汗かき食べながら、代謝アップを実感『お招き屋・ディデアン』
サラリとしたスープタイプの極辛カレー。しかし、辛味がジャスミンライスと合わさると、深いコクと甘みが口いっぱいに広がる。コクの正体は、名古屋コーチンのガラで取るブイヨンだ。「濃厚過ぎて冷蔵庫で固く煮こごるので、のばすのにひと苦労」と、シェフの永添愼一さんは苦笑いする。使用スパイス20数種類の中には、当帰(トウキ)や高麗人参など変化球もあり、独自の風味を醸し出している。体にいいものを伝え続けてきた『お招き屋・ディデアン』。完食後、「医食同源」の言葉がよぎった。
『お招き屋・ディデアン』店舗詳細
週に2、3度届く「父」ブランドの野菜が立役者『ビストロ アギャット』
もとは小料理屋だった”純和”な店舗で、2011年6月から夫妻二人で営む。「日本にある食材で表現するフレンチ」がモットーの店を支えるのは、シェフの父上が育てる山形の有機野菜。今や自家農園と化した畑から届く食材は、平日限定ランチでも味わえ、この日はポワレしたメダイに大葉をソースにして添えた。ビネガーの酸味、クルミのコクと相まって、大葉の香味が強すぎずちょうどの塩梅。付け合せのグリル野菜にも底力を感じる、親子の力を終結したひと皿だ。コースランチは2700円~(4200円もあり)、ディナー4200円~(5500円、8000円~10000円のおまかせコースあり)。
『ビストロ アギャット』店舗詳細
店主の熱意に感謝! 受け継がれる木場名物『来々軒』
50年続いたタンメンの名店がのれんを下ろすと聞き、先代に直談判して味の継承を許されたのが約2年前。「何を入れてどう作ってるか、全部教えるよ」と語る店主・荒張好衛さんだが、スープをすすれば、それが一朝一夕の味でないことは明確だ。主に鶏ガラとモミジでとったスープは、煮干しとサバ節が深みを持たせ、野菜の甘みも加わったシンプルな奥深さ。同じスープで茹で、多めの油で揚げ焼きにする餃子とは、いつの時代も名コンビ!
『来々軒』店舗詳細
そば前からそば、デザートまでフルで楽しめる『満寿庵』
木場で材木業を営む社長が、そば好きが高じて始めた店。昨年赤坂見附から当地へ移転した。モットーは「挽きたて、打ちたて、茹でたて」。北海道、茨城県のソバの実を自家製粉し、上品な二八そばに仕上げた。「バラ天せいろ」の「バラ天」はひと口サイズに切ったエビやさつまいも、ズッキーニなどの天ぷらを指し、噛むと水気がほとばしる新鮮素材でつゆをつけずともうまい。日本酒も充実し、そば前も◎と評判だ。
『満寿庵』店舗詳細
シェフ思い出の仏・地方料理にワインが寄り添う『バール フランセ ラ・レプブリック』
ブルゴーニュ地方で修業経験がある小林英幸さんの手がける料理は、当時食べた味を再現したものが多い。「ここにお客として来たら、必ずこれを頼みます」と断言するのがエスカルゴ。ガーリックを香りづけたバターとサクサクのパン粉がエスカルゴを包み込み、ワインもバケットも恋しくなる。見た目に男気あふれるシュークルートは、いっしょに煮込んだ酢キャベツが塊肉の旨さを引き出す。ディジョンマスタードをたっぷりつけて召し上がれ。
『バール フランセ ラ・レプブリック』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり、松井一恵、信藤舞子、阿部真奈美(teamまめ) 構成=松木里絵 撮影=高野尚人、オカダタカオ、金井塚太郎、井原淳一