大塚モチーフのアパレルが爆誕『65 OTSUKA STAND』
大塚愛にあふれるオリジナルブランドや個性的な古着が揃うアパレルショップ。セレクトはトレンドも、ブランドもこだわらず独自路線で柄物多め。「ここにしかないものを探しに来てほしい」と店主の森泰輔さん。レトロでポップなロゴのオリジナルのロゴフーディーは、かつて大塚にあったバッティングセンター「ひょうたん島」を彷彿(ほうふつ)とさせる。
13:00〜19:00(土・日・祝は12:00~18:00)、月・火休。
昼も夜も通いたい沖縄ダイニングバー『CrazyTaco&BARπ』
昼はタコライスランチが人気の『CrazyTaco』、夜はタコスや沖縄料理で飲める『BARπ』として営業。どちらのタコミートも粗挽き肉の食感とうまみがしっかり感じられ、スパイシーな自家製サルサソースと相性抜群。大満足のボリューム感だ。お酒はクラフトビールや泡盛のほか、ハブ酒がなんと8種類。飲みやすい銘柄からチャレンジしてみては?
11:30〜13:30・17:00〜23:00、日と土・祝の昼休。
毎朝手作りのフレッシュジェラート『nao gelato』
「ジェラートが大好き! 食べると幸せになるから」と、管理栄養士の田中さんがみんなに幸せをシェアすべく、2025年8月にオープンしたジェラート専門店。親子連れに女子高生からシニアまで、ひっきりなしに訪れる。ジェラートは常時7~9種類。定番のミルクのほか、クリやカボチャ、サツマイモなど季節のフレーバーも続々登場。
12:00〜19:00(金・土は〜21:00、日・祝は〜17:00)、水休。
岩手の魅力を発信するロースタリーカフェ『NORTH COFFEE TOKYO』
いわてグルージャ盛岡に所属していた元Jリーガーの佐々木祐太さんが営むカフェ。コーヒーは自家焙煎の豆を、南部鉄瓶で沸かしたお湯でハンドドリップし、ランチのデザートには「岩泉ヨーグルト」。岩手の魅力がいっぱい。一流ホテルのシェフ監修の料理とパティシエが作るスイーツも好評。
10:00〜18:00(月は〜15:00、土・日は8:00〜)、無休。
火〜日の17:00~は『肉バルN ドセo.12』として営業。
☎070-3345-3134
創作意欲あふれるぜいたくな一杯『LOKAHi』
和食の板前として20年以上研さんを積んだ店主・澤田俊治さんが手掛ける特製はまぐり中華そばは、鶏と煮干しをベースに、ハマグリの出汁を加えたスープが奥深い味わい。低温調理の豚バラと鴨ロース、柔らかく煮込んだ豚軟骨、昆布締めした鶏胸肉に加え、朝採れ濃厚卵の味玉、そして大きなハマグリとトッピングまでぜいたくな一杯。
11:00〜14:30LO・17:00〜21:30LO、水休。
☎03-6903-4965
こっそり通いたい角地の小さな酒場『酒場Low』
かつて花街として栄えた大塚三業通りの三差路に、ぽっとともる酒場の明かり。「Lowとはスラングでひそかなという意味」とオーナーの渡邉さん。お酒のセレクトが絶妙で、「酒屋八兵衛」や「KINO2/帰農2」など珍しい日本酒も。「実家がある三重の元坂酒造で働く友人から取り寄せました」と共同オーナーの江田さん。さりげない接客も心地よく、隠れ家的に使いたい。
18:00〜翌0:30LO、月休。
☎070-2002-8280
再開発の計画が気になる駅南口
「池袋と巣鴨に挟まれて、大塚は影が薄い」と、会う人会う人自虐的。でも、みんな大塚が好き。声高に地元愛を叫んだりはせず「いいところだよ」と控えめに愛を語る。
「ほどよくにぎやかでほどよく静か。下町だけどおせっかいすぎない。ちょうどいい街」という、アパレルショップ『65OTSUKA STAND』の森さんも大塚っ子。店名の意味を尋ねると「北口の飲み屋で、流しの占い師にいい数字だって言われて」。
とりとめのない会話が続き、つい長居。申し訳ない!「いえ、こうやってふらっと来て、立ち止まれる場所って、街には必要だと思うんです」。お店の前は、昭和にタイムスリップしたかのようなレトロな路地。フォトスポットとして、若い女子たちに密かな人気なのだとか。でも、この街並みもいつまで残るのか。周辺では、再開発の計画が進んでいる。
さて、街の総鎮守にもごあいさつをと天祖神社へ。樹齢600年以上の夫婦(めおと)イチョウはまだ緑。行き交う人々が鳥居の前で足を止めて一礼していく。ここは大塚っ子たちの心の拠(よ)り所だ。
ランチは、『CrazyTaco』でタコライス。やちむんで出てくるのもいいよね。来春からは島バナナスムージーがメニューに加わる予定。夜は泡盛で割るという。「交流のある近隣のお店でも同時に販売するつもりです。島バナナは沖縄のB型事業所で加工されたものですが、うちだけでは消費できないから」と、ヒロさん。地域のお店とシェアして地元を応援。いいよね、こういうの。
景色が一変した駅北口。カラフルなネオンの誘惑
駅の自由通路をスイーッと通り抜けて北口側へ。かつては線路で分断され、南北の行き来は迂回(うかい)しなければならなかったらしい。なるほど、南北で街の雰囲気がどことなく違って感じるのはそのためか。北口は再開発も先行している。そのシンボルが、「ironowa hiro ba」のモニュメント。ひと休みしたり、おしゃべりしたり、憩いの場になっている。
北大塚商店街をぶらぶらしていると、かわいいジェラート屋さんを発見。大塚はスイーツの店が少ないから、こういうお店ができたのはうれしい。
日も傾き、ちょっと一杯やりたい気分。そば前ならぬ、ラーメン前が楽しめる『LOKAHi』へ。ハワイアンな店内で、マグロと鴨肉で日本酒をやって、シメははまぐり中華そば! あっさり上品なスープで、最後の一滴まで完飲。
ほろ酔いで、おなかもいっぱい大満足。駅前に戻るとノスタルジックな「東京大塚のれん街」のネオン、その前をゴトゴト走る路面電車に「ironowahiro ba」もカラフルに光ってサイバーチック! 夜になると、北口側の変化がさらによく分かる。異世界感も、なんかいい。もっと迷い込みたい気持ちが高まっていく。街も人も、ウェルカムな雰囲気で、ワクワクするお店も増えていたな。影が薄いなんて昔の話。まだまだ、進化も続きそう。大塚は、わざわざ来たくなる街になっていた。
取材・文=瀬戸口ゆうこ 撮影=泉田真人
『散歩の達人』2025年11月号より





