誰もが知るあの世界的名画に会いに行ける『SOMPO美術館』[新宿]
新宿のアートランドマークとして、多様な芸術・文化を発信する『SOMPO美術館』。柔らかな曲線とアートを想起させる、彫刻のような外観デザインが特徴だ。年5回ほど企画展が開催されている。館内の3~5階が展示室となっており、鑑賞しながら下階へと下りていく順路となっている。錚々(そうそう)たる後期印象派の画家たちの作品を収蔵しているが、なかでも人々を魅了してやまないのが、アジアで唯一見られるゴッホの「ひまわり」。低反射のガラスケースに覆われていて、鮮やかな色彩や油彩の質感までもじっくりと味わうことができる。
『SOMPO美術館』店舗詳細
コレクター偏愛の現代アートが一堂に会する『WHAT MUSEUM』[天王洲アイル]
天井の配管がむき出しの倉庫空間に並ぶのは、絵画や立体造形をはじめ、グラフィックやデジタルに着想を得たさまざまな現代アート。ここは、美術品の保管事業を行う寺田倉庫が、コレクターから預かったアートを公開する施設だ。特定のアーティストの作品展ではなく、特定の人が集めた作品が展示され、どんな作品が現れるのかワクワクと高揚する。
『WHAT MUSEUM』店舗詳細
歴史を支えた印刷の進化に目を見張る『印刷博物館』[江戸川橋]
凸版印刷本社ビルの地下に潜む『印刷博物館』は常設展が一新。テーマごとから時系列での展示に変わり、奈良時代から始まる日本の印刷の変遷をたどることができる。なかには徳川家康がつくらせた駿河版銅活字や杉田玄白らの『解体新書』もあり、歴史の一場面で印刷がどのような役割を担ったかをうかがい知ることも。工房では活版印刷体験もでき、デジタルにはない風合いに心をつかまれる。
『印刷博物館』店舗詳細
童心に帰って物語の世界に飛び込もう!『PLAY! MUSEUM』[立川・立川北]
何世代にも愛される著名な絵本や、漫画、アートの展示を年に数本行っている。うず巻き状の壁に木材が敷かれた展示室はどこか温もりがあり、奥へ進むたびにパラレルワールドへ。原画の展示や映像作品だけでなく、展覧会の世界観に合わせてガラリと変わる空間も見どころだ。写真撮影OK、長時間絵本を読み耽(ふけ)るのもOKで、我を忘れて時を過ごせる。
『PLAY! MUSEUM』店舗詳細
幸せオーラに満ちたピカソの陶器を堪能できる『ヨックモックミュージアム』[表参道]
洋菓子「シガール」で有名なヨックモックが約30年かけて収集したピカソのセラミック作品を展示。ピカソは戦後、南仏のヴァローリスに移り住み、開放的な空気の中で陶器制作に没頭した。同館はお椀、水差し、食器、大皿など約500点を所蔵し、順次公開予定。女性の顔や平和を象徴するハト、大好きな魚や闘牛といった日常の幸せが描かれ、どれも温かい雰囲気に包まれている。照明を落とした中で作品と対峙(たいじ)する地下展示室とは対照的に、2階では自然光を浴びて作品の空気感を味わう。20世紀美術を代表する巨匠を身近に感じることができる。
『ヨックモックミュージアム』店舗詳細
アートの新しい地平を切り開く『アーティゾン美術館』[東京]
2020年1月に開館。1~3階部分はカフェやミュージアムショップなど入場無料のフリーゾーン、4~6階部分が展示室ゾーンとなり、吹き抜けを多く使った開放感あふれる空間になっている。展示室は階ごとに、天井や床の色に変化があり、吹き抜け部分には自然光が差し込み、展示に集中しつつも適度に気分転換ができるのが心地よい。前身である「ブリヂストン美術館」が力を入れていた印象派と日本近代洋画を中心に、現代美術や日本の近世美術など新しい分野にも目を向け、充実したコレクションにさまざまな角度から光を当てる企画展を開催している。目当ての作品やジャンル以外にも新たな出合いがあるだろう。
『アーティゾン美術館』店舗詳細
取材・文=香取麻衣子、屋敷直子 撮影=木村心保、片山菜緒子