割烹料理を原点にした滋味深いかつおラーメン『立川や』
『立川や』は、1992年に「東京らーめん」という名で始まった歴史のあるラーメン店だ。ラーメンは創業当時から定番メニューのかつおラーメンと、こってり派にうれしいとんこつラーメンの2種類。店主の神山和隆さんの父が割烹料理屋を営んでいたことから、割烹料理のおすまし(お吸い物)が原点となっている。かつおをベースに野菜や丸鶏などの旨味をかけ合わせた2種類の出汁から作るスープは、奥深い味わいだ。
ラーメンと並んで人気なのが、ラーメンのスープとともに10時間ほどじっくりと煮込んだ特製の角煮を使った角煮丼。ラーメンと一緒に、丼をかきこむ時間はまさに至福だ。
『立川や』店舗詳細
数種類の味噌をブレンドした黄金の味噌ラーメン『ORENO虜RAMEN』
2023年10月にオープンした『ORENO虜RAMEN(オレノトリコラーメン)』は、立川の会員制ウニ料理専門店で不定期営業していた「きまぐれらーめん 虜」の、待望の常設店舗だ。
看板メニューは、白味噌や赤味噌など数種類の味噌をブレンドした味噌ラーメン。黄金に輝くスープは、味噌の濃厚な旨味の中にニンニクや生姜のパンチがあり、食べるたびに深みが増していく。さらに『菅野製麺所』の中太縮れ麺や、こんがりと炙られた大ぶりのチャーシューなど具材のバランスも絶妙だ。ラーメンに添えられた別皿の生姜で“追い生姜”ができるのも楽しい。
『ORENO虜RAMEN』店舗詳細
具材まで鶏づくし!鶏の旨味が詰まった鶏白湯ラーメン『らーめん チキント』
立川駅の南口から徒歩3分にある『らーめん チキント』は、地元にファンが多い人気店。
麺を覆い尽くすほどの鶏チャーシューがのった鶏肉らーめんは、鶏白湯に魚介を掛け合わせたWスープと、具材まで鶏の旨味を楽しめる一杯だ。無化調で体に優しいところもうれしい。醤油味の鶏白湯スープは、醤油の存在感が抜群。魚介の香りも相まって深いコクを奏でる。モモ肉、つみれの2種類の鶏チャーシューもそれぞれの旨味があり、最後の一口まで鶏の旨さを存分に堪能できる一杯だ。
『らーめんチキント』店舗詳細
秘伝の醤油ダレ、厳選素材が織りなす重層式の醤油スープ『らーめん愉悦処 鏡花』
『らーめん愉悦処 鏡花(きょうか)』は、独自の湯切りスタイル“華厳の滝”で一世を風靡した町田恵一さんがオーナーを務める名店。
イチオシの大きなワンタンが入った極醤油らーめんは、鶏、豚、魚介など多彩な食材と、6種類の蔵出醤油をブレンドした重層式スープ。ツルツル、ぷるぷるのワンタンと、奥行きのある醤油の風味は唯一無二といえる。また、町田さんが感銘を受けた明治の文豪、泉鏡花の小説『高野聖』の世界観を表現した空間はラーメン店とは思えないほど幻想的だ。
『らーめん愉悦処 鏡花』店舗詳細
秋田出身の店主による月替わり中華そば『ほじなし』
立川の閑静な住宅地にある『ほじなし』は、料理人歴30年以上の店主・柴田信博さんによる独自のラーメンが味わえる。
1日1種類のみ登場する中華そばは、月によって種類が替わる。柴田さんが秋田出身ということで、東北のご当地ラーメンからインスパイアされたラーメンが中心だ。取材時に提供していたのは、秋田のご当地ラーメン「十文字ラーメン」と、福島のご当地ラーメン「喜多方ラーメン」をミックスしてアレンジした淡麗煮干しそば。鶏と豚の清湯スープに、煮干しや焼き干し、かつお節の出汁を合わせたスープは、昔懐かしい味わいだ。そば打ちの経験を生かしたモチモチの手打ち麺もスープとよく合う。夜営業では、秋田の郷土料理とともに、地元の酒屋から仕入れた日本酒も味わえる。
『ほじなし』店舗詳細
※ラーメンの提供は14:00まで。/定休日:火、第2・第4月/アクセス:JR立川駅から徒歩9分
大きなワンタンがトレードマークの淡麗系中華そば『麺屋 かなで』
