フレンチを極めた一流シェフのいる隠れ家のようなカフェレストラン

本日ランチに伺うのは五反田駅から徒歩5分のところにある『ル カフェ パフューム』。本格的なコース料理をリーズナブルな価格で気軽に楽しめるカフェレストランだ。

 

桜田通りを新高輪駅方面へ。店はフランス国旗が立つビルの半地下にある。

ビルの入り口の階段を上り、エレベーターに乗って1階のボタンを押す。外からは地下に見えるが、ここがこのビルの1階。
ビルの入り口の階段を上り、エレベーターに乗って1階のボタンを押す。外からは地下に見えるが、ここがこのビルの1階。

『ラ カフェ パフューム』はミシュラン1つ星の名店・神楽坂ラトゥーエルの料理長を務めた成松真悟氏が独立し、オーナーシェフとして2013年4月に開店した。ビルの半地下にあって、まさに隠れ家のような店内は、落ち着いた心地よい空間が広がる。

「お店は南フランスをイメージしているんですよ」と教えてくれたのはマネージャーの斉藤祐美さん。「料理は香りが大切。厳選した食材の香りを重ね、その香りが1つになった瞬間をお客さまにも楽しんでいただきたいとの思いで店名を『パフューム』としたんです」。

店内は4人席のテーブルが3席、2人席のテーブルが2席。
店内は4人席のテーブルが3席、2人席のテーブルが2席。

「フランスによくあるレストランのように、当店もカフェとレストランが併設されています。隣にある『レストラン パフューム』は本格的なフレンチレストラン。カフェはフレンチの枠にとらわれず、カジュアルに料理を楽しんでいただけるお店となっています。まぐろ丼のような和食を出すこともあるんですよ」。

南仏の小道をイメージしたテラス席。テラス席はペットの同伴OK。
南仏の小道をイメージしたテラス席。テラス席はペットの同伴OK。

「お客さまは地元にお住まいの人や近隣の会社に勤めている人などの常連の方が中心で、週に2〜3回通う常連さんもいらっしゃいます。開店以来ずっと来ていただいているお客さまも多いんですよ」と斉藤さんは話す。

リーズナブルに本格コース料理を堪能できる絶品ランチをいただく

前菜とメインを選べるカジュアルセット1500円。サラダ、スープ、ミルクパンがつく。コーヒーまたは紅茶セットはプラス100円。
前菜とメインを選べるカジュアルセット1500円。サラダ、スープ、ミルクパンがつく。コーヒーまたは紅茶セットはプラス100円。

早速、本格コース料理をいただけるというお目当てのカジュアルセット1500円を注文。前菜とメインディッシュを選べるので、斉藤さんおすすめの豊洲産直本日の鮮魚のカルパッチョとTOKYOX豚の低温ローストをチョイス。

前菜は4種類、メインディッシュは7種類から選べる。
前菜は4種類、メインディッシュは7種類から選べる。
まずはスープとミルクパン2個、サラダがテーブルに。ミルクパンは1個100円で追加できる。
まずはスープとミルクパン2個、サラダがテーブルに。ミルクパンは1個100円で追加できる。

スープはブイヤベースをつかったミネストローネスープ。トマトとみじん切り野菜、ブイヤベースの魚介類の旨味が重なった深い味わいに感動する。

スープに使われているブイヤベースはマルセイユの伝統的な方法でつくっているそう。
スープに使われているブイヤベースはマルセイユの伝統的な方法でつくっているそう。
フランス産の小麦粉にバターとミルクを加え、店内で焼き上げたミルクパン。ほのかな甘みとやさしい食感で何個でも食べられそう。
フランス産の小麦粉にバターとミルクを加え、店内で焼き上げたミルクパン。ほのかな甘みとやさしい食感で何個でも食べられそう。
シャキシャキ野菜と相性抜群のにんじんドレッシング。このドレッシングも自家製だ。
シャキシャキ野菜と相性抜群のにんじんドレッシング。このドレッシングも自家製だ。

次に前菜・鮮魚のカルパッチョが出される。新鮮な魚とエシャロット、ビネガーの相性がよく、シェフの食材への強いこだわりを感じることができる一皿だ。

この日の鮮魚はシェフが豊洲市場で自ら厳選したスズキ。成松シェフは釣りが趣味で、自分で釣った魚を出すこともあるそう。
この日の鮮魚はシェフが豊洲市場で自ら厳選したスズキ。成松シェフは釣りが趣味で、自分で釣った魚を出すこともあるそう。

メインはTOKYO X豚の低温ロースト。TOKYO X豚とは東京で開発・飼育された豚のことで、上質の赤身と脂肪が程よく混ざった濃厚な味わいの肉質が特徴だ。低温でやわらか食感に焼き上げている。フォンドボーとマスタードのソースの香りと味わいがあわさり、TOKYOX豚の素材の魅力を存分に引き出している技ありの一品だ。

付け合わせの野菜は小松菜、スナップエンドウ、小蕪、ブロッコリー、ピーマン、レッドピーマンと盛りだくさん。
付け合わせの野菜は小松菜、スナップエンドウ、小蕪、ブロッコリー、ピーマン、レッドピーマンと盛りだくさん。

腕ききシェフが一品一品にしっかりと手間をかけた料理をいただけることに幸せな気持ちになる。ごちそうさまでした。

かわいい2羽のフクロウがお出迎え

店に入ったときに驚いたのが、2羽のフクロウのお出迎えだ。剥製かな、と思って見ていると、こちらを向いて首を傾げる。なんと本物のフクロウだ。聞いてみると「閉店になったフクロウカフェで行き場のなくなってしまったフクロウを引き取ったんです」と斉藤さん。この場所が居心地がいいようで、いつもお店の前で大人しくしているそう。

アフリカワシミミズクのアップルちゃん。頭をなでてコミュケーションをとることもできる。
アフリカワシミミズクのアップルちゃん。頭をなでてコミュケーションをとることもできる。
こちらはメンフクロウのヒナちゃん。
こちらはメンフクロウのヒナちゃん。

テラス席スペースには、フクロウだけでなく、トトロも。「隣で営業していた花屋さんに飾ってあり、店の前を通る子供たちのアイドルだったんですが、花屋さんが閉店することになり、子供達が悲しまないようにうちで引き取ったんです」とのこと。

地元の子供たちのアイドル。歩道から見えるところに置いてある。
地元の子供たちのアイドル。歩道から見えるところに置いてある。

2羽のフクロウやトトロを引き取ったエピソードを聞いて、シェフやお店のスタッフのやさしさを感じ、お店の居心地の良さの理由がわかったような気がした。

本格的なコース料理を気軽に楽しめて、フクロウにも会える『ル カフェ パフューム』。次回はディナータイムにワインを飲みながら絶品料理を楽しむと心に決め、お店を後にした。

マネージャーの斉藤祐美さんとアップルちゃん。
マネージャーの斉藤祐美さんとアップルちゃん。

構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=羽牟克郎