今回歩いたコースはこちら!

[東海道・中山道 草津宿→大津宿]
今回歩いた距離・所要時間●約14km・約5時間40分(休憩などは含まない)
出発駅へのアクセス●JR東海道本線草津駅下車

外歩きが気持ちのいいシーズン。いざ、街道歩きを始めようと思っても、どんな服装で行けばいい? どんな持ち物が必要? ちょっとした疑問は多い。快適に歩くための準備やコツ、街道用語を知れば、もっと楽しい街道歩きに。

2つの街道が交わる巨大なターミナル「草津宿」

中山道と東海道が合流・分岐する。草津宿の北側に、明かりを灯せる火袋付きの道標が立つ。
中山道と東海道が合流・分岐する。草津宿の北側に、明かりを灯せる火袋付きの道標が立つ。

東海道と中山道が重なる草津宿から大津宿を歩く際は、名物餅の食べ比べがおもしろい。草津宿は東海道本線草津駅から徒歩10分ほど。『国指定史跡 草津宿本陣』や追分道標など、宿場の面影が残る。

草津宿の名物餅といえば「うばがもち」だ。その歴史は戦国時代までさかのぼり、滅亡した大名家の子を託された乳母が、草津宿で餅を売り、子を育てたのが始まりという。口溶けのよいこしあんでひと口サイズの餅を包んであり、ほどよい甘さからいくらでも食べられそうだ。

『国指定史跡 草津宿本陣』全国に現存する本陣のなかで最大級の規模

当主は材木商も営み「木屋本陣」と呼ばれた。
当主は材木商も営み「木屋本陣」と呼ばれた。
座敷部の最奥にあり主客が休泊した上段の間。
座敷部の最奥にあり主客が休泊した上段の間。
主客専用の湯殿。
主客専用の湯殿。

草津宿にあった本陣2軒のうちの1軒。建物面積は1706㎡、部屋数39室と全国屈指の規模を誇る。大福帳(宿帳)には忠臣蔵の浅野内匠頭(たくみのかみ)、14代将軍の徳川家茂に輿入れした皇女和宮、新選組の土方(ひじかた)歳三などの名前もある。

☎︎077-561-6636
9:00~17:00(16:30最終入館)
月(祝の場合は翌日)・祝の翌日(土・日の場合は開館)休
240円
滋賀県草津市草津1-2-8
JR東海道本線草津駅から徒歩10分

『うばがもちや本店』子どもを思う乳母の愛情が生んだ銘菓

大名も庶民も文化人も旅の楽しみだった。うばがもち6個400円~。白あんと山芋の練り切りをのせた乳房のような形がかわいい。
大名も庶民も文化人も旅の楽しみだった。うばがもち6個400円~。白あんと山芋の練り切りをのせた乳房のような形がかわいい。
国道大路交差点の一角に立つ。
国道大路交差点の一角に立つ。

徳川家康、与謝蕪村なども味わい、近松門左衛門の浄瑠璃や歌川広重・葛飾北斎の浮世絵にも描かれた草津宿の名物。化学肥料・農薬を使わない滋賀羽二重もち米や厳選した北海道産小豆など、原料へのこだわりも強い。

☎︎077-566-2580
9:00~19:00(土・日・祝は8:30~)
無休
滋賀県草津市大路2-13-19
JR東海道本線草津駅から徒歩10分

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宿場町と港町の顔をあわせもつ一大拠点「大津宿」

“いそがばまわれ”の語源となった瀬田の唐橋。中島を介して大橋と小橋が架けられ、欄干に擬宝珠(ぎぼし)の飾りが施されている。夕景の美しさは近江八景の一つに。
“いそがばまわれ”の語源となった瀬田の唐橋。中島を介して大橋と小橋が架けられ、欄干に擬宝珠(ぎぼし)の飾りが施されている。夕景の美しさは近江八景の一つに。
重い荷物を積んだ牛車が行き来した。東海道の大津~京都間には荷物を運搬する牛車用の車石が敷かれていた。『大津市歴史博物館』では、轍(わだち)が刻まれた車石が見学できる。
重い荷物を積んだ牛車が行き来した。東海道の大津~京都間には荷物を運搬する牛車用の車石が敷かれていた。『大津市歴史博物館』では、轍(わだち)が刻まれた車石が見学できる。

琵琶湖南岸を回り大津宿へ。かつて宿場のはずれには水量豊かな走り井(井戸)があり、旅人をもてなす茶屋があった。

茶屋の名物は走り井の名水を使った「走り井餅」で、歌川広重の浮世絵に描かれるほどの人気だった。明治時代初期に茶屋は閉店したが、伝統の製法はいまも受け継がれている。スッと噛み切れる餅のやわらかさがクセになる。

『走り井餅本家』道中安全などの縁起担ぎにも好まれた

江戸時代から愛される走り井餅。1998年の第23回全国菓子大博覧会では名誉総裁賞を受賞。
江戸時代から愛される走り井餅。1998年の第23回全国菓子大博覧会では名誉総裁賞を受賞。
3種類そろう15個入りはお土産にも! 走り井餅15個入り1782円。スタンダードの白餅のほか、ほろ苦い抹茶味、風味豊かなきな粉味などもある。
3種類そろう15個入りはお土産にも! 走り井餅15個入り1782円。スタンダードの白餅のほか、ほろ苦い抹茶味、風味豊かなきな粉味などもある。

明和元年(1764)から続く名物餅。独特な形はほとばしる水滴を表現したといわれる。刀の先端にも似ていることから道中の剣難を免れると縁起担ぎで味わう旅人も多かった。餅の中にはこしあんが詰めてある。

☎︎077-528-2121
9:00~17:00
無休
滋賀県大津市横木1-3-3
京阪京津線追分駅から徒歩10分

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文=内田 晃
『旅の手帖』2026年5月号より

諏訪大社下社の春宮と秋宮を中心に広がる下諏訪宿はぶらっと歩いて回れる規模感が日帰り旅にぴったり。江戸時代の旅籠(はたご)風情が残る、町じゅうに点在する温泉も楽しい!
老舗が守り抜く“不変の美”と現代的な感性が生み出す“新たな価値”。伝統と革新が静かに響き合う、奈良井宿の過去と未来の物語をひもといていく。
——木曽路はすべて山の中(島崎藤村『夜明け前』より)山峡の道を踏みしめて歩けば、かつての旅の景色が立ち上がる。見どころ多い二つの宿場町を結ぶ、木曽路の街道歩きへ。
中山道の醒井宿は日本橋から数えて61番目の宿場だ。本陣や旅籠などが中山道と地蔵川を挟んで並んでいた。地蔵川近くには湧水もあり、その清流は梅花藻(ばいかも)の群生地としても知られる。