コーヒーとアートが彩る「不思議な空間」
誰かに伝えたい、でも誰にも教えず、ひとりでこっそり訪れたい。そんな宝物にしたくなるような店。「いつの間にかアートとコーヒーの融合がコンセプトになってしまいました。オープン当初は入るまでが『あやしい店』、入ったら『夢だったかのよう』といわれるのが、大変面白くて、好きだった」と店主。こだわりは「不思議な空間、素敵な時間」だという。
隠れ家のような店内に店主の作品が並ぶ
2014年5月オープン。店主は、母の実家が老舗のコーヒー店だったこともあり、子供の頃からコーヒーに親しんできた。店を構えたレトロなマンションの一角は赤羽の街を歩いて探し、見つけた場所だった。小さな看板が目印の隠れ家のような入り口で、その扉を開けると絵画やオブジェなど、アートが彩る11席の小宇宙が広がっている。磨りガラスから漏れる陽の光や、観葉植物のシルエットも美しい。実は、店内の絵画やオブジェは店主の作品。ぜひ欲しいという客が現れて、販売したこともあったそう。
食べた人をとりこにする豆電プリン
店名の由来は「豆電球」と「コーヒー豆」から。店名を冠した豆電プリンは、濃厚で甘さ控え目。山盛りのクリームと、ほろ苦いカラメルソースのバランスも絶妙だ。食べ終わるのが惜しくなりそうなおいしさ。味もさることながらフォルムも麗しく、このプリン目当てに遠方から訪れる人もいるという。
コクを感じるコーヒーはスイーツとピッタリ
コーヒーのドリップ法はペーパーやネルなど、その時の気分で選んでいる。コーヒーに合う食べ物は何かと考えながら作っているというスイーツは、バナナケーキ450円もあり、ぜひ食べてみたい。ワンドリンク制なのでご注意を。
取材・文・撮影=新井鏡子