「レベル」と「色」で直感的に分かりやすく

近頃、天気予報やニュースで「レベル3大雨警報」などと頭にレベルと数字を付けて発表されるのを見たり聞いたりしませんか? 従来はただ「大雨警報」などと表示されているのみだったのですが、新たな防災気象情報では河川の氾濫、大雨、土砂災害、高潮が発生する危険度に関して、災害がどの程度、差し迫っているのかをレベルごとに表し、さらに色分けすることで、いつ、どんな行動を取るべきか直感的に分かるようになったのです。

表①5月28日から始まった新たな防災気象情報(画像=気象庁、筆者加工)。
表①5月28日から始まった新たな防災気象情報(画像=気象庁、筆者加工)。

一番上の「レベル5」の「黒」はすでに災害が起きているおそれがあり、命の危険が迫っている可能性が高い状況です。この段階から避難しようと思っても、すでに手遅れといえます。その一つ前の「レベル4」の「紫」の段階までに危険な場所から避難し、高齢の方や小さな子供がいる方、病気やケガのある方はもう一つ前の「レベル3」の「赤」のうちに安全なところへ向かうようにしましょう。

洪水警報は廃止!まずは近所の川について調べてみて

川の近くで気を付けたいのは川の増水や氾濫です。都心部を流れる目黒川や多摩川なども普段は美しい景観を生み出してくれますが、大雨になると一気に水位が上がって危険な状況になります。

川に関する情報として「洪水注意報・警報」はなじみのある方が多いと思いますが、今回の変更によって廃止されました。名称そのものがなくなり、代わって「レベル5氾濫特別警報」などの情報(表①の列①)が出されることになったのです。

具体的にどの川が危ないかも一緒に示されますが、近所の川の名前を知らないという方もいるかもしれません。自分の家の近く、散歩のルートを流れる川の名前は今一度調べておくことをおすすめします。ただし、気を付けたいのは、「氾濫」に関する警報が発表されるのは1級河川など全国約400の大河川(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/flood-map.pdf)のみです。

いつもは穏やかに流れる川だが……。
いつもは穏やかに流れる川だが……。

では、小さな川に対してはどのように情報が出されるのかというと、大雨警報の中で注意・警戒が呼び掛けられます。表①の列②大雨に関する警報は、中小河川の氾濫による浸水と大雨が原因で排水ができず起きる浸水(内水氾濫によるもの)に対して出されます。街中など川から離れたところでも記録的な大雨によって浸水することがあるため、大雨の際、やむをえず外に出る場合は情報の確認とともに、いつでも安全確保できるようにしてください。

土砂災害に対する情報が新設。アウトドアでも気を付けて

山や崖の近くでは土砂災害のリスクがあります。土砂災害については表①の列③が出されます。レベル4の土砂災害危険警報までに山や崖の近くから離れてください。

また、情報の発表を待つだけでなく、小石が落ちてくる、腐った土のにおいがするなどの異変を感じたら自主的に安全なところへ移動していただきたいですが、こうした変化が現れる頃にはすでに災害が起こり始めていることも考えられます。土砂崩れなどは勢いがすさまじく、異変に気付いてから逃げるのでは間に合わないかもしれません。

特にキャンプなどで山へ出かける場合は慣れていない場所で過ごすことになります。雨が強まると予想される場合は早めの帰宅など予定の変更も視野に入れ、いざという時は早い段階から避難の判断をするようにしましょう。

アウトドアイベントも増える季節。急な天候悪化にも注意(画像=写真AC)。
アウトドアイベントも増える季節。急な天候悪化にも注意(画像=写真AC)。

台風などの接近時は高潮にも警戒を

これからの季節は海へのお出かけも増えるでしょう。勢力の強い台風や低気圧が近づくと高潮が発生するおそれがあります。高潮に関する情報は表①の列④が発表されます。

これまで高潮に関する情報は、気圧の低下による「吸い上げ効果」と強風による「吹き上げ効果」をもとに出されていましたが、これに加えて「高潮予報海岸」に指定された海岸では「波の打ち上げ高」も考慮されることになりました(※2026年6月15日時点では富山湾沿岸のみ)。

波の打ち上げ高とは、高潮によって波が海岸を駆け上がる高さのことです。高潮は、主に台風や発達した低気圧が近づく時に起こり、海水が一気に押し寄せて浸水させます。夜間や荒天の時は変化に気付きにくいこともあるため、情報に注意してください。

暗い時間帯は辺りの状況が分かりにくいかも(画像=写真AC)。
暗い時間帯は辺りの状況が分かりにくいかも(画像=写真AC)。

どの場面においても大切なのは、レベル5(黒)はすでに災害が起きている段階だということです。レベル4(紫)までに避難することを忘れないようにしてください。お出かけや散歩を安全に楽しむための備えも今一度確認してみてください。

文=片山美紀 TOP画像=写真AC

参考:

“新たな防災気象情報について(令和8年~)”.気象庁.https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/keiho-update2026/index.html,(2026年6月15日参照).