素材の個性を絶妙に引き出し、合わせる『自然菓子 cacika』

Bean to barチョコレート幻スコーン480円。グラスフェッドバターの自家製あんバターサンドスコーン550円。
Bean to barチョコレート幻スコーン480円。グラスフェッドバターの自家製あんバターサンドスコーン550円。

ザクッとした食感のスコーンは小麦本来の香りを放つ。滋味あふれる自家製つぶあんを挟むと明確なコントラストを成し、それらをまろやかにまとめ上げるのは、香りがよく口当たりの軽いグラスフェッドバターだ。Bean to Barチョコレートを使う幻スコーンは、カカオ豆のほのかな果実味のおかげですっきりした後味。一つひとつの個性は強いが、それらを自然と寄り添わせる妙技にときめく。

店頭にはチョコレートやマフィンも並ぶ。「スコーンは食べる前に温め直すのがおすすめです」と店主の渡辺美保さん。
店頭にはチョコレートやマフィンも並ぶ。「スコーンは食べる前に温め直すのがおすすめです」と店主の渡辺美保さん。

『自然菓子 cacika』店舗詳細

住所:東京都三鷹市井の頭4-9-12/営業時間:11:00~16:00/定休日:営業日は月3回程度(SNSで確認)/アクセス:京王電鉄井の頭線井の頭公園駅から徒歩7分

穏やかな甘みと素材の力強さを兼備『coromo-cya-ya』

りんごのタルト702円。
りんごのタルト702円。

フォークを当てるとタルト生地はガツッと手応えがあり、噛み締めると小麦の旨味がじわっと広がる。「いろいろ試して、薄力粉よりも味わいを強く感じられる中力粉にしたんです」とディレクターの中臣美香さん。リンゴは火を通してから白ワインを足しつつソテーし、糖度や水分量を調節。シャクッとした歯触りとほのかな酸味が存在感のあるタルト生地と合わさり、キレのいい甘みを演出してくれる。

柔らかな自然光が注ぐカフェ。入り口で焼き菓子や茶葉の販売も。隣に洋服屋を併設。
柔らかな自然光が注ぐカフェ。入り口で焼き菓子や茶葉の販売も。隣に洋服屋を併設。

『coromo-cya-ya』店舗詳細

小麦が感じられる、パン屋らしい味わい『リールオパン』

パン ヴィエノワ ショコラ220円。桜のマドレーヌ(2個入り)350円。
パン ヴィエノワ ショコラ220円。桜のマドレーヌ(2個入り)350円。

フランス育ちの店主・島岡令央奈さんが目指すのは「子供の頃から食べていた小麦の味がしっかりするパン」。フランスでは食事はもちろん、おやつもパンは珍しくなく、「中でもパン ヴィエノワ ショコラは定番」だとか。島岡さんが作るのは小ぶりだがずっしりしていて食べ応え十分、頬張ると北海道産小麦の味がふわり。マドレーヌは甘すぎず、バターのコクで香ばしさと素材の旨味が際立つ。

桜のマドレーヌは4月末ごろまで。旬の食材を活かした自家製コンフィを使う商品も評判。
桜のマドレーヌは4月末ごろまで。旬の食材を活かした自家製コンフィを使う商品も評判。

『リールオパン』店舗詳細

住所:東京都武蔵野市吉祥寺東町1-17-16/営業時間:10:00〜17:00/定休日:土~火(第4土は営業。不定あり)/アクセス:JR中央線・総武線、京王井の頭線吉祥寺駅から徒歩10分

モチーフはずばり、井の頭の「井」!『東急百貨店 吉祥寺店 諸国銘菓売場』

井の頭煎餅1枚162円。
井の頭煎餅1枚162円。

元々は武蔵野市にあった「小美濃せんべい」が考え、1957年に廃業するまで愛されたせんべい。2004年に東急百貨店吉祥寺店が開店30周年を迎えた際、数量限定で復刻した。キリッとした醤油の味、バリッと歯切れいい食感は当時を知る地元商店会の女性部「たんぽぽの会」の協力を得て再現し、現在は吉祥寺『花見せんべい』が製造。それが人気を呼んで定番化し、今また界隈の名物に。

武蔵野銘菓のコーナーに選りすぐりの品々と並ぶ。贈答用にぴったりの箱入りも用意。
武蔵野銘菓のコーナーに選りすぐりの品々と並ぶ。贈答用にぴったりの箱入りも用意。

『東急百貨店 吉祥寺店 諸国銘菓売場』店舗詳細

住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-3-1 B1/営業時間:10:30~19:00/定休日:不定/アクセス:JR中央線・京王電鉄井の頭線吉祥寺駅から徒歩5分

取材・文=信藤舞子 撮影=原幹和