池袋・東通りの注目店。攻めの看板が客を呼ぶ
近年注目度が高まっている東(あずま)通り。飲食店が立ち並ぶグルメストリートだが、駅から少し離れているため繁華街につきものの騒々しさがなく、個人経営の店が多いので、どこも個性的。
そんな東通りにあって、ひときわ個性が強そうなのが『池袋の風』。店頭の看板は「お酒が凄い!! お通しがスゴイ!!」と攻めのアプローチ。しかも「モンドセレクション銀賞受賞 タンシチュー300円」という看板もある。つまり、旨くて安いということだ。これは期待がもてる。
モノトーンでまとめられた店内は無機質でスタイリッシュ。カウンターやテーブルはステンレス製で、コンクリート打ち放しのように見える壁はアート作品。手前にオープンキッチンを囲むようにカウンター席があり、奥にテーブル席がある。
携帯の充電器が備えられ、フリーWi-Fiだからスマホ使用時のストレスもない。注文は各席に置かれたタブレットを利用する。この規模の店では珍しいが、品数が多いのでペーパーのメニューでは書き切れないのだという。
飲みたい酒が必ずある! プレミアムな酒にも注目!
「お酒が凄い!!」とはどういうことなのだろう。まず、種類が凄い。樽生ビール7種類、瓶缶ビール50種類、日本酒70種類、焼酎70種類、梅酒・果実酒30種類、ウイスキー10種類、ワイン20種類、クラフトジン6種類など、実に400種類以上を揃えているという。
店内を見回すと、カウンターの周りや壁際の冷蔵庫に、有名銘柄の酒がずらりと並んでいるので酒好きなら見ているだけでも楽しい。
なかでも注目したいのがプレミアムな日本酒。「十四代」880円~、「而今(じこん)」715円、「新政」792円(各65mℓ)と人気酒のわりに価格も手頃。「森伊蔵」「魔王」「村尾」などの人気焼酎も各90mℓ780円と、入手困難な焼酎にしては格安。しかも、杯数の制限がないというからうれしい限りだ。
お通しだってプレミアムな料理を提供
「お通しがスゴイ!!」とは何のことだろう。通常提供されるお通しは厚切りタンシチュー300円。店頭の看板にもあるように、モンドセレクション銀賞受賞という一品だ。3日間かけて煮込んだタンはトロトロ。シチューをお通しにするというのも珍しいが、よほどの自信作なのだろう。
日によっては、ミニカレーや原木切り落としの生ハムなどが裏メニューのお通しとして用意されることもあるという。ちなみに「原木」とは、スライスする前の豚の足そのままのハムのこと。確かにスゴイ!!
食材も一級品ばかり。これもスゴイ!
食材に目を移してみよう。野菜は旬の大切にしたオーガニックが中心。牛肉は全国の有名シェから支持され、JALの国際便ファーストクラスでも提供される宮崎県産の尾崎牛。豚肉は肉と脂のバランスがよい岩手県産の人気ブランド・岩中(いわちゅう)豚、さらに馬肉は会津若松の赤身肉を仕入れるなど、一級品にこだわる。
人気の「熟成豚肩ロースステーキ」300g1000円は、豚肉を店独自の方法でじっくり熟成させた料理。味もさることながら、このボリュームでこの価格はお得といえるだろう。
極めつけといえるのが「特撰宮崎 尾崎牛ステーキ ザブトン100g」5500円。尾崎肉は有名レストランのシェフたちをとりこにした極上肉だから、とっておきの日のごちそうにぜひ味わってみよう。
パーティープランも多く、グループでの利用にピッタリ!
メニューを見ればわかるが料理の種類も多い。「栃木男子のきんぴら」「相模屋さんのおぼろ豆腐」各390円といった軽いおつまみから、マグロのお刺身760円、馬刺し二点盛り合わせ1000円、そしてステーキからデザートまでバラエティに富む。
料理にバリエーションがあるからグループでの利用が多く、誕生日や歓送迎会、結婚式の二次会などのパーティー利用も多いという。各種宴会コースや2時間飲み放題プランなども用意しているのでグループ利用に使い勝手がよい。
無料のケーキ・記念写真&サプライズサービスをはじめ、6名以上コースの予約で50cmのBIGパフェサービスなどのパーティー向けの各種サービスもあり、「持ち込みケーキや花束など何でもお手伝いしますので、ぜひ相談してください」とはスタッフの弁。
プレミアムな酒をじっくりと楽しむならカウンター席へ。仲間とワイワイやるなら奥のテーブル席へ。席によって雰囲気も異なるので一人でも、数人でも楽しめる。とはいえ、ボリュ-ミーな料理が多いので、数人で行くのがおすすめだ。
オーナーのガクさんは話し好きだから気軽に声をかけてみよう。音楽から経済、女性ファッションまで幅広い話題に応えてくれるはずだ。
取材・文・撮影=塙 広明 構成=アド・グリーン