アンティークと草花が彩る英国カフェ『THE LITTLE HOUSE OF COFFEE』
不揃いの家具や洗いざらしの布、瓶挿しの草花が素朴さを醸す。「日常をリセットできる場にしたくて」と店主の加藤さんは、伊東『ヴェッカー』の焙煎豆で淹れる香り深いコーヒーを軸に2018年に開店。ランチには、無農薬野菜やハチミツナッツ、パンなどと供される英国料理のシェパーズパイを。マッシュポテトの下に炒めた合いびき肉を隠し焼き、トマトの酸味&スパイスがふわりと香り立つ。
『THE LITTLE HOUSE OF COFFEE』店舗詳細
地元産を粋な味に昇華させる路地裏酒場『CANCAN』
フレンチで腕を磨いた店主の五十嵐和弘さんが2019年に小さな酒場を開店。15時から開け、昼酒を嗜(たしな)む地元客が少なくない。アテには魚料理を。「地元の魚屋さんがいい地魚を揃えてくれるんです」と目尻を下げ、「青魚は果物と相性がいいんですよ」。柑橘類で締めたり、甘みや酸味を果実で補ったり。目から鱗(うろこ)の取り合わせは、粋でモダンな味わい。故郷の山形産や自然派ワインがふくよかな余韻を引き出す。
『CANCAN』店舗詳細
手作りのぬくもりが味わい深い料理と空間『Sara』
シロツメクサが揺れる庭席が牧歌的。電車も時折、走り行く。店主の藤田雪さんは、雑貨商品の倉庫代わりにと見つけた民家を自らDIYするうち、カフェも始めることに。「生来の食いしん坊で」と笑うが、創作魂を料理にも発揮。鶏肉をアクアパッツァ風に煮たり、ローリエと蒸した長ネギを生ハムで巻いたり。小田原産下中タマネギのポタージュは濃い甘みに驚く。香りを効かせたやさしい旨味揃いだ。
『Sara』店舗詳細
正統な日本料理で、レアな地の魚も味わえる『和食 よつ葉』
イナダ、イサキ、カマスの炙り。繊細なお造りは、相模湾の鮮魚が中心だ。しらすの茶碗蒸しは、出汁をたっぷり含んでふるふる。揚げたてのマコガレイはさっくり軽く、身はふんわり。店主の大久保暢哉さんは日本料理で34年、老舗旅館やホテルで腕を磨いてきた。これだけの経験があっても、「出合ったことのない地の魚を扱う楽しみがあります」と目を輝かせる。平塚出身であること、妻の浩子さんもまた料理教室を催したり、酒米づくりをしていたことから、2020年6月、この地で開店に至った。夫妻の願いどおり、肩肘張らず和食を堪能でき、再訪を誓ってしまう。
『和食 よつ葉』店舗詳細
取材・文=佐藤さゆり(teamまめ)、林加奈子、沼由美子 撮影=井上洋平、丸毛透、井原淳一、小澤義人