築80年の古民家を改装したカフェ
通称・タワビュー通り沿いにあり、ビルが林立する中に立つ白い建物は、築約80年の古民家をリノベーションしたものだ。
「昔から趣味でお菓子作りを行っており、カフェをやってみたいとずっと思い描く中で、この建物に出合いました。建物を見た瞬間、ここで店を開きたいと思いました。持ち主の方と直接お話をして、念願の店をオープンすることになったんです。当初はランチが主でしたが、今は焼き菓子の種類を増やし、テイクアウトの販売も行っています」とオーナーの岡田麻衣子さんは話す。
1階には焼き立てのオリジナル焼き菓子が並び、よく見るとウサギやクマをかたどったかわいいクッキーも並ぶ。店は岡田さんのほか、パティシエの青木さんと、ホールの手伝いに岡田さんのお嬢さんが立っている。
店内には観葉植物や彩り鮮やかな花が飾られてているのも印象的で、窓から差し込む陽光が全体をやわらかに包み、温かな雰囲気だ。
これらの植物は、亀戸でフラワーアレンジメントやガーデニングを手がける『花屋shida』にお願いしているとのこと。週1回程度、店に来て手入れをしてもらっているので、いつも緑や花にあふれ、店内にいるだけでも植物の癒やし効果を実感できる。
美味しさと美しさを意識した本格焼き菓子
焼き菓子は、すべて一から店内で焼き上げている。パティシエの青木さんは、以前はホテルの厨房で働いていたという本格派。「焼き菓子は、岡田さんたちとアイディアを出しながら新しい商品を作っています。お客様には女性や子どもが多いので、そういった方にも喜んでいただける、そして満足してもらえる味を目指しています」と話す。
この時もオレンジマフィンやオレオ&チョコレートマフィン各1個440円を焼き上げ中で、厨房からはほんのり甘い香りが漂ってくる。菓子はボリュームがあるのも特徴で、1個でも満足感が得られる。
パティシエの自慢のケーキとフルーツたっぷりのドリンクを
今回いただいたのは、キャロットケーキ490円とアイスフルーツティー600円。
運ばれてきて、思わず「かわいい!」と声をあげてしまうのは、クマ型の紅茶の氷を入れたアイスフルーツティー。まるで紅茶のプールに浸かっているかのようだ。モモをはじめ、冷凍しておいたイチゴやブドウ、リンゴなどたっぷりのフルーツがごろごろと入っている。フルーツのシャキシャキとした食感と、甘さが紅茶に溶け出し、やさしく喉を潤してくれる。
キャロットケーキは、ニンジンやパイナップルなどを練り込んだ生地と、表面にフロスティングクリームを合わせたもの。
一口食べてみれば、モッチリ&ねっちりとした生地がおいしく、ニンジンとスパイス、ラムレーズンがほんのり主張した見事な調和のケーキだ。フロスティングクリームのクリームチーズが優しい味わいで、甘すぎないのもいい。
クマをモチーフにしたスイーツも盛りだくさん!
メニューには、クマをかたどったドリンクや焼き菓子がほかにもラインナップされている。中でも人気のいちごトースト1100円は、食パンの上にクマが寝ているデザインもかわいらしい。ホイップクリームやあんこなどもたっぷり添えられ、甘い物好きにはたまらない一皿だ。
これからもどんなかわいいスイーツが登場するのかも楽しみで、オープン3年目を迎えるが早くも錦糸町きっての人気店になりつつあり、目が離せない。
取材・文・撮影=千葉香苗、構成=アド・グリーン