一粒に、広大な世界が詰まっている『LES CACAOS 本店』[大崎]
ボンボン・ショコラのセットが、チョコレートの奥深さを教えてくれる。キャラメル・フランボワーズは、味や香りが絡み合い複雑な魅力を作る。塩を使うセルは、素材一つひとつの持ち味を際立たせるシンプルな構成。さらに、ヘーゼルナッツを使った自家製のプラリネと、砕いたコーヒー豆で食感に変化を出すノワゼット・カフェなど。いざ食べればあっと驚き、誰かに教えたくなる。
『LES CACAOS 本店』店舗詳細
見た目も印象的な、手焼き煎餅『王将せんべい』[新馬場]
考案したのは将棋好きの初代店主。店は品川神社のそばで50年以上続き、代々注ぎ足し育てている醤油を使う。キリッとしたしょっぱさと、発酵によって醸し出される旨味を生かすため、加えるザラメは控えめに。煎餠の種類によって醤油の塗り方や焼き加減を変え、堅焼きはしっかり焼いてガリッと、ごまは醤油あっさりめ、やや薄い生地を使って食べやすくするなど職人の工夫が個性を生む。
『王将せんべい』店舗詳細
ビールを片手に、食べ比べに熱中『お江戸 鎧せんべい 岩本米菓』[大井町]
店内には、宮城県産糯(もち)米「みやこがね」を使用したバラエティに富んだオリジナルおかきがずらり。なかでもマイルドとスパイシー、2種類の味を詰め合わせたカレーハウスはつまみにぴったり。食感が軽くサクッとしたマイルドに対し、黒コショウを利かせたスパイシーは少しザクッとした歯応えも。後からゆっくりと押し寄せる糯(もち)米の甘みがカレーの風味と合わさって、手が止まらなくなる。
『お江戸 鎧せんべい 岩本米菓』店舗詳細
五感を使って、集中して味わいたい『PATISSERIE Les Cinq Epices』[青物横丁]
ひと口目には、フランス産と北海道産をブレンドしたクリームチーズが口の中でとろけ、穏やかな甘みが広がる。次の瞬間ほのかな酸味が顔を出し、味わいがふわっと立体的に。食べ進めるごとに、クッキー生地のバターの風味も鼻腔を満たすように膨らみ、ますますうっとり。薄力粉に強力粉、全粒粉を独自に混ぜて使っているため、軽いうえにザクザクとした歯触りも楽しませてくれる。
『PATISSERIE Les Cinq Epices』店舗詳細
取材・文=信藤舞子 撮影=丸毛透