2019年に『ホテル日航立川 東京』の向かいにオープンした『麺屋 かなで』は、20年以上にわたり多種多様なジャンルのラーメン店で修業を積んできた沖護(おき まもる)さんが厨房に立つ。さまざまなテクニックが詰め込まれた淡麗系中華そばは、醤油のコクが鶏の旨味を引き出した一杯。チャーシューは低温調理でしっとり食感に仕上げた豚肩ロースと鶏胸肉の2種類を楽しめる。
「スープは昨日と今日で違うので、常に“今日が一番”と思える味を目指して作っています」と話す沖さん。ラーメン激戦区の立川で、地元客に愛される理由は、間違いなくこの向上心だろう。
『麺屋 かなで』店舗詳細
トマトの旨味に溺れる新感覚マトらーめん『らーめん カッパファクトリー(FC)』
『らーめん カッパファクトリー(FC)』は、福生をはじめ都内や埼玉に展開するラーメン店のグループ、カッパジャパン初のフランチャイズ店だ。
人気ナンバーワンの特製トマトらーめんは、豚骨魚介系のスープに秘伝のトマトスープを合わせた秘伝の味。ラーメンらしい複雑な出汁の風味を味わえる正真正銘の“トマトのラーメン”だ。低温調理の豚ロースと煮豚のバラ肉という2種類のチャーシューや、トマトとの相性のよさから選ばれた野菜たちもアクセントをくれる。満足感はしっかりあるのに、実は化学調味料不使用なところもうれしい。
『らーめん カッパファクトリー(FC)』店舗詳細
白湯ラーメンと日本酒の店『麺や★Fuji』
『麺や★Fuji』は先代から店を受け継いだ石川さん親子が切り盛りする、ラーメンと日本酒をコンセプトにした店。看板メニューの白ふじらーめんは、豚骨と鶏ガラ・げんこつを18時間炊き、2週間寝かせて熟成させた塩だれを合わせた白湯スープが特徴。深いコクがあるのに後味がすっきりしているのは、余分な脂を取り除いているから。低温で調理した肉々しい肩ロースのチャーシューも好評だ。
日本酒は、岩手県の赤武や埼玉県の花陽浴といった全国各地の地酒がラインアップ。日本酒について知りたいことがあれば、気軽に尋ねてみよう!
『麺や★Fuji』店舗詳細
とろとろチャーシュー&刻み玉ねぎたっぷりの八王子ラーメン『立川びんびん亭』
『立川びんびん亭』は、八王子で30年以上の歴史を持つ八王子ラーメン専門店『びんびん亭』初ののれん分け店舗。中河原店のスタッフとして調理と新商品の開発を長年担当していた藤本さんご夫婦が独立し、2020年4月にオープンした。
満足感たっぷりのチャーシューメンは、動物系と魚介系の出汁をかけ合わせたまろやかな醤油スープに、山盛りの刻み玉ねぎのシャリシャリ感がとてもよく合う。豚バラのチャーシューは、独自にブレンドしたタレの味がしっかりと染み込んだ自慢の味わいだ。立川にいながら、本格的な八王子ラーメンを楽しむならココ!
『立川びんびん亭』店舗詳細
クセになる辛さ!真っ赤なトムヤムクンラーメン『路地裏のタイ料理とお酒 バナナ食堂』
2009年から立川で営業するタイ料理専門店。本場のタイ料理を味わえるタイレストランとしてタイ政府も認めた店だ。
麺類で人気No.1のメニューが、真っ赤なスープが印象的なトムヤムラーメン。トムヤムクンのクセになる辛さと酸っぱさを、タイ定番の米麺と一緒に食べられる。じわっとくるクセになる辛さと海老の旨味が効いたスープ、ツルツルとした米麺が抜群のコンビネーションだ。お好みで酢や唐辛子を入れてアレンジも楽しもう。パクチーは別皿で、好きな量をのせられるのもうれしい。お酒にもこだわる同店では、現地で人気のクラフトビールやワインなども勢ぞろい。料理と一緒に珍しいタイのお酒もぜひ味わいたい。
『路地裏のタイ料理とお酒 バナナ食堂』店舗詳細
※料理の在庫が無くなった場合は早めに閉店。/定休日:日、月/アクセス:JR立川駅から徒歩5分
取材・文・撮影=稲垣恵美