背脂中毒たちの胃袋をわしづかみにする唯一無二のラーメン
JR秋葉原駅の昭和通り口に出て、高速1号上野線に沿って上野方面へ歩くこと5分ほど。真っ赤な看板とのぼりが見えてきたら、そこが『超ごってり麺 ごっつ 秋葉原店』だ。店にたどり着くまでに少なくとも6軒のラーメン店を見かけたのだが、“超ごってり”にハマったお客さんたちはほかの店には目もくれずに、背脂たっぷりのラーメンを求めてやって来る。
店頭にあったメニューをチェックすると、なんと種類の多いこと。ラーメンのベースは4種類、つけ麺は3種類。タン下肉入りの「タン二郎」なんてユニークな(人気アニメと人気ラーメン店を掛け合わせた!?)ネーミングのラーメンもあって、なんだかワクワクしてきたぞ。あれこれ迷うのも楽しいが、一見さんの筆者はなかなか決められそうにないので、店長の鄭祖銘(ていそめい)さんにおすすめを聞くことにした。
「秋葉原店の一番人気は、背脂たっぷりのしょうゆラーメンです。家系超ごっつラーメンやアキバブラックもおすすめしたいところですが、はじめは背脂の“ごってり”感をストレートに味わっていただきたいですね」。では、定番のお味からいただくとしましょう!
どれほど背脂“ごってり”かは、「喰えばわかるさ!」
それでは早速、しょうゆラーメンを注文……する前に、無料サービスがあることを忘れてはならない。オフィシャルアプリの登録者は平日限定で、麺の大盛りか中盛り、または半ライスが無料になる。その場でアプリを登録してもサービスを受けることができるので、注文する前に登録しよう。
背脂系のこってりラーメンのおいしさを追い求めた末に完成したというこの一杯。たっぷりもやしの上に山盛りのねぎ、大判チャーシューがドカッとのっかり、スープの表面が背脂で覆いつくされていて、強烈なインパクトを放っている。
背脂の量、麺の太さとかたさ、スープの味の濃さは好きに選べる。「背脂多めで」といきたかったが、スタンダードでこの量。スープにレンゲを投入すると、表面だけに背脂が浮いているのではないことがわかる。まるで器の底から背脂が湧き出てくるようだ。
スープをひと口すすると背脂が口の中で溶けて、まろやかな甘みとコク深さが一気に広がる。濃厚で“ごってり”しているだけでなく、豚骨や野菜をじっくり煮込んだスープは深い味わいだ。
シャキシャキのもやしとねぎにドロッとした背脂スープがからむと、意外と脂っこさを感じないのには驚いた。この背脂×ねぎ×もやしのウマウマな組み合わせ、かなりイケる! 麺を大盛りもやしに変更することもできるので、(気持ちだけでも……)ヘルシーにいただきたい時に注文してみよう。
溢れるほどの背脂とサービス精神で元気をチャージしてくれる店
オーナーの加藤靖彦氏は、千葉県を中心に展開する背脂チャッチャ系の名店『こってりらーめん なりたけ』で6年間修業した後に独立。2009年に『超ごってり麺 ごっつ 亀戸本店』、次いで2012年に秋葉原店、2014年に新小岩店を開店した。
加藤氏は「ラーメンは元気の源。お客さまに元気を届けられる“ラーメンづくり”と“人づくり”がしたい」という情熱を持って、心の込もった最高の一杯を提供することができるスタッフを育て上げてきた。鄭さんもその1人で、“超ごってり”ラーメンのインパクトに負けないくらい、威勢のいい声とこまやかな心配りがとっても印象的な店長さんだ。彼の温かい笑顔と行き届いたサービスが、お客さんの心を元気にしてくれている。
鄭さんは秋葉原店のオープニングスタッフとして働き始め、2016年に店長となった。この店で働き続ける理由をうかがうと、「ごっつのラーメンが好きなのはもちろんですが、サービス精神旺盛なオーナーが素晴らしくて。麺も背脂もたっぷり器に盛って、お客さんにおいしくお得に食べてもらって、とにかく満足してもらいたい! という想いを持っているんです」と鄭さん。
オーナーの想いはスタッフたちにも浸透しているそうで、盛りっぷりのよさといい、気持ちのいい笑顔といい、みんなして気前がいいのだ。
『超ごってり麺 ごっつ 秋葉原店』に来れば、お腹いっぱいになって元気になるし、スタッフさんからも元気をもらえる。だから、またこの店に食べに来たくなる。胃袋も心もごっつ満腹です!
構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=コバヤシヒロミ