三番町通りを見下ろすビルの一室で2021年に開局した「ラジオ川越」。埼玉県内にある13のコミュニティーFMのなかで10番目にできた若手局(2023年9月時点)だが、実は、計画されたのは2011年のこと。
「川越が舞台の2009年の朝ドラ『つばさ』にはラジオ局が出てくるのですが、それを観た当社の代表が『川越にもラジオは必要だ!』と思い立ったそうです。でも、コミュニティーFMの開局認可が一時停止され実現に至らず、数年前から有志の仲間と準備を再始動。開局に辿り着きました」と放送局長・間中伸也さん。
念願かなって生まれたラジオ局は、川越市ほか周辺7市町が放送区域。平日各4本、土曜1本の生放送を主軸として、番組はなんと80以上!(音楽のみの番組を除く) パーソナリティーが約30名もいるコミュニティーFMもなかなかない。やはりみな川越の人?
「『みずたま&ゆきのん JewelなWeekend』の二人は在住者ですが、川越に縁のない方も多いです。職業も多彩で、会社員に大学生、ジャーナリスト、高校生に元客室乗務員、演歌歌手もいます。おそば屋さんもいますね、トークが上手なんですよ」(間中さん。以下同)。
一方、“顔”が見えやすいのはリスナーもしかりで、顔写真付きでSNS投稿してくれる人、なぜか日々の農作業報告付きでリクエストしてくれる人も。「クレアパークで先日開いた2周年記念イベントではリスナーさんも集まって交流が生まれました。ネットやアプリでも聴けるから遠方のリスナーが多いのはうちの強み。アプリの登録者数は他局と比べて突出して多いんです。ただ、まだ街の人にはあまり知られてなくて……」
そんなラジオ川越の野望は?
「川越35万人のみなさんにラジオに出てもらいたい! 周知されて愛着も持ってくれるかなと。こちらも取材や催しで積極的に街に出るつもり。『川越まつり』も昨年(2022年)同様中継する予定です」
目指すは市民総出演!? 超身近な川越情報を電波に乗せ、ラジオ川越は今日も地域に寄り添う。
ラジオ川越
アプリ「Radimo」、radiokawagoe.comから聴取可能。見学不可。川越市脇田町17-1 JOY09ビルA館6F ☎049-298-3492
取材・文=下里康子 撮影=鈴木奈保子
『散歩の達人』2023年10月号より