ようこそ、モフモフ天国へ
「甘いものでも食べて疲れを取ろう……」とチョコバナナワッフル880円を頂いていると、元気な高い声を響かせたかわいいワンちゃんたちが次々と来店してきた。
ちょこんと首をかしげ、こちらを見つめながらおとなしく座っている愛らしさ。……抱きしめたい。
イチホテル浅草橋はワンちゃん同伴OKの宿泊施設。もちろんそこに併設された『EZO DELI』も、ドッグフレンドリーだ。
時期ごとに変わるフォトブースは、ホテル協力アーティストと企画・制作している。ここで「○○ちゃんいいね! かわいいかわいい!」なんてパパ・ママの声が響き渡るのは、いつもの風景。
スタッフに抱っこされてリラックスしているワンちゃんも珍しくない。ワンちゃんだけでなくパパ・ママ同士もすぐに打ち解けて、和気あいあいな時間が始まるのもまた面白いところだ。
大切な“家族”と、1秒でも長く過ごせるように
もともとは外国人観光客向けにオープンしたイチホテル浅草橋。しかし、2021年7月からワンちゃんの受け入れを始めた。「ワンちゃんも立派な家族」という思いから、ワンちゃんと家族が一緒に泊まれるホテルへ生まれ変わらせたという。
もちろん、「全てのホテルやカフェでワンちゃんを受け入れるべき」というスタンスではない。しかし、「ワンちゃんを遠慮なく連れてこられる場所があってもいいじゃないか」と、多様性を守ってきた。大切な家族と1秒でも長く、少しでも楽しく一緒に過ごせるよう、支えている空間なのだ。
ホテルとカフェのプロモーションを務める兵頭さんはこう話す。
「海外では、日本よりペット同伴OKのホテルが多いイメージです。だから外国人観光客の方々も、ワンちゃんのいるこのホテルを楽しんでいるようですね。中には、『ワンちゃんと戯れたいからこのホテルを選びました』と言ってくださるお客さんもいるんですよ」
そんな温かさがあるのは、このカフェも同じ。お散歩の通り道で「ちょっとコーヒーでも」と来店する常連のワンちゃん家族はたくさんいる。
そしてもちろん、モフモフにありつこうと訪れる筆者のようなワンちゃん不在客のことも、優しく迎え入れてくれる場所だ。
カフェ店長の小川さんは、もとから飲食業界を目指していたというワンちゃん好き。ワンちゃんOKなカフェのスタッフになれるという、願ってもないチャンスを掴めたのだとか。
他のスタッフも、生粋のワンちゃん好きが揃う。それが分かるから、来店したワンちゃんも安心してスタッフに抱っこしてもらえるのだ。
ご飯もモグモグ、一緒に食べよう
スタッフにかわいがってもらうワンちゃんを眺めながら食べたいのが、こちらのメニュー。
『EZO DELI』では、2024年2月からベーグルプレート(各種1150円~)を展開している。ベーグルは小麦と水が主原料ゆえにヘルシーと言われている一方で、歯応えは抜群でかなりの満足感がある。ヘルシー志向のお客さんや、ベーグルに慣れ親しんだ海外からの観光客にはうれしい一皿だ。
「おいしそうだけど、ワンちゃんのご飯は?」と思った人もいるだろう。
……もちろん、あります。
店内では、ワンちゃんのご飯が豊富に揃ったおやつマルシェ(各種1gあたり11円~)を展開。他にもワンちゃんが食べられるベーグル(各種350円~)や、ワンちゃん向けの飲み物・イヌチーノ280円もあるのだとか!
浅草橋がお散歩コースのワンちゃん家族は、『EZO DELI』へ気軽に立ち寄ってみよう。そして日々に疲れたモフモフ希望のあなたにも、素敵な出会いが待っているかもしれない。
取材・文・撮影=aki