田園地帯にポツリと灯る、南欧を思わせるカフェ
北柏駅から徒歩15分、畑に囲まれた静かな一角に『Cafe Mana Merry』がある。
地図アプリを見ながら歩いてくるとどんどん人けがなくなり、道に迷ってしまったのではないかと不安になってくる。しかし、田園風景に突然現れるピンクの建物を見て、ほっとした。
『Cafe Mana Merry』は、2016年1月にオープンした。店主は、この場所を通るたび近所の人たちがずっと立ち話をしているのを見て「ここに、ちょっと座ってお茶ができる場所があったらいいな」と思っていたという。
そんなささやかな思いを実現したのが、このカフェだった。
「以前から自宅で楽しんでいたパンやお菓子を焼き、無理のない形でお店を開いてみたいと思っていたんです。私ひとりでやるし、自己満足のようなものでいい。最初は屋台のような小さな店でよかったんです」
ところが、その思いを応援してくれるスタッフたちが集まり、屋台ではなく一軒家の店舗として運営することになった。
目立つ立地ではなく、「こんなところに店が?」と言われ続けてきた。それでも、お客さんの声をきっかけにのぼりや看板を少しずつ増やし、気づけば知る人ぞ知るカフェとして定着していった。
相席をしないため、混み合う日は「外でお待ちいただくこともあります」と店主。店内は最大で20名、貸切の予約も可能だ。
野菜たっぷりで手作りならではの温かみ。平日でも売り切れる数量限定のランチプレート
メニューはランチとシフォンケーキなどのカフェメニュー。数量限定のメリーのランチプレート1730円は、基本的に1日5食だ。
売り切れると店に入らず帰ってしまう人もいるほど、このランチを目当てに訪れる人が多い。ただし、前日までの予約をすれば用意できるというのでご安心を。
ちなみに取材当日も売り切れで、残念ながら食べることができなかった。
そのほか、食事メニューはオムライス、ふわとろオムハヤシ、カレードリア、テリヤキチキン、ハンバーグ。
総菜やケーキにいたるまで、ほとんどが自家製。見た目はやさしいが、量はしっかり。「思った以上にボリュームがある」と驚かれることも多いという。
「できる限り手作りで、野菜がちゃんと食べられること」
それがランチづくりの軸だ。
景観の美しさだけでなく手作りの温かさがあるメニューも魅力。静かな住宅地まで、わざわざ来たくなる理由があった。
シフォン仕立てのふわふわパンケーキと、ひとり時間の贅沢
スイーツメニューは、メリーのパンケーキを筆頭に、日替わりのケーキ、チョコバナナパフェなども用意。
せっかくなので店名を冠した、メリーのパンケーキを注文。ドリンクセット1380円をいただいてみることにした。
まずはパンケーキだけでひと口。
シフォンケーキのようにふわふわできめ細かく、しっとりとしている。
皿をふち取るように盛られた季節のフルーツは、彩りだけでなくて素材の甘みが生きたやさしい味わい。ブルーベリーソースやクリームもたっぷり盛り付けられているから、デコレーションケーキを丸ごと食べているかのような背徳感……いや、優越感だ!
「パンケーキをおいしそうな黄色にするのが、オムライスにも使っている地元産の黄身が濃い卵なんです。コクもあってこのパンケーキには欠かせません」
コーヒーは豆から挽き、すべてハンドドリップ。
「自分で飲んでおいしくないものは出さない」。その基準で豆を選び、必要に応じてブレンドも行う。
1人でゆったり過ごせるカフェだが、スマホを見ているのはもったいない気がする。
コーヒーをひとくち飲んだとき、冬枯れの畑の奥に電車が走っていくのが見えた。春、夏、秋。窓の外の畑や季節の景色を眺めて過ごす時間は、まさに“何もしない贅沢”だ。
静かに過ごしたい人が、そっと足を運ぶ場所。
『Cafe Mana Merry』は、今日も変わらず、誰かの居場所であり続けている。







