【上野桜木・上野公園の切絵図】
東都下谷絵図
切絵図で多くを占めるのが上野のお山で、その中心にあるのが天海大僧正によって建立された「東叡山寛永寺」だ。
徳川家の霊廟であるとともに、江戸城の鬼門を守護し、境内には五重塔や大仏殿なども建立されていた。寛永寺を取り囲むように並ぶ子院は、大名によって寄進されたもので、三十六坊を数える。
寛永寺の左下にビッシリと書き込まれた名前は、将軍家の警護にあたる御徒組(おかちぐみ)の組頭でもある旗本の屋敷。また、この辺りは江戸城から離れているが、大名の上屋敷が多くある。これは関ヶ原の戦い後に徳川家に臣従した外様大名の上屋敷だ。
「不忍池」はいつしかハスの名所となったため、多くの浮世絵に描かれている。
※掲載の古地図は、江戸の町を32区画に分割して作った切絵図を使用。すべて、麹町にあった金鱗堂が出版したもので、屋号である尾張屋清七から「尾張屋板(版)」と呼ばれる。鮮やかな多色刷りが特徴。
※切絵図内の白色の部分は【大名屋敷などの武家地・御用地】、赤色は【神社仏閣】、灰色は【町屋】、黄色は【道】、青色は【海・川・池】、緑色は【山林・土手・馬場・田畑など】を示している。
【散歩コース】
スタート:鶯谷駅はJR山手線で上野駅から3分150円。
JR山手線鶯谷駅→(8分/0.5km)→徳川綱吉霊廟勅額門→(1分/0.1km)→寛永寺→(5分/0.3km)→淨名院→(13分/0.9km)→寛永寺旧本坊表門→(12分/0.8km)→旧寛永寺五重塔→(2分/0.2km)→上野東照宮→(6分/0.4km)→彰義隊墓碑→(1分/0.1km)→清水観音堂→(2分/0.2km)→不忍池辯天堂→(7分/0.5km)→JR・地下鉄・私鉄上野駅
ゴール:上野駅からJR山手線で東京駅まで8分・170円、池袋駅まで17分・180円。京成本線、地下鉄銀座線・日比谷線の利用もできる。
今回のコース◆約4.0km/約1時間/約5400歩
貴重な勅額門は国の重要文化財「徳川綱吉霊廟勅額門」
「生類憐れみの令」を施行した徳川5代将軍綱吉の霊廟。明治維新後に解体されたり、第二次世界大戦で焼失したが、勅額門が残っている。四脚門、切妻造で銅瓦を葺いていて、きらびやかな装飾と鮮やかな朱色が印象的だ。
「徳川綱吉霊廟勅額門」詳細
将軍家が帰依した天海大僧正が開基「寛永寺」
寛永2年(1625)に、江戸幕府の安泰と万民の平安を祈願するため、江戸城鬼門に創建。後に徳川将軍家の菩提寺になる。戊辰戦争の上野戦争で多くの堂宇を失った。明治時代になると敷地の大部分が公園として整備された。
「寛永寺」詳細
境内には約3万体の地蔵尊像が「淨名院」
上野寛永寺36坊の一つで、徳川4代将軍家綱の母・宝樹院の菩提所として創建。「へちま寺」ともいわれ、せきやぜんそくなどに御利益があるという。
「淨名院」詳細
戦争の跡が残る国の重要文化財「寛永寺旧本坊表門」
輪王殿の正門は、かつて寛永寺本坊の表門だった。彰義隊と新政府軍が戦った上野戦争で猛威を振るった大砲や銃の弾痕跡が残っている。
「寛永寺旧本坊表門」詳細
約400年上野を見守る五重塔「旧寛永寺五重塔」
老中を務めた土井利勝の寄進で寛永8年(1631)に建立。花見客による失火で焼失したが、再び利勝によって五重塔が建てられた。江戸時代には釈迦や薬師など、四方四仏が祀られていたという。上野動物園内にあるため、近くで見るためには入園料が必要。
「旧寛永寺五重塔」詳細
金色に光り輝く社殿が印象的「上野東照宮」
徳川家康を祭神として祀る。寛永4年(1627)に築城技術に長けた藤堂高虎が造営。徳川3代将軍家光の命により、唐門や拝殿などを造営した。冬と春にはぼたん苑が開苑。
「上野東照宮」詳細
上野戦争の激戦地に立つ墓碑「彰義隊墓碑」
彰義隊は、鳥羽・伏見の戦いで敗れた徳川15代将軍慶喜を守るために結成された。最新の大砲や銃を備えた新政府軍と戦った上野戦争はわずか1日で壊滅。上野戦争の激戦地にある碑は、明治14年(1881)に建てられた。
「彰義隊墓碑」詳細
本堂は京都と同じ舞台造り「清水観音堂」
寛永寺を建立した天海大僧正によって京都の清水寺を模して建立。現在地には元禄7年(1694)に移築された。上野山に現存する最古の建築物だ。
「清水観音堂」詳細
不忍池に浮かぶ八角形の辯天堂「不忍池辯天堂」
天然の池である不忍池を琵琶湖、小さな島を竹生島(ちくぶじま)に見立てて堂を建立。御本尊の辯才天は音楽と芸能のほか、金運の御利益があるといい、巳の日に授与される巳成金(みなるかね)お守り(小判・福財布)を求める人でにぎわう。
「不忍池辯天堂」詳細
【老舗のグルメや技を堪能!】
名物のウナギは約300年愛される『鰻割烹 伊豆榮』
徳川8代将軍吉宗の時代に創業した老舗。三河一色産のウナギを備長炭でじっくりと焼いて、ふっくらと柔らかに仕上げる。醤油とみりんで作るタレが相性抜群。うな重松3960円~。
『鰻割烹 伊豆榮』店舗詳細
使い込むほどに味が出るつげ櫛『十三やくし店』
15代・約280年続くつげ櫛専門店。国内最高級のつげを使用し、一つひとつ丁寧に手作りにこだわる。髪の通りがよく、地肌への当たりが柔らかく、艶のある髪に仕上げてくれるという。
『十三やくし店』店舗詳細
取材・⽂・撮影=アド・グリーン
『古地図であるく 大江戸散歩地図』より








