奥のアパート2階。目印の看板が大通りから見える。
奥のアパート2階。目印の看板が大通りから見える。

ビルの一角の小さなエリア『ニシイケバレイ』とは?

住所表示は『ニシイケバレイ』。懐かしい感じの階段を上がってすぐ。
住所表示は『ニシイケバレイ』。懐かしい感じの階段を上がってすぐ。

池袋駅西口から徒歩4分。大通りから路地を入った先、大きなビルに挟まれた古いアパートや一軒家をリノベーションして生まれたのが『ニシイケバレイ』というエリア。カフェやレストラン、コワーキングスペースなどに利用されていて、明るくしゃれた一角になっている。

曜日ごとに個性的な店が開店する。
曜日ごとに個性的な店が開店する。

曜日ごとに店が変わるシェアキッチンは、毎日いろいろな店が営業するので変化があって楽しいスポット。今回紹介する『オヤツハイツ』は2022年5月オープン、水曜日の担当だ。

いかにも、という感じのアパートの扉。
いかにも、という感じのアパートの扉。

「いきなり自分で店を構えるというのはハードルが高かったので、週一回のシェアキッチンからはじめてみました」と店主の羽田野雄太さん。厨房が広く、スチームコンベクションオーブンをはじめ、テーブルや椅子など営業に必要なものがすべてそろっている。たしかに初めて店を持つ人にとってはありがたい。

店内は広々としていて日差しもあたたか。
店内は広々としていて日差しもあたたか。

雄太さんと妻の歌代さんの縁は、同じカフェで働いていたこと。雄太さんはキッチン、歌代さんはホールの担当だったので、カフェを営業するのにはうってつけだ。厨房で作業する姿からも息がそろっているのがわかる。店内にはふんわりとあたたかい雰囲気が漂っていた。

配合を変えながらたどり着いたチーズケーキ

丁寧な作業がきめ細かさの決めて。
丁寧な作業がきめ細かさの決めて。

10年以上というキッチン経験を持つ雄太さんは、かつて働いていた店でチーズケーキを作っていたことから自宅でも作るようになり、そして思い切ってネット販売することに。

そのときに悩んだのは材料の配合だ。クリームチーズ、マスカルポーネチーズ、ヨーグルト、生クリーム、卵、コーンスターチで作る素朴なチーズケーキなので、好みの味になるまで何度も配合を変更しながら作り上げていった。

青に緑に焦げ茶色…味も色もバリエーション豊か

チーズケーキの種類は9種類。もっと増えるかも。
チーズケーキの種類は9種類。もっと増えるかも。

初めに作っていたのはプレーンとバスクの2種類。個別にはなかなか売れず悩んだこともあったが、2種類をセットにしたところ、かなり売れるようになったという。やがて実店舗への夢も見えはじめ「もっと種類を増やしてみよう!」と試行錯誤を繰り返した。

青はハーブのバタフライピーの色。ミントも配合されたさわやかなチーズケーキだ。
青はハーブのバタフライピーの色。ミントも配合されたさわやかなチーズケーキだ。

そこから種類はどんどん増えて、現在店舗では9種類を販売している。中にはびっくりするような青い色のものも。これはバタフライピーという青いハーブティーとミントを配合した青いミントのチーズケーキ。さわやかな甘さが好評だ。そのほか、抹茶の緑やほうじ茶の茶、コーヒーの焦げ茶など、色も味もさまざまで見ているだけでも楽しい。これからも新しい味が追加されるかもしれない。

素朴でなめらかな味が魅力。ほっとするやさしい味わい

オヤツハイツのチーズケーキ(プレーン)350円、コーヒー250円。
オヤツハイツのチーズケーキ(プレーン)350円、コーヒー250円。

一杯ずつ丁寧にドリップしたコーヒーの香りがふわりと広がった。木の皿にのったチーズケーキは見るからにしっとりとして実においしそう。

しっとりでいてほろりと崩れるやわらかさ。
しっとりでいてほろりと崩れるやわらかさ。

チーズのコクとさわやかさ、そして甘みのバランスが絶妙だ。そして際立つのがなめらかさ。口の中ですうっと溶けていく。淹れたてのコーヒーとももちろん相性は抜群だ。

350円という料金はかなり良心的だと感じた。もう一つほかの味を試してみたい気持ちになるし、おみやげにいろんな種類を買っていくのもいい。一息つきたいときにぴったりのオヤツだ。

自分たちの店を構える夢。案外早く叶ってしまうかも

妻の歌代さんと店主の雄太さん。
妻の歌代さんと店主の雄太さん。

この場所で水曜日のみの営業を始めてから約半年。常連客もでき、ネット販売も好調だ。自分たちの店を構える準備は着々と整っているそうなので、ぜひ早めに訪れてチーズケーキを食べてみてほしい。夢に向かって邁進する二人。移転してしまうのは、思ったよりも早いかもしれない。

住所:東京都豊島区西池袋5-13-18 2階/営業時間:11:30〜16:30/定休日:水のみ営業/アクセス:JR・私鉄・地下鉄池袋駅から徒歩4分

取材・⽂・撮影=ミヤウチマサコ 構成=アド・グリーン