名水の里サイクリング

尚仁沢の湧水をボトルに満たして

市町境に近い豊月平放牧場。遠くで牛の群れが草をはむ。

高原山麓といえば自転車乗りには矢板の八方ヶ原ヒルクライムレースが有名。隣の塩谷では県道63 号線を反時計回りに走るモデルコースを設定。上級者向けとあるが自転車が趣味なら普通レベル。後半は幹線道路なので、ピーク付近の豊月平放牧場で折り返し、県民の森経由で八方ヶ原に足を延ばすのもいい。

●周回モデルコース約50km・高低差約600 m。

松井酒造店

超軟水の特性を生かした上品で繊細な酒

左から松の寿純米吟醸1540円、同大吟醸3080円、男の友情1210円。

慶応元年(1865)の創業より5代にわたり伝統的な手法で酒を造る。仕込水には裏の杉林から湧き出る良質な天然水を使用。全国でも稀まれな超軟水のため、きれいで熟成速度がゆるやかな酒に。当地出身の作曲家、船村徹(1932~ 2017)の作品にちなんだ「男の友情」をみやげに。

住所:栃木県塩谷郡塩谷町船生3683/営業時間:10:00~17:00/定休日:日・祝(在宅時は営業)

塩谷マメ知識

ゲンジボタル

塩谷町総合公園のテニスコート前の沢で50~70匹の乱舞が観られる。

20年ほど前に町の公園でホタルを数匹見かけたことから会を結成。保存活動を続け、多くのホタルが群れ飛ぶまでになった。活動開始から温暖化で1 カ月ほど早まり6月20日までの2週間が旬。急げば観られるかも。会員は県内180名(うち町内30名)、県外100名がおり随時受け付け中。

●栃木県塩谷郡塩谷町飯岡1160 ☎ 090-3046-6425(「塩谷の源氏蛍を守る会」代表 齋藤民雄)

東武矢板線跡

木材や鉱石を積んで走ったのどかな「ポッポ汽車」

廃止された1959年6月30日に船生駅付近で撮影。(写真提供=斎藤順)
ホームが残された芦場駅跡は、数少ない鉄道遺構の一つ。
天頂駅至近にあった鉱山の通洞坑。付近は鉱山関係者でにぎやかだった。

東武新高徳駅とJR矢板駅を結んでいた23.5km の鉄道路線。沿線で産出された木材や鉱物の運搬のため大正13年(1924)に開通。日光北街道に寄り添う軌道跡の大部分は道路になり、入り口を塞いだトンネルが2つ残る。町西北部で切り出された木材は長峰荷扱所まで林用手押軌道で運ばれた。大滝西方の山中に今もレールの残骸が眠っている。

●栃木県塩谷郡塩谷町芦場(よしば)ほか

名水の里ウォーキング

自然と歴史に触れて歩く「奥の細道」プロローグ

「奥の細道」途上の松尾芭蕉が日光北街道玉生宿で一夜を過ごした記念碑。
大宮、玉生、船生3村の道路元標はすぐ見つかる。
水車や水路もありのんびりした田舎町の風情が楽しめる大宮の集落。

北関東三大100km ウォークの一つ「しおや100 キロウォーク」など、例年イベントが盛んな塩谷はウォーキングが楽しい町。町内にはいくつものコースが設定されているので、マップをもらって静かな旧市街をのんびり歩きたい。町を東西に貫く日光北街道もオススメ。日光から奥州街道に向かう松尾芭蕉が歩いた、江戸時代の旧道を探し訪ねるのも一興だ。

中世の城跡めぐり

市街を望む城山と古墳と同居する山城

伯耆根(ほうきね)神社が鎮座する玉生要害山。土塁も城の遺構か。
日々輝学園高校(大宮2475-1)のグラウンド奥、古墳群の横にある。

分かりやすい2城を紹介。玉たま生にゅう要害山(玉生城跡)は宇都宮氏の流れをくむ塩谷忠景が玉生氏を名乗り建長6 年(1254)築城。支城になるまで150 年あまり玉生氏7代の居城となった。もう一つは千葉一族の大須賀氏を祖とする大宮氏の大宮城跡。ともに慶長2 年(1597)の宇都宮氏改易により廃城。

●見学自由(大宮城跡は学校に声かけを)。栃木県塩谷郡塩谷町玉生1745

星ふる学校くまの木

のびのび自然と遊び、日が落ちたら星空を見上げる

アユなど塩谷の食材でバーベキューも。アユはつかみどり体験可。
二宮金次郎像とオリオン座。星空のプログラムはぜひ体験したい。
昭和10年(1935)築と1955年築の木造校舎2棟と、広々とした校庭。

歴史ある旧熊ノ木小学校の廃校舎が、そのまま宿泊型の体験学習施設に生まれ変わった。天文レクチャーや植物観察で、自然を感じたり里の暮らしや文化に触れられる多種多様な体験プログラムが用意されている。なかでもうどん打ち体験や天体ドームでの星空観察などが家族やグループに人気。校舎後方を流れる用水を渡り、通学路だった裏山の散策も楽しい。

住所:栃木県塩谷郡塩谷町熊ノ木802

親孝子(おやこうし)神社

親孝行でも養老でもない謎神社

田園にポツンと鎮座。鳥居の脇に二十三夜塔、庚申塔、石仏が並ぶ。

星宮神社と箒根神社が多数を占めるこのエリアで、一風変わった名前が気になった。江戸時代は「親孝子大権現」と呼ばれ、近くの山中に石碑が立つ。郷土史料に記載はなく、養老孝子伝説とも関係なさそうでモヤっとしたまま。10 年前に再建された社殿を守る狛犬は戦時に量産された靖国タイプ。台座に「武運長久」とある。

●境内自由。栃木県塩谷郡塩谷町玉生432

時代劇ロケ地

大河ドラマの完走を祈念して遠望

道路をはさんで左、フェンスで囲まれた河川敷の放牧場内がロケ地。

鬼怒川河川敷に広がる上沢放牧場では、2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』など、時代劇のロケがよく行われる。小林橋から西側をみると、正面に男体山などの日光連山を望む広々とした草地が確認できる。障害物が見えないアングルで眺めると、さながら戦国時代の美濃の合戦場のようだ。

●見学は東側に架かる小林橋から。栃木県塩谷郡塩谷町上沢前河原河川敷地内

取材・文・撮影=飯田則夫