新宿薬王院西(下落合)
【71段】5回曲がった先にどんな風景が?
くねくねと曲がる階段を上りきると、高田馬場方面のビルを眺望。石畳と薬王院の木々の緑が織りなす風情は、京都の東山界隈の路地のよう。頂上にはフクロウとウサギのかわいらしい銅像が待つ。なぜここに造られたか、お寺の方に尋ねたが「境内のものではないのでわからない」とのこと。
●東京都新宿区下落合4-3付近
亀塚公園(泉岳寺)
【136段】都心最長級の階段で汗じわり
古墳ともいわれる亀塚公園へ続く階段は、23区有数の段数を持つ。階段の頂上に出て、さらに17段上ると亀塚のてっぺんに! 階段の一番下には台地と低地の境目となる崖線から湧く、湧水も見られる。頂上から下って戻る際は、途中の踊り場にある細い脇道を抜け、御田八幡神社を参拝するのがおすすめ。
●東京都港区三田4-16-20
庚申坂(茗荷谷)
【92段】運がよければ新旧車両の競演も!
かつて坂下に庚申(こうしん)の碑があったことから、この名が付いた。階段からは東京メトロ小石川車両基地に停まる列車と、走行中の丸ノ内線車両を一望できる。丸ノ内線を越えた先には切支丹坂があり、庚申・切支丹という両坂の対比が面白い。春日通りが近く、自転車を押す人もふくめ、利用者の多い階段。
●東京都文京区小日向1付近
芝丸山古墳(芝公園)
【79段】きれいに見えタワー♪
今は後円部が削られてしまっているが、都内最大級の前方後円墳。地下鉄三田線芝公園駅のA4出口を出て、南側から幅の広い階段を上ると、標高約 16mの古墳の上に到達。木々の間からは、東京タワーを仰ぎ見られる。北側の階段を降りる途中も、東京タワーの絶景ポイント。日没後に上れば、美しい夜景も!
●東京都港区芝公園4付近
不動坂(田端)
【51段】あの新海作品の聖地を歩く
田端駅南口を出てすぐ右にある石段の階段。坂の上の標柱には「かつて近くに不動の滝があり、不動明王立像が安置されていたから」という名の由来の説明がある。映画『天気の子』ではヒロインの陽菜が田端駅南口界隈に住んでいたという設定で、不動坂の東側にある坂からは映画そっくりの風景を一望!
●東京都北区田端1-23付近
薬師の泉(志村坂上)
【28段】武蔵野台地の段差を体感
くぐり戸の先に庭園へと下る階段があり、この階段は武蔵野台地の端にある崖の高低差をつなぐもの。崖線に湧く薬師の泉は、かつて中山道を往来する人々の喉を潤した。
●9:00~16: 30。東京都板橋区小豆沢3-7-20
高輪で一番長い階段(品川)
【58段】高級住宅地に極渋階段を発見
豪邸が並ぶ先に突如現れる細い階段は、踏み面のゆがみなどが趣深い。朝は、階段の上に暮らす人々が通勤・通学で利用する姿を散見できる。階段を上って北西へ5分ほど歩くと、これもまた趣あるS字階段が。高輪で一番長い階段と合わせて上り下りすれば、高輪が丘陵地であることを実感!
●東京都港区高輪4-4付近
おばけだんだん(千駄木)
【36段】薄気味悪い夕暮れ時がグッとくる
だんだん坂の西側にあり、千駄木ふれあいの杜の沿道にあたる。両側に手が届くほど細く、薄暗い雰囲気から、ついた呼び名はおばけだんだん(文京区弥生のお化け階段は、また別の階段)。
●東京都文京区千駄木1-8付近
芸者小道(神楽坂)
【22段】この街の美意識がギュッと濃縮
神楽坂通りと小栗横丁を南北につなぐ細い階段。木の塀から枝を出すカエデ、足元を照らす飲食店の暖色照明が風情を加える。階段を下った先には『熱海湯』というレトロ銭湯があり、熱海湯階段の別名も。
●東京都新宿区神楽坂3-10
神田明神男坂・女坂(御茶ノ水)
【男68段・女75段】男坂はかつて月見の名所
天保年間(1830 ~ 44)に神田の町火消四組が神田明神に奉献し、造られたのが男坂。一般的に、女坂は男坂よりゆるやかと言われるが、ここの女坂は傾斜がきつい。
●東京都千代田区外神田2-7-4(男)、外神田2-17(女)
取材・文=鈴木健太 撮影=逢坂 聡
『散歩の達人』2021年2月号より