儂が居るのは上野が『東京国立博物館』!!
此度はこの地で行われておる、
前田育徳会創立百周年記念 特別展
「百万石!加賀前田家」へ参ったぞ!!
前田家伝来の文化財を保存し、後世へと伝えていくために設立された前田育徳会。
その100周年を記念しての催しである!
数多くの国宝、重要文化財を含む総展示数はなんと約240点!!
これ程までに大規模な前田家の展示が、東京で開かれるのは60年ぶりのことである。
まさに千載一遇の好機である。
いざ中へ
此度儂は内覧会に参じ、特別に展示されておる品々とも写真を撮ることが叶った。
皆が訪れる折には写してはならぬ物も多いであろうから、確と気をつけるが良い。
まず出迎えてくれるのは我が甲冑『金小札白糸素懸威胴丸具足』じゃ!
儂といえばこの甲冑を思い浮かべるものもおるのではないか?
そして、まつ手製の陣羽織、
我が旗印もあったわな!
我が前田家重臣、奥村永富に下賜した櫃まであってな!
これは何とも懐かしい物であったわ。
高岡城にて見た利長の兜の本物も飾られておって、これもまた何かうれしき心持ちであった。
この辺りまでは儂が400年前に見ておったもの故に懐かしく眺めておったのじゃが、
ここからは儂にとっても知らぬ物たちじゃ。
儂の品を越えてまず見えるのは、
歴代藩主の甲冑と陣羽織じゃ!!
勢揃いで並ぶ姿は誠に圧巻であった。
ここを越えると前田家が集めた書がまとめられておる。
万葉集や古今和歌集、土佐日記や源氏物語と現世でも皆が知っておる作品が数多展示され、国宝、重要文化財に指定されておるものが実に多いのもこの辺りの特徴じゃな。
続いて見えるは前田家が誇る刀剣たち。
ここが目玉じゃと申す者も少なくないのではないか?
中でも一番の人気は、
この三池光世作の茶皺韋包糸巻太刀、
世にいう『国宝・大典太光世』である!!
名古屋城にておもてなしをしておる折にも、何やら大典太が好きだと申す者たちに幾度も出会(でくわ)したことがあるわな、
この刀に加え、左右に展示されておる『小鍛冶眉尖刀』、『小鍛冶脇差』は前田家を護(まも)る御重器として大切にされてきたのじゃ。
他にも名物『富田江』、『太郎作正宗』、『前田藤四郎』等々、人気の刀剣が数多く飾られておるぞ!
儂が振るった刀、『朱漆雲龍蒔絵大小』も見逃すなかれじゃ!(入って目の前にあるから見逃すことはないじゃろうがな、)
刀を越えれば土産屋を挟み
茶器や書の巻である!!
公方様や信長様がお持ちになり、紆余曲折を経て秀吉から下賜された『唐物茄子茶入』、
これは儂にも関わり深いものじゃ。
この辺りには書や絵、工芸など数多のものが並んでおる。
名古屋城築城にて活躍した小堀遠州殿から前田家に当てられた文もあったぞ!
儂よりものちの時代の前田家を知れる良き展示ばかりであったのじゃが、
ちとはじめの方をじっくり見すぎてのう、
この辺りで時間切れとあいなったじゃ、
この内覧会では一刻、2時間も見物の時間を設けてくれたでな、
如何に見どころが多いかがわかるであろう!!
ちなみに後半には近代の前田家の展示があってな、
その中にはなんと、フランソワ・ポンポン殿作のシロクマがおったのじゃ、
このシロクマ、会うのは二度目である。
5年ほど前に名古屋市美術館にて行われし『フランソワ・ポンポン展』に我らも出陣しておってな、
その時以来の邂逅であったからこれもまた良き思い出じゃな。
此度の戦国がたりはいかがであったか!!
紹介して参った通り甲冑や刀、宝物そして白熊と実に豪華な品々が並べられておるわな、
じゃがその中で、儂が皆に見てしいものがある。
それがこの書状である。
これは信長様からの文でな、儂が能登を賜った時のものじゃ。
尾張の小さな勢力・荒子前田家の四男として生まれた儂がついに一国の主となった、
長い我が生涯の中でも随一の思い入れ深い出来事である。
この書が現世に残っておると知り誠にうれしく思うたわ!
数多の展示がある中で、最も長く足を止めたのはこの書の前であったやもしれん。
加賀百万石も能登を賜ったことから始まっておるでな、全ての始まりの書ともいえよう!
周りの豪奢な展示に目を奪われると思うが、この書も確と見てほしいのう。
して、此度の催しを堪能して驚いたことが一つ。
展示物がどれも実に美しいものばかりであったのじゃ。
現世風の言の葉で申せば、極めて状態が良かった。
儂は現世にて100名城を制覇し、あわせて日本中の博物館や展示館を巡りて数え切れぬほど多くの文化財を見て参ったのじゃが、
その中でも屈指の状態の良さ、修繕の緻密さに誠に驚いたわな。
前田家が持つ宝物の中には何百年、ものによっては1000年ほど前から残るものもある中で、ここまできれいに保ち続けた前田家と前田育徳会殿の努力に誠感服致したわな。
文化財は此度のような展示会をすると光や湿気にさらされ、傷みやすくなる。
にも関わらず斯様な大規模な展示会を行った気概と心意気は我が家のことながら天晴れであった!!
皆々も一度は足を運ぶべき素晴らしき催しであったわ!
儂もまだまだ見足りぬでな、
必ずもう一度、否、二度も三度も足を運ぶ所存である。
全体を通して自画自賛ならぬ自家自賛の戦国がたりとなったが、楽しめたかのう。
この書を読みて行ってみようと思うてくれたものがおったらば実にうれしく思う。
儂は普段は名古屋城におるからのう、この催しの感想を言いに登城するのもまた一興であろう!!
それではまた会おう。
さらばじゃ!!
展覧会名:前田育徳会創立百周年記念 特別展「百万石!加賀前田家」
会期:2026年4月14日(火)~6月7日(日)
会場:東京国立博物館 平成館
※会期中、一部作品の展示替えを行います。
文・写真=前田利家(名古屋おもてなし武将隊)







