩られた空間が広がる。足踏みミシンに木箱やそば板を載せたり、本棚の扉に脚を付けたりした手作りテーブルが点在。「ほとんどもらい物や拾い物なんですよ」と笑顔で語るのは、店主の平良巨(たいら なお)さん。静けさを埋めるクラシックやジャズの音色が耳に心地よく、ネルドリップで淹れたコーヒーを手に窓を見やれば、土手の緑に目が潤う。本を広げながら楽しむ音楽とコーヒーは、一人のときこそ満喫したい。
『トムネゴゴ』の店舗詳細
※月曜のみ~17:00/定休日:火/アクセス:京王電鉄井の頭線井の頭公園駅から徒歩1分
上質の豆と、上質の空間。『Cafe de Maestro』[久我山]
ネルで淹れる店主の内田幸子さんは「亡くなった主人がコクテール堂の豆を使いたくて始めたんですよ」と話す。見様見真似で引き継いだと笑うが、湯を落とした後に少し落ち着かせてから供すコーヒーの、まろやかな口当たりといったら。チーズケーキやレーズンケーキは「昔から変わらないね」と言われることも。先代がこだわった寄せ木の床、革張り椅子、漆喰を、間接照明が柔らかに照らすなか、お代わりを頼む常連客は少なくない。
『Cafe de Maestro』の店舗詳細
ミラノピザが自慢のカフェ。『pizza caffe kocca bocca』[浜田山]
ミラノで4年に一度催されるピザオリンピック。音楽に合わせてピザ生地を回す部門で、世界3位になったピザ職人が、店主の古賀知仁(ともひと)さんだ。「ナポリと違い、ピザの自由度が高いんです。生地に牛乳やピーナツオイルを加えてもいいんです」と、華麗に仕上げ、石窯オーブンへ。とはいえ、ここはカフェ。実は奥様の広ひろ果か さんがバリスタで、ふわふわクリーミーなラテにも心ときめく。夫婦の腕の結晶が生んだ稀有な店でゆるりと味わいたい。
『pizza caffe kocca bocca』の店舗詳細
階上に潜み、ジャズを感じるべし。『Jazzと喫茶 囃子 はやし』[下北沢]
下北沢名物だったジャズ喫茶『マサコ』のスタッフだった林美樹さん。「即興性があって艶なまめかしい、それがジャズかな」と、自らジャズを感じる店を今春始めることに。音楽以外にも、美樹さんの好きなものが満載。アンティーク家具、地元『南乃珈琲船』の焙煎豆、あんトーストに小豆ジュース、そして酒。そんな空気感に引き寄せられ、女性客や年配紳士も来店。音楽とお茶とおしゃべりに興じる即興ライブが日夜、繰り広げられている。
『Jazzと喫茶 囃子 はやし』の店舗詳細
※新型コロナの影響により、一時的に12:00~20:00に変更/定休日:火・水/アクセス:小田急線・京王井の頭線下北沢駅から徒歩3 分
構成=ウィルゲート 取材・文=佐藤さゆり・信藤舞子(teamまめ)、古澤誠一郎 撮影=オカダタカオ、金井塚太郎、門馬央典