おらく

飯能の酒場文化の生き字引

天覧山 本生940円、鉢まぐろぶつ540円、昆布〆トロしめさば刺756円、レバー焼き702円。どの料理も大将のきっぷの良さが表れる大ボリューム。プリプリと肉厚なのにとろける柔らかさのレバーに衝撃。

北口の目の前にどーんと構える、創業から70年を超える老舗酒場。もとは現大将の祖母が始めた一杯飲み屋で、つまみは焼き鳥とお新香があるくらいだったそうだが、先代が銀座の寿司屋で修業を積んだ名残か、鮮魚も旨い。ねじりはちまきをピシッと締めると仕事モードになるという祭り好きの大将。飯能の酒場文化の空気が堆積した店内で、その丁寧な手仕事を堪能する時間が贅沢だ。

ねじりはちまきが決まっている大将。

『おらく』店舗詳細

住所:埼玉県飯能市柳町23-9/営業時間:16:00~24:00(祝日は15:00~22:30)/定休日:日/アクセス:西武池袋線飯能駅から徒歩1分

鳩家

小さな飲み屋街の老舗焼き鳥屋

黄桜(1合)450円、焼鳥盛合せ(5本セット)780円、野菜の煮込み(冬季のみ)450円。

駅から歩くこと約15分。街道沿いの横道に、突如一本の小さな飲み屋街が現れる。かつて「航空自衛隊入間基地」の第1ゲートが近かった場所柄だそうで、どこか浮世離れしたその雰囲気にワクワクさせられる。『鳩家』は中でも50年以上の歴史を誇る古株で、2代目と3代目の親子で店を守る焼き鳥屋。名物の焼き鳥はもちろん、初代から受け継がれた野菜の煮込みの素直な味わいが、心に染みる。

「国産鶏にこだわって、昔ながらの焼き方で焼くだけです」と2 代目。
街の老舗酒場らしいたたずまい。

『鳩家』店舗詳細

住所:埼玉県入間市豊岡5-3-27/営業時間:11:30~14:00・16:30~22:00/定休日:日/アクセス:西武池袋線入間市駅から徒歩15分

福島出身・真理子ママの独壇場!

まさか店内がこんなディープ空間だったとは……。

『鳩家』と同じ横丁にあるこの店に、ふらりと入ってみて驚いた。「うちはまずお通しが100円でたっぷり出るから、足りなかったら他を注文して」とのこと。実際手作りの小鉢料理が6皿出てきて、ウーロンハイを2杯。お会計をお願いして「800円」と言われたときは、思わず笑ってしまった。お店を1人で切り盛りする、福島出身の真理子ママのキャラクターが良く、また会いに行きたい。

お通し全品で100円、ウーロンハイ350円。この日は芋がらの煮付け、菊芋の煮物、レバー竜田揚げなど。
「足りなければもっと出すからよ!」と真理子ママ。

『範』店舗詳細

住所:埼玉県入間市豊岡5-4-5/営業時間:16:00~21:00/定休日:日/アクセス:西武池袋線入間市駅から徒歩15分

気鋭の一軒家酒場は日々進化中

初めて入るにはちょっと躊躇する(?)エントランス。

数年前に体調を崩し、それまでの仕事を続けられなくなったご主人が、空き物件だった一軒家を自らリフォーム。2017年にオープンさせた。提灯の点々と灯ともる細い路地の奥にある一軒家酒場という、若干怪しいシチュエーションがたまらない。飲み歩きは好きだったものの、料理はいちから勉強中とのこと。もともとセンスがあるのだろう。何を頼んでも旨く、しかもメニューは日々進化中だ。

カウンターとテーブル席がある。カラオケもOK。
ホッピーセット450円、秋刀魚メシ650円、牛サイコロステーキ650円。ご飯を詰めて炭火で焼いた秋刀魚メシはTV番組をヒントに。

『緑』店舗詳細

住所:埼玉県狭山市富士見町1-5-9/営業時間:17:00~23:00/定休日:月・祝/アクセス:西武新宿線狭山市駅から徒歩3分

取材・文=パリッコ 撮影=井原淳一

『散歩の達人』2020年2月号より

パリッコ
1978年東京生まれ。酒好きが高じ、2000年代後半よりお酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書・共著多数。漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカーとしても活動中。
当サイトでは、連載「飛びこめ名酒場」を執筆中。

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