歩いてめぐった飯能・入間・狭山の街。それぞれに再開発のおよんでいない古い飲み屋街などが残っていて、飲み歩きがとても楽しいエリアだった。中でも特に素晴らしかった4店の記録をどうぞ。

午後2時から飲める飯能の隠れた人気の酒場。『なかよし』[飯能]

馬刺し1100円、ブランデーに3日間漬け込んだレーズンを使用する自家製レーズンバター550円、自家製つくね1本350円、岩魚骨酒1900円。
馬刺し1100円、ブランデーに3日間漬け込んだレーズンを使用する自家製レーズンバター550円、自家製つくね1本350円、岩魚骨酒1900円。

飯能駅繁華街から少し外れた住宅街にある一軒家の隠れ家酒場。なかなか手に入らない銘酒や、店主の甘利さんが厳選した食材を使った和食が評判で、近隣のゴルフ場帰りに寄る著名人も多いとか。鮮度の良い馬刺しはもちろん、自らミンチして作る自家製つくね、自家製レーズンバターなど、手間伱おしむことなく、一つひとつの料理に丁寧な手仕事が見てとれる。甘利さん手描きのメニュー短冊もどこか味があり、細かなところまで手ぬかりがない。

小上がり席とカウンター席を配す。
小上がり席とカウンター席を配す。
店主の甘利明実さんと、奥さんの啓子さん。
店主の甘利明実さんと、奥さんの啓子さん。

『なかよし』店舗詳細

住所:埼玉県飯能市柳町23-2/営業時間:14:00~21:00LO/定休日:火/アクセス:西武鉄道池袋線飯能駅から徒歩3分

旨い魚と地酒でおもてなし。『長州』[入間市]

シマアジ、生タコ、ブリ、マグロ、ヤガラ、スズキを盛った刺身盛合せ(写真は3人前)。
シマアジ、生タコ、ブリ、マグロ、ヤガラ、スズキを盛った刺身盛合せ(写真は3人前)。

女将・花島綾さんのお母さんは山口県出身。1984年に海がない入間市に住む人においしい魚を食べさせたいという想いで店を始めた。今でも刺し身や焼き魚は店の看板料理になっている。

素朴な味が人気の里芋フライ440円。
素朴な味が人気の里芋フライ440円。
「旬の魚介料理が自慢です」と話す花島綾さん。
「旬の魚介料理が自慢です」と話す花島綾さん。

『長州』店舗詳細

住所:埼玉県入間市豊岡1-5-39/営業時間:16:00~23:00LO(日は15:00~22:00LO)/定休日:月(祝の場合は翌)/アクセス:西武池袋線入間市駅から徒歩3分

家庭的な雰囲気の愛され酒場。『鳥吉』[元加治]

焼き鳥(1本132円~)に付く自家製辛味噌もうまい。刺身3点4種盛り1628円、アボカドとサーモンのわさび和え748円もおすすめ。
焼き鳥(1本132円~)に付く自家製辛味噌もうまい。刺身3点4種盛り1628円、アボカドとサーモンのわさび和え748円もおすすめ。

地元密着の居酒屋で、焼き鳥がうまいと評判。大ぶり焼き鳥は種類も多く、特に地鶏ネギ間2本418円は予約されるほど人気だ。プリプリとした弾力の地鶏と甘みがある長ネギの相性は抜群。塩はもちろん、甘辛のタレもおすすめだ。ほかのメニューも近くに大学があるため、リーズナブルでボリュームがある。お酒は、雪蔵で貯蔵した「緑川」825円などのほか、女性好みのカクテルも多い。

スタッフとの会話を楽しみにする人も多いという。
スタッフとの会話を楽しみにする人も多いという。
趣があり、思わず入りたくなる店構え。
趣があり、思わず入りたくなる店構え。

『鳥吉』店舗詳細

住所:埼玉県入間市野田118-11/営業時間:月~金17:00~23:00、土16:30~24:00、日16:30~23:00/定休日:月/アクセス:西武池袋線元加治駅から徒歩3分

店内は完全禁煙。自慢は日本酒と無化調料理!『酒と肴と晩ご飯 なか屋』[所沢]

肉うどん830円、国産鶏の唐焼き660円などが人気。
肉うどん830円、国産鶏の唐焼き660円などが人気。

完全禁煙の空間で、店主が厳選した日本酒(ショット550円)が飲めると人気。日本酒は、2℃の専用ストッカーで管理され、おいしく堪能できる。新しい日本酒の口開けには多くの常連客が集まるという。料理は化学調味料を一切使用せずに、厚削りのかつお節や宗田節、日高昆布で取ったダシを使用。女性客からもヘルシーと評判だ。元々、武蔵野うどんの店を開いていたこともあり、うどんで締めるのもおすすめ。

店内はカウンター席のみで、連日常連客でにぎわう。女性一人での客も多い。
店内はカウンター席のみで、連日常連客でにぎわう。女性一人での客も多い。

『酒と肴と晩ご飯 なか屋』店舗詳細

住所:埼玉県所沢市御幸町2-9/営業時間:16:00~22:00/定休日:火・水/アクセス:西武池袋線・新宿線所沢駅から徒歩10分

取材・文=速志淳、千葉香苗(アド・グリーン) 撮影=井原淳一、猪俣慎吾、オカダタカオ