フレンチを極めた一流シェフのいる隠れ家のようなカフェレストラン
本日ランチに伺うのは五反田駅から徒歩5分のところにある『ル カフェ パフューム』。本格的なコース料理をリーズナブルな価格で気軽に楽しめるカフェレストランだ。
桜田通りを新高輪駅方面へ。店はフランス国旗が立つビルの半地下にある。
『ラ カフェ パフューム』はミシュラン1つ星の名店・神楽坂ラトゥーエルの料理長を務めた成松真悟氏が独立し、オーナーシェフとして2013年4月に開店した。ビルの半地下にあって、まさに隠れ家のような店内は、落ち着いた心地よい空間が広がる。
「お店は南フランスをイメージしているんですよ」と教えてくれたのはマネージャーの斉藤祐美さん。「料理は香りが大切。厳選した食材の香りを重ね、その香りが1つになった瞬間をお客さまにも楽しんでいただきたいとの思いで店名を『パフューム』としたんです」。
「フランスによくあるレストランのように、当店もカフェとレストランが併設されています。隣にある『レストラン パフューム』は本格的なフレンチレストラン。カフェはフレンチの枠にとらわれず、カジュアルに料理を楽しんでいただけるお店となっています。まぐろ丼のような和食を出すこともあるんですよ」。
「お客さまは地元にお住まいの人や近隣の会社に勤めている人などの常連の方が中心で、週に2〜3回通う常連さんもいらっしゃいます。開店以来ずっと来ていただいているお客さまも多いんですよ」と斉藤さんは話す。
リーズナブルに本格コース料理を堪能できる絶品ランチをいただく
早速、本格コース料理をいただけるというお目当てのカジュアルセット1500円を注文。前菜とメインディッシュを選べるので、斉藤さんおすすめの豊洲産直本日の鮮魚のカルパッチョとTOKYOX豚の低温ローストをチョイス。
スープはブイヤベースをつかったミネストローネスープ。トマトとみじん切り野菜、ブイヤベースの魚介類の旨味が重なった深い味わいに感動する。
次に前菜・鮮魚のカルパッチョが出される。新鮮な魚とエシャロット、ビネガーの相性がよく、シェフの食材への強いこだわりを感じることができる一皿だ。
メインはTOKYO X豚の低温ロースト。TOKYO X豚とは東京で開発・飼育された豚のことで、上質の赤身と脂肪が程よく混ざった濃厚な味わいの肉質が特徴だ。低温でやわらか食感に焼き上げている。フォンドボーとマスタードのソースの香りと味わいがあわさり、TOKYOX豚の素材の魅力を存分に引き出している技ありの一品だ。
腕ききシェフが一品一品にしっかりと手間をかけた料理をいただけることに幸せな気持ちになる。ごちそうさまでした。
かわいい2羽のフクロウがお出迎え
店に入ったときに驚いたのが、2羽のフクロウのお出迎えだ。剥製かな、と思って見ていると、こちらを向いて首を傾げる。なんと本物のフクロウだ。聞いてみると「閉店になったフクロウカフェで行き場のなくなってしまったフクロウを引き取ったんです」と斉藤さん。この場所が居心地がいいようで、いつもお店の前で大人しくしているそう。
テラス席スペースには、フクロウだけでなく、トトロも。「隣で営業していた花屋さんに飾ってあり、店の前を通る子供たちのアイドルだったんですが、花屋さんが閉店することになり、子供達が悲しまないようにうちで引き取ったんです」とのこと。
2羽のフクロウやトトロを引き取ったエピソードを聞いて、シェフやお店のスタッフのやさしさを感じ、お店の居心地の良さの理由がわかったような気がした。
本格的なコース料理を気軽に楽しめて、フクロウにも会える『ル カフェ パフューム』。次回はディナータイムにワインを飲みながら絶品料理を楽しむと心に決め、お店を後にした。
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